ビタミン・ミネラル

ビタミン・ミネラル

著者名 公益社団法人 日本分析化学会
発行元 丸善出版
発行年月日 2024年01月
判型 A5 210×148
ページ数 256ページ
ISBN 978-4-621-30889-9
Cコード 3343
NDCコード 433
ジャンル 化学・化学工学 >  分析化学 >  試料分析講座シリーズ
環境科学・生活科学 >  生活科学 >  栄養学・食品学

内容紹介

ビタミンとミネラルはいずれもヒトの生体機能維持に必須の五大栄養素であり,広範な分野でそれらの測定が求められている.

本書では,ビタミンとミネラルの分析法を,実務に役立てる観点で詳細に解説.ビタミンの分析では,微生物学的定量法と,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用いた一斉分析の手法を説明する.ミネラルの分析では,栄養表示基準に採用されている吸光光度法,原子吸光分析法,誘導結合プラズマ(ICP)発光分析
法に加え,ICP 質量分析法をはじめとする様々な高感度・高選択的機器分析法を取り上げた.さらに,生体内ミネラルのケミカルスペシエーションやイメージング,メタロミクスについても詳述する.

食品・生体試料の分析に関わる学生・技術者・研究者必携の一冊.

目次

1 概 説
 1.1 ビタミンの種類と生体内での役割
 1.2 ビタミンの分析法
 1.3 ミネラル(無機質)の種類と生体内での役割
 1.4 ミネラルの分析法
 1.5 生体内ミネラル研究の新展開

2 ビタミン・ミネラル分析のための試料前処理
 2.1 ビタミン分析のための試料前処理
  2.1.1 水溶性ビタミン
  2.1.2 脂溶性ビタミン
 2.2 ミネラルおよび生体無機イオン分析のための試料前処理
  2.2.1 ミネラル
  2.2.2 無機イオン

3 脂溶性ビタミン
 3.1 高速液体クロマトグラフィーによる一斉分析
  3.1.1 はじめに
  3.1.2 脂溶性ビタミンの分析手法
  3.1.3 高速液体クロマトグラフィーを用いたビタミンの定量
  3.1.4 応用例
 3.2 キャピラリー電気泳動による一斉分析
  3.2.1 キャピラリー電気泳動装置
  3.2.2 電気浸透流
  3.2.3 ミセル動電クロマトグラフィーの原理
  3.2.4 キャピラリー電気泳動による脂溶性ビタミンの分析
  3.2.5 まとめ
 3.3 脂溶性ビタミンの個別分析法
  3.3.1 ビタミンA
  3.3.2 ビタミンD
  3.3.3 ビタミンE
  3.3.4 ビタミンK

4 水溶性ビタミン
 4.1 高速液体クロマトグラフィーによる一斉分析
  4.1.1 はじめに
  4.1.2 水溶性ビタミンの分析手法
  4.1.3 前処理・測定
  4.1.4 HPLC-UV法による水溶性ビタミンの一斉分析
  4.1.5 LC-MS/MS
  4.1.6 水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの同時分析
 4.2 キャピラリー電気泳動による一斉分析
  4.2.1 キャピラリーゾーン電気泳動
  4.2.2 水溶性ビタミン分析のための準備
  4.2.3 CZEモードでの水溶性ビタミンの一斉分析
  4.2.4 MEKCモードでの水溶性ビタミンの一斉分析
  4.2.5 安定した分析を行うための分離用キャピラリーのコンディショニング
  4.2.6 水溶性ビタミンの定性および定量
  4.2.7 まとめ
 4.3 水溶性ビタミンの個別分析法
  4.3.1 チアミン(ビタミンB1)
  4.3.2 リボフラビン(ビタミンB2)
  4.3.3 ナイアシン
  4.3.4 ビタミンB6
  4.3.5 パントテン酸
  4.3.6 ビオチン
  4.3.7 葉酸(ホラシン)
  4.3.8 ビタミンB12
  4.3.9 ビタミンC(アスコルビン酸) 

5 その他のビタミン様作用因子
 5.1 ユビキノン(CoQ)
 5.2 必須脂肪酸(ビタミンF)
 5.3 カルニチン(ビタミンBT)
 5.4 myo-イノシトール
 5.5 コリン
 5.6 p-アミノ安息香酸
 5.7 ビタミンP
 5.8 ビタミンU

6 ミネラル・生体無機イオン
 6.1 陽イオン
  6.1.1 イオンクロマトグラフィーによる一斉分析
  6.1.2 高速液体クロマトグラフィーによる一斉分析
  6.1.3 キャピラリー電気泳動による一斉分析
  6.1.4 ICP発光分光分析,ICP質量分析による同時分析
  6.1.5 炎光分析
  6.1.6 原子吸光分析法
  6.1.7 フローインジェクション分析
  6.1.8 イオン選択性電極による分析
 6.2 陰イオン
  6.2.1 イオンクロマトグラフィーによる一斉分析
  6.2.2 高速液体クロマトグラフィーによる一斉分析
  6.2.3 キャピラリー電気泳動による一斉分析
  6.2.4 フローインジェクション分析
  6.2.5 イオン選択性電極による分析

7 生体内金属のスペシエーション
 7.1 はじめに
  7.1.1 分析試料の採取と保存および分析環境
  7.1.2 分析試料の調製
  7.1.3 分離定量
  7.1.4 標準試料
 7.2 ヒ素化合物
  7.2.1 生体内における存在状態およびスペシエーションに関する概要
  7.2.2 標準試料
  7.2.3 対象別分析例
 7.3 セレン化合物
  7.3.1 生体内における存在状態およびスペシエーションに関する概要
  7.3.2 標準試料
  7.3.3 対象別分析例
 7.4 その他
  7.4.1 クロム化合物
  7.4.2 銅化合物
  7.4.3 鉄化合物
  7.4.4 マンガン化合物
  7.4.5 スズ化合物
  7.4.6 バナジウム化合物
  7.4.7 亜鉛化合物

8 ミネラルイメージング技術
 8.1 はじめに
 8.2 蛍光イメージング
  8.2.1 イメージング研究の重要性
  8.2.2 染色法・放射性同位体法からイメージングへ
  8.2.3 カルシウムイオン(Ca2+)蛍光プローブ
  8.2.4 Ca2+蛍光プローブの登場により必要になった細胞イメージング計測法
  8.2.5 レシオ蛍光測定システムの開発
  8.2.6 亜鉛イオン(Zn2+)蛍光プローブ
  8.2.7 マグネシウムイオン(Mg2+)蛍光プローブ
 8.3 おわりに

9 金属をめぐる最新の話題
 9.1 メタロミクスの新展開
  9.1.1 新学問領域“メタロミクス” の提唱
  9.1.2 拡張元素普存説と細胞小宇宙説
  9.1.3 生体中の元素存在量と生体必須元素
  9.1.4 生体微量元素の機能と欠乏症
  9.1.5 代表的な金属タンパク質とその生体機能
  9.1.6 メタロミクスの研究領域
  9.1.7 メタロミクス研究の展望
 9.2 安定同位体元素を用いた微量元素のメタボロミクス研究
  9.2.1 誘導結合プラズマ質量分析法による生体微量元素の測定
  9.2.2  メタボロミクス研究における生体微量元素のスペシエーションの定義と実際
  9.2.3 セレンの生物学的作用
  9.2.4 安定同位体濃縮セレン化合物を用いたセレンの代謝機構の解明
  9.2.5 生体中のセレンのICP-MSによる分析の問題点とその解決法

索 引

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