糖質分析

糖質分析

著者名 公益社団法人 日本分析化学会
発行元 丸善出版
発行年月日 2019年06月
判型 A5 210×148
ページ数 280ページ
ISBN 978-4-621-30393-1
Cコード 3343
NDCコード 464
ジャンル 化学・化学工学 >  分析化学 >  試料分析講座シリーズ
環境科学・生活科学 >  生活科学 >  栄養学・食品学

内容紹介

糖質研究に携わる学生から, 第一線で活躍する技術者・研究者まで活用できる実務書.

 

近年,生命現象の様々な場面における細胞間情報伝達物質としての糖鎖の研究が注目されている.本書では,糖質研究において不可欠な糖質分析技術について,レクチンマイクロアレイ,LC/MS,MSn,キャピラリー電気泳動など各種分析法による実験手法を豊富に掲載.糖タンパク質などの複合糖質からの糖鎖の切り出し方といった分析試料の前処理法や,糖鎖の精製法(イオン交換クロマトグラフィー,レクチンアフィニティークロマトグラフィー,シリカゲルカラムクロマトグラフィーなど)も詳述する.

目次

1 概 説
 1.1  生体における糖質の役割
 1.2 糖質分析法の進歩
    1.2.1 第 1 期(古典分析法時代)
    1.2.2 第 2 期(蛍光分析法&ガスクロマトグラフィー時代)
    1.2.3 第 3 期(高速液体クロマトグラフィー時代)
    1.2.4 第 4 期(LC/MS&LC/MS/MS 時代)
2 糖質分析のための試料前処理
 2.1  試料前処理の目的と留意点
 2.2  遊離型糖質分析のための前処理
    2.2.1 除タンパク
    2.2.2 固相抽出
    2.2.3 イオン交換
    2.2.4 誘導体化
    2.2.5 加水分解
 2.3  遊離型糖質分析のための前処理
    2.3.1 オリゴ糖,多糖,複合糖質の酸加水分解
    2.3.2 オリゴ糖,多糖,複合糖質のシアル酸のメタノリシス
    2.3.3 オリゴ糖,多糖,複合糖質のシアル酸の酵素加水分解
    2.3.4 糖タンパク質からの糖鎖の切り出し
    2.3.5 糖脂質からの糖鎖の切り出し
    2.3.6 エキソグリコシダーゼによる糖鎖の逐次遊離
 2.4 糖鎖の精製
    2.4.1 陰イオン交換クロマトグラフィー
    2.4.2 レクチンによるアフィニティークロマトグラフィー
    2.4.3 サイズ排除クロマトグラフィー
 2.5 おわりに
3 単純糖質の分析
 3.1  単 糖
    3.1.1 単糖の種類と存在状態
    3.1.2 比色定量
 3.2 オリゴ糖
    3.2.1 結合様式解析
    3.2.2 高速液体クロマトグラフィー
    3.2.3 核磁気共鳴(NMR)法
    3.2.4 質量分析法
    3.2.5 酸加水分解
 3.3  多 糖
    3.3.1 多糖の分離・抽出
    3.3.2 前処理
    3.3.3 分子量測定
    3.3.4 構造解析
4 複合糖質の分析     
 4.1  糖タンパク質
    4.1.1 糖タンパク質の構造と特徴
    4.1.2 呈色反応を利用する糖タンパク質の検出
    4.1.3 糖タンパク質の単糖組成分析
    4.1.4 糖タンパク質糖鎖の分離分析
    4.1.5 グリコシダーゼを利用する糖タンパク質の構造解析
    4.1.6 レクチンを利用する糖タンパク質の分析
    4.1.7 質量分析法による糖タンパク質の分析
    4.1.8 ゲル電気泳動法により分離された糖タンパク質検出
    4.1.9 生体試料中糖タンパク質の大規模解析
 4.2  プロテオグリカン
    4.2.1 グリコサミノグリカンの抽出
    4.2.2 グリコサミノグリカン鎖の切り出しと単離精製
    4.2.3 グリコサミノグリカンの分離法
    4.2.4 グリコサミノグリカンの化学組成分析
    4.2.5 グリコサミノグリカンの1H-NMRスペクトル
    4.2.6 ヒアルロン酸
    4.2.7 コンドロイチン硫酸
    4.2.8 デルマタン硫酸
    4.2.9 ケラタン硫酸
    4.2.10 ヘパリンとヘパラン硫酸
 4.3  糖脂質
    4.3.1 中性スフィンゴ糖脂質
    4.3.2 酸性スフィンゴ糖脂質
    4.3.3 グリセロ糖脂質
 4.4  リポ多糖
    4.4.1 LPSの測定(エンドトキシン測定法)
    4.4.2 LPSを構成するリピドAおよびO抗原,コア多糖の分析
 4.5 ペプチドグリカン
4.5.1 ペプチドグリカンの抽出
4.5.2 総アミノ糖の分析
4.5.3 アミノ糖の分離定量
4.5.4 修飾されたアミノ糖の分析
 4.6  リン酸-フェニルヒドラジンを用いた糖の HPLC-ポストカラム分析法
    4.6.1 遊離糖の分析
4.6.2 糖タンパク質解析研究への応用
4.6.3 配糖体分析への応用
5 糖鎖工学における基本技術
 5.1  糖鎖遺伝子ライブラリーの構築
5.1.1 糖鎖遺伝子
5.1.2 糖鎖遺伝子ライブラリーの構築
5.1.3 おわりに
 5.2  糖鎖切り出し技術
5.2.1 N-グリコシド結合型糖鎖の切り出し技術
5.2.2 O-グリコシド結合型糖鎖の切り出し技術
 5.3  糖鎖解析技術
5.3.1 蛍光分析
5.3.2 遊離糖鎖のLC/MS
5.3.3 核磁気共鳴(NMR)法
5.3.4 キャピラリー電気泳動法
5.3.5 マイクロチップ電気泳動法
6 糖質をめぐる最近の話題                     
 6.1  糖鎖チップ
6.1.1 シュガーチップ
 6.2  レクチンアフィニティーマイクロチップ電気泳動法
6.2.1 ACE法による糖鎖のプロファイリング
6.2.2 マイクロチップ電気泳動法とレクチンアフィニティー電気泳動法
 6.3  多糖誘導体による光学分割
6.3.1 HPLC用キラル固定相
6.3.2 多糖誘導体型市販キラル固定相
6.3.3 多糖誘導体型キラル固定相の新しい展開
6.3.4 多糖誘導体の不斉識別機構
6.3.5 おわりに
 6.4  NMRによる糖質‐タンパク質相互作用の解析
6.4.1 解析の原理と得られる情報のあらまし
6.4.2 飽和移動差スペクトル法
6.4.3 転移NOE法
6.4.4 安定同位体標識
6.4.5 発展的手法
索 引

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