ニッケル
著者名 NEDO技術開発機構
産総研化学物質リスク管理研究センター
中西 準子
恒見 清孝
発行元 丸善出版
発行年月日 2008年04月
判型 B5 257×182
ページ数 322ページ
ISBN 978-4-621-07982-9
Cコード 3343
NDCコード 436
ジャンル 化学・化学工学 >  シリーズ化学・化学工学 >  詳細リスク評価書シリーズ

内容紹介

化学物質のリスク評価結果をまとめたシリーズ。化学物質管理の方策を考える際に必要な科学的な基礎情報を豊富に呈示。

目次

要約
 1.序論
 2.一般情報と既存のリスク評価の知見と規制の動向
 3.物質フロー解析と環境中への排出量の推定
 4.ニッケルのモニタリングデータ
 5.環境中動態と暴露濃度推定
 6.ヒトに対する暴露評価
 7.ヒトへの毒性
 8.ヒト健康リスク評価とリスク削減対策
 9.生態毒性
 10.生態リスク評価とリスク削減対策
 11.結論
第I章 序論
 1.背景
 2.本評価書の目的
 3.各章の概要
第II章 一般情報と既存のリスク評価の知見と規制の動向
 1.はじめに
 2.ニッケルの種類および物理的・化学的特性
  2.1 ニッケル金属およびニッケル化合物の基礎情報
  2.2 物理的・化学的特性
 3.既存のリスク評価の状況
  3.1 各評価書の対象とする化合物
  3.2 国際機関の有害性評価とリスク評価
   3.2.1 IARC
   3.2.2 WHO/IPCS
  3.3 欧州の有害性評価とリスク評価
   3.3.1 ECB
   3.3.2 オランダ
  3.4 北米の有害性評価とリスク評価
   3.4.1 U.S.EPA
   3.4.2 ACGIH
   3.4.3 ATSDR
   3.4.4 NTP
   3.4.5 TERA
   3.4.6 カナダ
  3.5 日本国内のリスク評価
 4.規制
  4.1 欧米の規制動向
   4.1.1 大気
   4.1.2 河川・海洋の水質
   4.1.3 飲料水
  4.2 日本国内の規制動向
   4.2.1 大気
   4.2.2 水質
   4.2.3 PRTR
   4.2.4 作業環境
 5.まとめ
第III章 物質フロー解析と環境中への排出量の推定
 1.はじめに
 2.ニッケルの物質フロー解析
  2.1 ニッケルの用途区分と国内供給量推定
  2.2 廃棄量とストック量の推定
  2.3 廃棄物処理量の推定
  2.4 解析結果の不確実性に関する考察
  2.5 物質フロー解析のまとめ
 3.石油・石炭製品中のニッケル含有量
  3.1 原油中のニッケル含有量
  3.2 石油製品中のニッケル含有量
  3.3 石炭・コークス中のニッケル含有量
  3.4 ニッケル含有量に関するまとめ
 4.PRTR制度による排出移動量
  4.1 排出移動量の経年変化
  4.2 業種別の排出移動量
  4.3 県別の大気と水域への排出移動量
 5.大気排出量の推定
  5.1 ニッケル製品の製造段階からの大気排出量
  5.2 ニッケル製品の使用段階からの大気排出量
  5.3 ニッケル製品の廃棄段階からの大気排出量
   5.3.1 廃棄物焼却による大気排出量
   5.3.2 下水汚泥焼却に伴う大気排出量
  5.4 石油・石炭燃焼に伴う固定発生源からのニッケルの大気排出量
   5.4.1 火力発電所からの大気排出量
   5.4.2 製鉄所における大気排出量
   5.4.3 その他の業種からの大気排出量
  5.5 移動発生源からの大気排出量
  5.6 大気排出量まとめ
 6.水域への排出量推定…70
  6.1 ニッケル製品の製造段階からの水域への排出量
  6.2 ニッケル製品の使用段階からの水域への排出量
  6.3 ニッケル製品の廃棄段階からの水域排出量
  6.4 家庭からの水域への排出量
  6.5 下水処理に伴う水域への排出量
  6.6.水域への排出量まとめ
 7.まとめ
第IV章 ニッケルのモニタリングデータ
 1.はじめに
 2.大気
  2.1 地方公共団体によるモニタリング結果
  2.2 高濃度地域における化学種・粒径別の分析
 3.水質
  3.1 河川,海洋
  3.2 浄水
  3.3 給水栓水
  3.4 地下水
  3.5 家庭排水
  3.6 下水処理水
 4.底質
 5.土壌
 6.食品
 7.まとめ
第V章 環境中動態と暴露濃度推定
 1.はじめに
 2.環境中動態に関する既存データ
  2.1 大気中の動態
   2.1.1 揮散率
    2.1.1.1.1 一般廃棄物と下水汚泥の焼却炉
    2.1.1.1.2 石油・石炭ボイラー
   2.1.2 集塵効率
   2.1.3 分解性
   2.1.4 浮遊粒子径
   2.1.5 乾性沈着および湿性沈着
   2.1.6 発生源由来の粉塵の化学種
   2.1.7 事業所内および一般の大気中の化学種
    2.1.7.1 大気中化学種に関する既存データ
    2.1.7.2 国内での大気中化学種分析
  2.2 水中での動態
   2.2.1 水中への流入過程
   2.2.2 水中の化学種
    2.2.2.1 水中の化学種に関する既存データ
    2.2.2.2 国内での水中の化学種分析
   2.2.3 堆積層への沈殿
 3.生物濃縮性
 4.大気中の暴露解析
  4.1 大気拡散モデルの概要とパラメータ設定
  4.2 大気中濃度分布の推定結果
 5.まとめ
第VI章 ヒトに対する暴露評価
 1.はじめに
 2.吸入の暴露評価
  2.1 全国
  2.2 局所
 3.経口の暴露評価
  3.1 食事によるニッケル摂取量推定
   3.1.1 食品群別のニッケル含有量
   3.1.2 年齢階級別の食品摂取量と体重
   3.1.3 食事によるニッケル一日摂取量推定
 3.2 飲料水によるニッケル一日摂取量推定
 4.まとめ
第VII章 ヒトへの毒性
 1.はじめに
 2.実験動物に対する有害影響
  2.1 一般毒性
   2.1.1 反復吸入暴露
    2.1.1.1 金属ニッケル
    2.1.1.2 酸化ニッケル
    2.1.1.3 二硫化三ニッケル
    2.1.1.4 硫酸ニッケル
    2.1.1.5 塩化ニッケル
  2.1.2 反復経口投与
    2.1.2.1 金属ニッケル
    2.1.2.2 水溶性ニッケル
  2.1.3 一般毒性に関するまとめ
 2.2 生殖発生毒性
  2.2.1 酸化ニッケル
  2.2.2 二硫化三ニッケル
  2.2.3 硫酸ニッケル
   2.2.3.1 混餌投与による3世代試験
   2.2.3.2 強制経口投与による2世代繁殖試験
  2.2.4 塩化ニッケル
   2.2.4.1 SD系ラットを用いた飲水投与による2世代繁殖試験…125
   2.2.4.2 Long-EVANS系ラットを用いた飲水投与による2世代繁殖試験
   2.2.4.3 筋肉内投与による試験
  2.2.5 生殖発生毒性に関するまとめ
 2.3 遺伝毒性
  2.3.1 金属ニッケル
  2.3.2 酸化ニッケル
  2.3.3 二硫化三ニッケル
  2.3.4 水溶性ニッケル
  2.3.5 遺伝毒性に関するまとめ
 2.4 発がん性
  2.4.1 金属ニッケル
  2.4.2 酸化ニッケル
   2.4.2.1 ラットを用いた2年間吸入暴露試験
   2.4.2.2 マウスを用いた2年間吸入暴露試験
  2.4.3 二硫化三ニッケル
   2.4.3.1 ラットを用いた2年間吸入暴露試験
   2.4.3.2 マウスを用いた2年間吸入暴露試験
  2.4.4 硫酸ニッケル
   2.4.4.1 ラットにおける2年間吸入暴露試験
   2.4.4.2 マウスにおける2年間吸入暴露試験
   2.4.4.3 2年間経口投与試験
   2.4.4.4 硫酸ニッケルの発がん性試験に関する考察
   2.4.4.5 硫酸ニッケルの発がんプロモーション作用
  2.4.5 塩化ニッケル
 3.疫学
  3.1 金属ニッケル
  3.2 ニッケル酸化物
  3.3 ニッケル硫化物
  3.4 水溶性ニッケル
 4.薬物動態と代謝
  4.1 吸収
   4.1.1 吸入暴露
   4.1.2 経口暴露
  4.2 分布
   4.2.1 吸入暴露
   4.2.2 経口暴露
   4.2.3 細胞内への取り込み
  4.3 代謝
  4.4 排泄
   4.4.1 吸入暴露
   4.4.2 経口暴露
  4.5 薬物動態モデル
 5.ニッケルの発がん性に関する考察 
  5.1 発がんメカニズムと定性的評価
  5.1.1 金属ニッケル
  5.1.2 酸化ニッケル
  5.1.3 二硫化三ニッケル
  5.1.4 水溶性ニッケル
  5.1.5 各種ニッケル化学種とニッケル精錬粉塵の発がん性の関連
 5.2 発がん性の定量的評価
  5.2.1 疫学データにもとづく発がん性の定量的評価
  5.2.2 動物試験データにもとづく発がん性の定量的評価
   5.2.2.1 用量の調整
   5.2.2.2 粒子径に関する情報
   5.2.2.3 ユニットリスクの計算
   5.2.2.4 不確実性の検討
   5.2.2.5 水溶性ニッケルの発がんプロモーション作用
 6.まとめ
第VIII章 ヒト健康リスク評価とリスク削減対策
 1.はじめに
 2.大気中からの吸入によるヒト健康リスク評価
  2.1 日本国内全域におけるリスク評価
  2.2 高濃度地点におけるリスク評価
   2.2.1 非発がんのリスク評価
   2.2.2 発がんのリスク評価
 3.食事,飲料水からの経口によるヒト健康リスク評価
 4.大気排出量削減の経済性評価
  4.1 有害大気汚染物質の自主管理対策の概況
  4.2 対策シナリオ設定
  4.3 費用効果分析の方法
  4.4 対策間の費用効果の比較
 5.まとめ
第IX章 生態毒性
 1.はじめに
 2.水生生物に対する毒性
  2.1 魚類に対する毒性
  2.2 水生無脊椎動物に対する毒性
  2.3 藻類,水生植物に対する毒性
  2.4 その他水生生物に対する毒性
 3.金属の毒性に影響を与える因子
  3.1 硬度
  3.2 pH
  3.3 有機錯体化
  3.4 順化
  3.5 必須性
 4.水生生物群集の中で影響を受ける種の割合の評価
  4.1 評価手法
  4.2 ニッケルに関する水生生物種の感受性分布
 5.個体群の生態毒性
  5.1 評価手法
  5.2 生活史パラメータ
  5.3 個体群のリスク評価に用いる毒性データの導出
   5.3.1 ニジマス
   5.3.2 ファットヘッドミノー
   5.3.3 タイセイヨウサケ
   5.3.4 個体群のリスク評価に用いる毒性データのまとめ
 5.4 個体群増加率に対する毒性影響の推定結果
 6.まとめ
第X章 生態リスク評価とリスク削減対策
 1.はじめに
 2.生態リスク評価
  2.1 生態リスク評価の手順
  2.2 種の感受性分布による河川のスクリーニング結果
  2.3 個体群レベル評価
  2.4 個体群レベルを超過する流域における生物利用性
 3.水域への排出量削減の経済性評価
  3.1 工場排水のニッケル濃度規制
  3.2 排出削減対策オプションの費用
  3.3 対策による費用効果の比較
 4.まとめ
第XI章 結論
 1.はじめに
 2.暴露評価
 3.ヒト健康リスク評価とリスク削減対策
  3.1 有害性評価
  3.2 リスク評価とリスク削減対策
 4.生態リスク評価
  4.1 有害性評価
  4.2 リスク評価とリスク削減対策
 5.今後の課題
第XII章 レビュアーの意見書と筆者らの対応
 市川陽一レビュアーからのコメントと筆者らの対応
 今井田克己レビュアーからのコメントと筆者らの対応
 内山巌雄レビュアーからのコメントと筆者らの対応
 金井俊治レビュアーからのコメントと筆者らの対応
 横井隆史レビュアーからのコメントと筆者らの対応
 三国国敏レビュアーからのコメントと筆者らの対応

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