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人類と科学の軌跡をたどる、今だからこそ知っておきたい科学史関連本特集!
買って,読んで,お楽しみあれ.(eme,lege, fruere.)
コペルニクス『天球回転論』より
日本科学史学会の協力のもと、二部から構成されており、科学の基本的な学説・概念、およびその地域ごとの展開が丁寧に解説され、高校科目でいうところの数学・理科にあたる部分の発展的な内容が今後科学を志す初学者に向けて提示されている第一部「個別学説史,科学論・ヒストリオグラフィー」、そして科学技術と社会とのかかわり方をめぐる様々なトピックが紹介された第二部「社会の中の科学」からなる。事典の刊行時点で福島原発事故10年の節目を迎え、第9章では原子力問題に対して科学がどのように向き合うべきかが問われている。それだけでなく、原発事故以降10年間での研究不正の問題、AI技術の発展などを経て、本事典制作途上で新型コロナウイルスによるパンデミックが世界を襲った最中で編まれたため、より最新の科学的知見も十分にフォローされている。
『35の名著でたどる科学史 −科学者はいかに世界を綴ったか』
小山 慶太 著
定価:1,980円(本体1,800円+税10%)
発行年月日 2019年02月
四六判・216頁
ISBN:978-4-621-30370-2
『プリンキピア』、『種の起原』、『二重らせん』……タイトルは一度は聞いたことのある科学の名著。 それぞれの書籍は執筆した科学者の業績とともに教科書に載るほど有名なものも多く存在する。では実際にそれらの本には何が書かれていて、科学者たちはどのように自分の研究のことを書いているのか、までは案外知らないのではないか。本書では科学の一大転換点である16世紀からはじまり、現代へつながる科学史において重要な名著を35冊取り上げ、その内容と書かれた時代背景、刊行後にどのような影響を与えたのかを解説。案外知らない名著の内容を知るだけでなく、科学の歴史の表舞台とその裏側にあった、科学者たちの人間らしい一面も垣間見える、科学の名著の世界を案内する。
数学でもあり科学史でもある「数学史」という分野。それは科学としての数学に加え、多様化した純粋な数学、技術のかかわりの深い数学、和算をはじめ各地で発達した数学などについて、時代背景と数学以外の様々な科学・技術とのかかわりの中でどう生まれ、発達したかを扱う学問である。数学単独ではもはや扱いきれない分野でもある。本書では日本数学史学会の編集の元で、15の章に分けて様々な数学の生成と発達を紹介する。見開きページ内でわかりやすく完結する、興味のあるテーマから読める、全世界の数学と数学史を一望のもとに収める事典。
原書名:Mathematics and the Real World: The Remarkable Role of Evolution in the Making of Mathematics
落合 卓四郎 監修 植野 義明 訳
定価:3,630円(本体3,300円+税10%)
発行年月日 2018年03月
A5判・428頁
ISBN:978-4-621-30168-5
数学を教え、学ぶことはなぜそんなに難しいのか?これを理解するために、本書では、進化の生存競争で利点をもたらした結果、人間に生得的に埋め込まれるようになった直観的な数学の能力と、そうでない能力の違いを認識する重要性を指摘する。本書ではまず、ギリシャから始まり、ニュートン力学、電磁気の理論、相対論から量子論にいたるまで、物理的世界の記述のために数千年にわたって発展してきた数学が、直観的な数学とは衝突すると解説する。他にも、大きなサイズの標本に正しく対処する統計学的な能力や、ゲーム理論などの人間集団が取る行動の数学的分析のほか、人間には理解不能なコンピューターの高速性も直観的でないと説明され、それは論理を基礎とした厳密な数学のあり方にまで及ぶ。本書の議論を踏まえた、数学の論理構造の階層とその理解の各段階の違いを理解すべきだという提言は、数学の学習や教育に関心のあるすべての人にとって有益だろう。
加藤 茂孝 著
定価:2,420円(本体2,200円+税10%)
発行年月日 2013年03月
A5判・196頁
ISBN:978-4-621-08635-3
「得体の知れないものへの怯え」を超えて 著者はウイルスの専門家。ウイルスは人に感染し、社会制度、政治、社会心理など極めて関係が深い。2003年SARS、2009年「新型インフルエンザ」の緊張と混乱は人々の不安を増した。感染症が社会に対していかに大きな影響を与え、いかに歴史を動かして来たかを本書で明らかにする。なぜ、感染症は絶えないのか?なぜ新たな感染症が出現してくるのか?人類はどのように感染症と戦って生き延びてきたのか?科学はこの見えないものへの怯えをいかに減らしてきたか?そして、我々は、どこへ行くのか? 本書の内容は、感染症を40%、歴史を40%、残り20%をその間を繋ぐ社会心理的なものに充てた。感染症の歴史は、人々の不安の歴史でもある。明治期より近代微生物学の進展がその不安を減らしてきた。それでも、肉眼で見えないことの恐怖は消えない。次々と新しく出現する新興感染症。
加藤 茂孝 著
定価:2,420円(本体2,200円+税10%)
発行年月日 2018年05月
A5判・242頁
ISBN:978-4-621-30294-1
死に至る病がすぐそこにある。……といわれてもなかなか想像がつかないかもしれない。しかし、2014年には「エボラウイルス病(エボラ出血熱)」によって西アフリカを中心に1万人を超える人が亡くなり、日本国内でも感染の疑いのありといわれて緊張が走る瞬間があった。また、「梅毒」として報告された患者数は調査が始まって以来最多となっている。実は感染症は案外身近に潜んでいて、人間のすきを狙っているのかもしれない。本書では前作とは異なる、現代日本でも身近な8つの感染症について、どのように感染症が発生したのか、広がる感染症に医療や行政がどのような対策をしてきたのかをひもとく。好評だった医学や生物学の専門知識がなくても読み進められる語り口はそのままに、知っておきたい感染症の知識が詰め込まれている。
誰が現代の気象予報を作り上げたのか。この質問に答えるためには、多くの偉大な科学者たちの名前を挙げていく必要がある。我々がいつも何気なく手にする気象予報は、多くの科学者たちの努力の結晶なのである。気象学を推し進めた科学者の中には、現在では物理学者や化学者として名高い人物も存在している。本書では紀元前の気象予報からはじめ、21世紀に生きる我々に至るまで、気象学と気象予報がどのように変遷したかをたどる。気象予報はいつの時代も必要とされてきたが、その目的は安定した収穫、安全な航海、災害への備え、墜落しない飛行機、そして戦争での勝利といったように、時代によって変遷している。しかし、いずれも簡単な問題ではなく、時代の先端の知識を、トップランナーの科学者が駆使することで、初めて解決されてきた。いまだ進化を続ける気象学と気象予報が、どのように編み上げられてきたのかを知ることのできる稀有な一冊である。
科学の進歩の歴史を、豊富な図とイラストでビジュアルに見せた新しい図鑑シリーズ。各トピックスはコンパクトであり読みやすく、かつ、古代から最先端の話題まで網羅しているので、まるで博物館をめぐるように学問の進歩を知ることができる。
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