鉛
著者名 NEDO技術開発機構
産総研化学物質リスク管理研究センター
中西 準子
小林 憲弘
内藤 航
発行元 丸善出版
発行年月日 2006年09月
判型 B5 257×182
ページ数 304ページ
ISBN 978-4-621-07749-8
Cコード 3343
ジャンル 化学・化学工学

内容紹介

化学物質のリスク評価結果をまとめたシリーズ。化学物質管理の方策を考える際に必要な科学的な基礎情報を豊富に呈示。

目次

要約
 1.序論
 2.各国のリスク評価および規制の現状
 3.発生源の特定と環境排出量の推定
 4.環境中および食品・飲料水中の濃度
 5.環境中動態
 6.ヒトに対する暴露評価
 7.ヒト健康に対する有害性評価
 8.ヒト健康に対するリスク評価
 9.生態リスク評価
第I章 序論
 1.はじめに
 2.本評価書の目的と範囲について
 3.物質同定情報
 4.物理化学的性質
 5.鉛の生産と用途
  5.1 鉛の生産方法
  5.2 鉛の生産量
  5.3 鉛の用途
 6.我が国における法規制の概要
 7.本評価書の構成
第II章 各国のリスク評価および規制の現状
 1.はじめに
 2.大気中の鉛
  2.1 米国における大気基準の設定手順
  2.2 WHOにおける大気基準の設定手順
  2.3 諸外国における大気基準のまとめ
  2.4 日本における大気基準
 3.土壌・粉塵中の鉛
  3.1 米国における土壌・粉塵基準とリスク評価
   3.1.1 TSCA403条のリスク解析手法
   3.1.2 土壌・粉塵基準と基準値設定の根拠
  3.2 日本における土壌・粉塵基準とリスク評価
   3.2.1 暴露経路および暴露シナリオ
   3.2.2 暴露量の算出
    3.2.3 有害性の評価基準
    3.2.4 リスク評価と基準値設定
 4.食品中の鉛
  4.1 FAO/WHO合同食品添加物専門委員会(JECFA)におけるリスク評価結果
   4.1.1 暴露評価手法と暴露シナリオ
   4.1.2 有害性評価と用量―反応関係
   4.1.3 リスク評価結果
  4.2 日本における食品基準
 5. 飲料水中の鉛
  5.1 米国における飲料水基準の設定手順
  5.2 WHOにおける飲料水基準の設定手順
  5.3 カナダにおける飲料水基準の設定手順
  5.4 諸外国における飲料水基準についてのまとめ
  5.5 日本における飲料水基準の設定手順
 6.まとめ
第III章 発生源の特定と環境排出量の推定
 1.はじめに
 2.PRTRデータを用いた環境排出量の把握
  2.1 届出排出量と移動量の集計結果
  2.2 届出外排出量の推計結果
   2.2.1 対象業種を営む事業者からのすそ切り以下の排出量
   2.2.2 非対象業種を営む事業者からの排出量
   2.2.3 低含有率物質からの排出量
  2.3 PRTRデータのまとめ
 3.マテリアルフロー解析を用いた環境排出量の推定
  3.1 用途区分の設定と国内供給量の推定
  3.2 ストック量および廃棄量の推定
   3.2.1 ストック量および廃棄量の推定方法
   3.2.2 平均使用年数の設定
   3.2.3 ストック量および廃棄量の推定結果
  3.3 廃棄物の処理方法の推定
   3.3.1 各用途の処理フローの設定
   3.3.2 処理方法の推定結果
  3.4 製品の廃棄時における環境排出量の推定
   3.4.1 大気排出量の推定
   3.4.2 公共用水域への排出量の推定
  3.5 解析結果の不確実性に関する考察
 4.鉛の使用時における環境排出量
 5.まとめ
第IV章 環境中および食品・飲料水中の濃度
 1.はじめに
 2.大気
 3.土壌
  3.1 一般土壌
  3.2 農林地土壌
 4.公共用水域
 5.底質
 6.食品
 7.飲料水
  7.1 浄水および原水
  7.2 水道水
第V章 環境中動態
 1.はじめに
 2.環境中動態に関する文献レビュー
  2.1 大気中での動態
  2.2 土壌中での動態
  2.3 植物への取り込み
  2.4 水環境中での動態
  2.5 水生生物への取り込み
 3.発生源周辺の大気中鉛濃度推定
  3.1 METI―LISの入力パラメータ
  3.2 METI―LISによる大気中鉛濃度の推定結果と考察
 4.まとめ
第VI章 ヒトに対する暴露評価
 1.はじめに
 2.吸入暴露量の推定
 3.経口暴露量の推定
  3.1 土壌・粉塵からの鉛摂取量の推定
  3.2 食品からの鉛摂取量の推定
  3.3 飲料水からの鉛摂取量の推定
  3.4 経口暴露量の推定結果
 4.まとめ
第VII章 ヒト健康に対する有害性評価
 1.はじめに
 2.有害性情報
  2.1 ヒトに対する有害影響
  2.2 成人と小児の感受性および暴露量の比較
  2.3 実験動物に対する有害影響
  2.4 有害性情報のまとめ
 3.小児に対する影響
  3.1 神経系への影響
   3.1.1 聴覚機能の低下
   3.1.2 知能指数(IQ)や他の認識機能への影響
   3.1.3 知能発達に関する疫学研究の検証
   3.1.4 末梢神経伝導速度の遅延
   3.1.5 神経発達指標への影響
  3.2 造血系への影響
   3.2.1 ヘム生合成酵素活性阻害
   3.2.2 ヘム生合成阻害による赤血球プロトポルフィリン(EP)濃度上昇
  3.3 その他
   3.3.1 活性型ビタミンD合成の阻害
   3.3.2 出生時の低体重および妊娠期間の短縮
   3.3.3 初期成長の低下
 4.体内動態
  4.1 吸収
  4.2 分布
  4.3 代謝
  4.4 排泄
  4.5 薬物速度論モデル
   4.5.1 薬物速度論モデルについて
   4.5.2 薬物速度論モデルによる鉛暴露の解析
 5.有害性発現機構
  5.1 造血系への作用機構
  5.2 神経系への作用機構
  5.3 腎毒性,腎腫瘍の発生機構
 6.まとめ
第VIII章 ヒト健康に対するリスク評価
 1.はじめに
 2.実測の血中鉛濃度に基づくリスク評価
  2.1 調査概要
  2.2 調査結果
    2.3 リスク評価結果
 3.ヒト体内動態モデルを用いて推定した血中鉛濃度に基づくリスク評価
  3.1 リスク評価に用いたモデルの概要
  3.2 一般集団に対するリスク評価    
   3.2.1 ヒト体内動態モデルのパラメータ設定
   3.2.2 血中鉛濃度の推定結果
  3.3 高暴露集団に対するリスク評価
   3.3.1 大気中鉛濃度の高い地域に居住する集団のリスク評価
   3.3.2 土壌中鉛濃度の高い地域に居住する集団のリスク評価
   3.3.3 飲料水中鉛濃度の高い住宅に居住する集団のリスク評価
 4.環境中鉛の削減対策の有効性評価
  4.1 削減対策その1:鉛フリーはんだへの代替
  4.2 削減対策その2:鉛給水管の交換
 5.5 まとめ
第IX章 生態リスク評価
 1.はじめに
 2.問題設定
  2.1 エンドポイントと影響指標
  2.2 暴露指標
  2.3 リスク判定手法
 3.暴露評価
  3.1 暴露指標値と解析手法
  3.2 公共用水域測定データの信頼性と特徴
  3.3 暴露評価の結果
 4.影響評価
  4.1 魚類
   4.1.1 急性毒性
   4.1.2 慢性毒性
  4.2 水生無脊椎動物
   4.2.1 急性毒性
   4.2.1 慢性毒性
  4.3 藻類・水生植物
  4.4 その他の生物
  4.5 有機鉛の水生生物に対する影響
  4.6 水生生物への濃縮と蓄積
  4.7 毒性と硬度
  4.8 種の感受性分布の作成
  4.9 諸外国における水生生物の保護に係る水質目標等
 5.リスク判定
  5.1 種の感受性分布によるスクリーニング評価の結果
  5.2 魚類の地域個体群の存続性に対する評価
   5.2.1 評価手法
   5.2.2 生活史パラメータ
   5.2.3 毒性データ
   5.2.4 魚類の個体群レベル評価の結果
  5.3 考察
   5.3.1 鉛の環境水中における形態
   5.3.2 高濃度地域の特徴
   5.3.3 自然由来で鉛が高濃度で検出される地域
   5.3.4 底質中の鉛による底生生物へのリスク
 6.日本における野生鳥類の鉛中毒の現状
  6.1 野生鳥類における鉛中毒の暴露経路
  6.2 鳥類体内における鉛の挙動および中毒症状
  6.3 鉛中毒判定基準レベル
  6.4 日本における野生鳥類の鉛汚染レベル
  6.5 野生鳥類に対する鉛中毒リスク
  6.6 野生鳥類に対する鉛中毒リスク削減対策
 7.まとめ
第X章 ま と め
 1.はじめに
 2.ヒト健康リスク評価
  2.1 暴露評価
  2.2 有害性評価
  2.3 リスク評価
  2.4 今後の課題
 3.生態リスク評価
  3.1 水生生物に対するリスク評価
  3.2 野生鳥類の鉛中毒リスク
  3.3 今後の課題
第XI章 外部レビュアーからのコメントと著者らの対応
 松尾昌秊レビュアーからのコメントと著者らの対応
 三森国敏レビュアーからのコメントと著者らの対応
 今井田克己レビュアーからのコメントと著者らの対応
 坂田昌弘レビュアーからのコメントと著者らの対応
 藤井康男レビュアーからのコメントと著者らの対応
 茂岡忠義レビュアーからのコメントと著者らの対応
 千葉百子レビュアーからのコメントと著者らの対応
 酒井伸一レビュアーからのコメントと著者らの対応

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