カドミウム
著者名 NEDO技術開発機構
産業技術総合研究所 化学物質リスク管理研究センター
中西 準子
小野 恭子
発行元 丸善出版
発行年月日 2008年01月
判型 B5 257×182
ページ数 392ページ
ISBN 978-4-621-07919-5
Cコード 3343
NDCコード 574
ジャンル 化学・化学工学 >  シリーズ化学・化学工学 >  詳細リスク評価書シリーズ

内容紹介

化学物質のリスク評価結果をまとめたシリーズ。化学物質管理の方策を考える際に必要な科学的な基礎情報を豊富に呈示。

目次

要約
 第I章 序論
 第II章 Cdの発生源と排出量
 第III章 環境中濃度と暴露レベル
 第IV章 ヒト健康に関する有害性評価
 第V章 ヒト健康に関するリスク判定
 第VI章 生態リスク評価
 第VII章 リスク削減対策
第I章 序論 
 1.リスク評価の目的・構成
 2.Cdの物理化学的特性
  2.1 物理化学的特性およびCd化合物の形態と特徴
  2.2 Cdの環境中運命の概要
   2.2.1 存在と形態
   2.2.2 生成と分解
 3.Cdの用途の概要
 4.Cdの分析方法
 5.Cdに関連する基準値
第2章 Cdの発生源と排出量 
 1.本章の目的および対象とする範囲
 2.PRTRデータの集計結果
  2.1 届出排出量と移動量の集計結果
  2.2 届出外排出量の推計結果
   2.2.1 対象業種を営む事業者からのすそきり以下の排出量
   2.2.2 低含有率物質からの排出量
 3.Cdの生産過程からの排出
  3.1 Cd金属の生産量と輸出入量
  3.2 非鉄金属の採鉱・製錬プロセスとCdの生産プロセス
  3.3 現状の金属鉱業/非鉄金属製造業からの排出
   3.3.1 金属鉱業および非鉄金属製造業における排出量と排出係数
   3.3.2 休廃止鉱山からの排出量の推定
  3.4 過去の採鉱・製錬によるCd排出
   3.4.1 採鉱・製錬によるCd排出の歴史
   3.4.2 採鉱・製錬を経たが,製錬されなかったCd量の推計
   3.4.3 Cd廃棄量および未精製Cd症の推計方法に関する考察
   3.4.4 廃棄された,または未精製のCdの量とその排出先に関する検討
 4.Cdを用いる工業製品の製造過程からの排出
  4.1 Cdの用途別使用量(2000年)
  4.2 Cdの用途別使用量の経年変化
  4.3 製造業からのCd排出係数(現状)
  4.4 製造業からの排出(過去)
   4.4.1 概要
   4.4.2 1970年当時における排出量の推定
   4.4.3 1970年から2000年における水系への排出量の推定
 5.廃棄物に由来する排出
  5.1 PRTRデータによる排出量と移動量
  5.2 Cdを含む一般廃棄物の焼却、埋立、回収量の推計(現状および経年変化)
   5.2.1 Cd製品の国内流通量の推定(現状および経年変化)
   5.2.2 Ni-Cd電池回収の現状
   5.2.3 Cd廃棄量,ストック量の用途別経年変化の推算
   5.2.4 廃棄物処理に伴うCdのフロー
   5.2.5 廃棄物の排出先の推定結果および排出先ごとのCd量の経年変化
  5.3 環境中排出量の推定
   5.3.1 一般廃棄物焼却炉からの大気へのCd排出量
   5.3.2 廃棄物の埋立による水域への排出
 6.下水汚泥に由来する排出
  6.1 下水汚泥の処分方法の概要
  6.2 下水汚泥量の経年変化
  6.3 下水汚泥中Cd濃度の経年変化
  6.4 下水汚泥に由来するCdの移動先および移動量
 7.石炭燃焼プロセスからの排出
 8.肥料由来のCd排出
  8.1 肥料に含まれるCd量の現状
  8.2 農用地に移動した量の経年変化
 9.発生源と排出量のまとめ
  9.1 現状の排出量
  9.2 経年変化
第III章 環境中濃度と暴露レベル 
 1.一般環境中の濃度
  1.1 大気
  1.2 水系
   1.2.1 表流水
   1.2.2 海水
   1.2.3 底質
  1.3 土壌
   1.3.1 天然賦存量
   1.3.2 現状の土壌中濃度
   1.3.3 農用地土壌
   1.3.4 高山周辺地域における土壌中Cdの由来
  1.4 環境中移動量
   1.4.1 大気降下量
   1.4.2 土壌・水系における移動量
   1.4.3 日本における農用地土壌中Cdの収支
   1.4.4 EUにおける農用地土壌中Cdの収支
 2.食品中含有量
  2.1 はじめに
  2.2 米
   2.2.1 食糧庁による玄米中Cd濃度調査
   2.2.2 地域別データ
   2.2.3 東京都内搬入米
   2.2.4 汚染地域
  2.3 麦,豆類
  2.4 野菜
  2.5 魚介類
  2.6 肉類・その他の食品
  2.7 水道水
  2.8 調理によるCd量の変化
 3.土壌中濃度と食物中濃度の関係
 4.Cd摂取量の経年変化
  4.1 データの整理方法
  4.2 Cd一日摂取量の推移
  4.3 米中濃度の推移
  4.4 米由来のCd摂取量
  4.5 諸外国でのCd摂取量の経年変化
 5.Cdの体内蓄積量の経年変化
  5.1 データの整理方法
  5.2 血中Cd濃度
  5.3 尿中Cd濃度
  5.4 腎皮質中Cd濃度
  5.5 肝臓中Cd濃度
 6.Cd摂取量と体内動態における個人差の解析
  6.1 体内動態の個人差
  6.2 長期平均摂取量の個人差
 7.Cd摂取量および体内蓄積量の諸外国との比較
  7.1 Cd摂取量の比較
 7.2 体内蓄積量の比較
 8.まとめ
 
第IV章 ヒト健康に関する有害性評価 
 1.はじめに
 2.有害性の概要
  2.1 吸収
  2.2 体内分配と排泄
  2.3 腎臓への影響
  2.4 骨への影響
  2.5 肝臓への影響
  2.6 発がん影響
  2.7 その他の影響
 3.既存の有害性評価
  3.1 WHO Food Additives Series, No.4 (1972): JECFA 16th
  3.2 WHO Food Additive Series, No.24 (1989): JECFA 33rd
  3.3 WHO, Environmental Health Criteria 134 (1992)
  3.4 WHO Technical report Series 837 (1993): JECFA 41st
  3.5 WHO Food Additive Series, No.46 (2001): JECFA 55th
  3.6 WHO Food Additive Series, No.52 (2004): JECFA 61st
  3.7 Eu Risk Assessment Report,Cadmium Metel(Draft)(Moreau 2003)
  3.8 US EPA, IRIS Database(一般毒性(経口暴露):1994年,発がん性:1992年)
  3.9 US EPA (1999) Toxicological Review (External Review Draft), Cadmium and Compounds
  3.10 ATSDR (1999) Toxicological Profile for Cadmium
 4.リスク判定に用いる参照値
  4.1 経口暴露による尿細管障害のリスク評価のための参照値
   4.1.1 既往の評価書における値の整理
   4.1.2 メタ解析
   4.1.3 リスク判定のための参照値の決定
  4.2 吸入暴露による発がんリスクについて
   4.2.1 既往の評価での発がん性の判定とユニットリスク
   4.2.2 既往のユニットリスクの妥当性の検討
   4.2.3 本評価書における吸入経路による発がんリスクの評価
 5.Cd一日摂取量と尿中Cd濃度の関係
  5.1 修正累積摂取量の算出方法
  5.2 Cd摂取量と尿中Cd濃度との比(換算係数)の算出方法
  5.3 換算係数の算出結果および換算係数を用いた尿中Cd濃度の試算
  5.4 換算係数の算出方法に関する考察
 6.まとめ
第V章 ヒト健康に関するリスク判定 
 1.はじめに
 2.Cd暴露によるリスクの判定
  2.1 リスク判定の方法
  2.2 現状の50代のリスク判定
  2.3 Cd摂取量シナリオに基づくリスク判定
  2.4 リスク判定に用いた値の意味
 3.現行の米中Cd濃度に関する流通管理基準についての考察
 4.まとめ
第VI章 生態リスク評価 
 1.本章の構成
 2.既存の評価文書の概要
  2.1 はじめに
  2.2 カナダのリスク評価
  2.3 EUのリスク評価(ドラフト)
   2.3.1 リスク評価書のドラフト
   2.3.2 リスク評価書のドラフトに対するCSTEEの意見
  2.4 WHOの環境保健クライテリア
  2.5 諸外国の水生生物保護のための水質クライテリア,ガイドライン値
   2.5.1 米国環境保護庁の水質クライテリア
   2.5.2 オランダの環境基準
   2.5.3 カナダの水生生物保護のための水質ガイドライン
  2.6 中央環境審議会水環境部会水生生物保全環境基準専門委員会での検討
 3.問題設定
  3.1 概念モデル
  3.2 評価エンドポイント
  3.3 影響指標と暴露指標
 4.暴露評価
  4.1 公共用水中Cd濃度
   4.1.1 情報源
   4.1.2 全体の概況
   4.1.3 暴露濃度の分布の解析
   4.1.4 暴露濃度の最大値,算術平均値,平均値の片側95%信頼上限値
   4.1.5 汚染河川における発生源の情報
  4.2 生物中のCd濃度
 5.影響評価
  5.1 水生生物に対する毒性
   5.1.1 急性毒性
   5.1.2 慢性毒性
   5.1.3 毒性の強さに影響を与える因子
  5.2 鳥類に対する毒性
  5.3 陸上哺乳類に対する毒性
 6.リスクの推算と説明
  6.1 水生生物の生存,繁殖,成長,発生(評価エンドポイント①)に対する評価
   6.1.1 方法
   6.1.2 結果
  6.2 種の感受性分布法(評価エンドポイント②に対する評価)
   6.2.1 方法
   6.2.2 結果
  6.3 魚類の地域個体群の存続可能性(評価エンドポイント③)の評価
   6.3.1 内的自然増加率rm,増加率riを用いた個体群の存続可能性評価の方法
   6.3.2 生活史パラメータの外挿方法
   6.3.3 遷移行列
   6.3.4 魚類に対するCdの毒性影響
   6.3.5 増加率riに対する毒性影響の推算結果
  6.4 魚類の汚染地域における生息状況(評価エンドポイント④)の評価
   6.4.1 迫川(鉛川,二迫川)での調査方法
   6.4.2 迫川(鉛川,二迫川)での調査結果
  6.5 底生動物の汚染地域における生息状況(評価エンドポイント⑤)の評価
   6.5.1 迫川(鉛川,二迫川)での調査
   6.5.2 佐須川での調査
   6.5.3 梯川での調査
   6.5.4 底生動物の汚染地域における出現種数と生物量
  6.6 鳥類の生存,繁殖,成長,発生(評価エンドポイント⑥)に対する評価
  6.7 陸上哺乳類の生存,繁殖,成長,発生(評価エンドポイント⑦)に対する評価
  6.8 不確実性
 7.まとめ
第VII章 リスク削減対策 
 1.今後の環境中濃度の変化に関する考察
 2.Cd暴露量削減対策の費用対効果
  2.1 Ni-Cd電池回収率向上による暴露量の削減
   2.1.1 電池などの回収・リサイクル率の向上にかかる費用の情報
   2.1.2 Ni-Cd電池の回収率の向上(75%へ)にかかる費用の計算
   2.1.3 Ni-Cd電池の回収率の向上(75%へ)によるCd一日摂取量削減幅の計算
   2.1.4 Ni-Cd電池回収率の向上の費用対効果
  2.2 食品の生産・流通段階の管理によるCd暴露量の削減
   2.2.1 米のモニタリング調査および米の流通管理
   2.2.2 農用地土壌汚染防止対策
   2.2.3 その他の対策技術
 3.まとめ
第8章 まとめと結論 
 1.ヒト健康に関するリスク評価の結論
 2.生態リスク評価の結論
第IX章 外部レビュアーの意見書と著者らの対応 
 青島恵子レビュアーの意見書と著者らの対応
 小野信一レビュアーの意見書と著者らの対応
 古屋次夫レビュアーの意見書と著者らの対応
 小山次朗レビュアーの意見書と著者らの対応
 杉田 稔レビュアーの意見書と著者らの対応
 田中嘉成レビュアーの意見書と著者らの対応
 渡邉 泉レビュアーの意見書と著者らの対応

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