物理学の数理

物理学の数理

ニュートン力学から量子力学まで
著者名 新井 朝雄
荒木 不二洋 監修
大矢 雅則 監修
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年09月
判型 A5 210×148
ページ数 550ページ
ISBN 978-4-621-06513-6
Cコード 3042
ジャンル 物理学 >  物理数学
物理学 >  シリーズ物理学
物理学 >  シリーズ物理学 >  量子数理シリーズ

内容紹介

本書は物理現象の根底に横たわる数学的諸原理とその展開の諸相を、基礎的な範囲に限定して、現代数理物理学的な観点から統一的・全体俯瞰的に論述。対象分野はニュートン力学、ラグランジュ形式の力学、ハミルトン形式の力学、古典電磁気学、特殊相対性理論、古典場の理論、量子力学である。叙述の力点は、各理論の根源的・普遍的な数学的構造と秩序を明らかにし、全体の中における各理論の「位置」と各理論相互の有機的連関を示唆することに置かれている。 本書はその表題が示す通り、物理学の数理に関する書物であっていわゆる「物理数学」の本でもない。本書の根本的意図の一つは自然哲学的なものであり、物理現象の表層的次元を超えて、より高次の次元から全一的・統合的に俯瞰され得る数学的イデア理念界の多層的・多角的・多面的な位階構造と、その現成に関わる透徹した認識と観照の場へ読者をいざなおうとするものである。

目次

第1章 ニュートン力学
 1.1 運動の概念
 1.2 力の概念と例
 1.3 ニュートンの運動方程式
 1.4 状態,相空間,因果律
 1.5 接バンドルとしての状態空間
 1.6 2点系
 1.7 N点系
 1.8 運動方程式からの一般的帰結
  1.8.1 運動量の定理
  1.8.2 エネルギーの定理
  1.8.3 力学的エネルギー保存則
 1.9 多体系における保存則
  1.9.1 全運動量保存則
  1.9.2 エネルギー保存則
 1.10 角運動量
 1.11 面積速度
 1.12 多体系における角運動量保存則
 1.13 万有引力による運動――惑星の運動への応用
 1.14 物理量と保存量の一般概念
 1.15 ニュートン力学における対称性
  1.15.1 対称性
  1.15.2 ニュートン方程式の対称性
  1.15.3 時間並進対称性
  1.15.4 時間反転対称性
  1.15.5 空間操作に関する対称性
  1.15.6 空間反転対称性
  1.15.7 広義回転対称性
 1.16 ニュートン力学的時間と空間の源
  1.16.1 抽象アファイン空間からの時間間隔と空間の分節
  1.16.2 ガリレイ時空
  1.16.3 基準ベクトル空間の直和分解と定理1.62の証明
  1.16.4 ガリレイ座標変換
 1.17 ニュートン方程式のガリレイ不変性
第2章 変分原理とラグランジュ形式
 2.1 数学的準備
  2.1.1 曲線の空間 
  2.1.2 変分法の基本補題
  2.1.3 汎関数
 2.2 汎関数の変分
 2.3 変分原理
 2.4 ラグランジュ関数に同伴する保存量
 2.5 オイラー‐ラグランジュ方程式の座標表示
 2.6 オイラー‐ラグランジュ方程式としてのニュートンの運動方程式
 2.7 停留曲線が極小曲線となる十分条件
 2.8 循環座標と保存則
 2.9 オイラー‐ラグランジュ方程式の拡張
 2.10 対称性と保存則
  2.10.1 応用1:ポテンシャルの空間並進対称性と全運動量保存則
  2.10.1 応用2:ポテンシャルの広義回転対称性と軌道角運動量保存則
 2.11 拘束系
第3章 力学のハミルトン形式
 3.1 1点系におけるハミルトニアンとハミルトン方程式
 3.2 ハミルトン方程式の一般化(I)
 3.3 ハミルトン相流
 3.4 自励系における体積の時間変化
 3.5 リウヴィルの定理と再帰定理
 3.6 ハミルトン方程式の一般化(II)
 3.7 ラグランジュ形式との関連
  3.7.1 ハミルトン関数
  3.7.2 ラグランジュ方程式とハミルトン方程式の関係
 3.8 N体系のハミルトン方程式の単一化と余接バンドル
  3.8.1 双対空間の元としての一般化運動量
  3.8.2 新しいハミルトニアンによる運動方程式
  3.8.3 運動方程式の単一化
  3.8.4 余接バンドルとしての状態空間
 3.9 ハミルトン形式の普遍的定式化
  3.9.1 シンプレクティックベクトル空間
  3.9.2 シンプレクティック同型
  3.9.3 一般ハミルトン方程式
  3.9.4 物理量の運動方程式――ポアソン括弧
 3.10 シンプレクティック対称性
第4章 特殊相対性理論
 4.1 ミンコフスキー空間
 4.2 ミンコフスキー基底とローレンツ行列
 4.3 線形座標系とローレンツ座標系
  4.3.1 線形座標系
  4.3.2 ローレンツ座標系
 4.4 特殊相対性理論における時間と空間の発現
 4.5 ベクトルの分類
 4.6 時間的ベクトルの基本的性質
 4.7 分解定理
 4.8 ローレンツ写像群
  4.8.1 ローレンツ写像
  4.8.2 ローレンツ対称性
  4.8.3 ローレンツ群との関係
  4.8.4 ローレンツ写像群と時間的ベクトル
  4.8.5 ポアンカレ変換群
  4.8.6 ポアンカレ不変量
 4.9 ミンコフスキー時空における質点の運動
 4.10 時間的運動と固有時
 4.11 ローレンツ座標系での表示
 4.12 時計の遅れ
 4.13 運動方程式
 4.14 エネルギーの現れと非相対論的極限
 4.15 静止座標系
 4.16 多体系における全(d + 1)次元運動量保存則
 4.17  (d + 1)次元的力場の一つのクラスと運動方程式
  4.17.1 (d + 1)次元的力の一つのクラス
  4.17.2 ベクトル場から定まる(d + 1)次元的力場と運動方程式
  4.17.3 方向エネルギー運動量保存則
  4.17.4 運動方程式のローレンツ座標系での表示
 4.18 変分原理
 4.19 変分原理のローレンツ座標系での表示
 4.20 固有時反転と負のエネルギー
 4.21 光的運動と空間的運動
  4.21.1 光的運動――光的粒子
  4.21.2 空間的運動――虚粒子
第5章 古典電磁気学
 5.1 はじめに
 5.2 電磁ポテンシャルと古典電磁気学の基礎方程式
 5.3 ローレンツ座標系での基礎方程式の表示
 5.4 電磁ポテンシャルに対する方程式の解
 5.5 電磁場テンソル
 5.6 電場と磁場の発現およびマクスウェル方程式の導出
 5.7 電場と磁場からつくられるスカラー不変量
 5.8 電磁場と相互作用する荷電粒子の運動方程式
  5.8.1 座標から自由な形式
  5.8.2 固有時反転と反粒子
  5.8.3 座標表示
 5.9 変分原理
 5.10 ゲージ対称性 
 5.11 ゲージ条件
  5.11.1 ローレンツ条件再訪
  5.11.2 クーロン条件
 5.12 荷電粒子と電磁場の相互作用系
第6章 古典場の理論
 6.1 はじめに
 6.2 古典場の統一的記述形式
 6.3 変分原理(I)――実場の場合
 6.4 変分原理(II)――複素場の場合
 6.5 場の共役運動量とハミルトニアン
  6.5.1  実場の場合
  6.5.2 複素場の場合
 6.6 対称性と保存則
  6.6.1 U(1)対称性と保存則
  6.6.2 ラグランジュ密度関数の並進共変性とエネルギー・運動量保存則
 6.7 複素場と電磁場の相互作用――ゲージ場の理論
第7章 量子力学
 7.1 はじめに
 7.2 量子力学の公理系
  7.2.1 量子的状態
  7.2.2 物理量
  7.2.3 確率解釈
  7.2.4 状態の「時間発展」
  7.2.5 物理量の「時間発展」と量子力学的保存量
 7.3 物理量の非可換性と不確定性関係
 7.4 複数の物理量の測定に関する公理
 7.5 量子系の自由度――有限自由度と無限自由度
 7.6 正準交換関係の表現
 7.7 角運動量代数
 7.8 ハミルトニアンの固有値問題が正確に解ける例:量子調和振動子
 7.9 CCRの表現に関する同値性の概念
 7.10 CCRの直和表現,可約性,既約性
 7.11 CCRのヴァイル表現
 7.12 スピン角運動量と内部自由度
 7.13 合成系の状態空間と物理量
 7.14 同種の量子的粒子の不可弁別性と統計性
 7.15 無限粒子系
 7.16 ハミルトニアンの一般的特性
  7.16.1 最低エネルギーに関する変分原理
  7.16.2 「時間発展」における遷移確率の評価と量子ゼノン効果
 7.17 代数的定式化
付録A 写像と同値関係
 A.1 写像の全単射性に関する条件
 A.2 同値関係と同値類
付録B 代数的構造
 B.1 群
 B.2 変換群
 B.3 リー代数
 B.4 結合的代数
付録C ベクトル空間とアファイン空間
 C.1 基底と線形座標系
 C.2 基底の変換と座標変換
 C.3 線形作用素
 C.4 線形作用素の行列表示
 C.5 ベクトル空間の同型
 C.6 トレースと行列式
 C.7 固有値と固有ベクトル
 C.8 双対空間
 C.9 アファイン空間
  C.9.1 定義と例
  C.9.2 部分アファイン空間
  C.9.3 アファイン空間の同型
付録D 計量ベクトル空間と計量アファイン空間
 D.1 ベクトル空間の計量
 D.2 計量ベクトル空間の同型
 D.3 直交系
 D.4 計量ベクトル空間の直和
 D.5 計量アファイン空間
 D.6 表現定理
 D.7 有限次元計量ベクトル空間における共役作用素
 D.8 ヒルベルト空間
  D.8.1 内積空間のノルムに関する性質
  D.8.2 点列の収束と極限
  D.8.3 コーシー列とヒルベルト空間
  D.8.4 開集合と閉集合
  D.8.5 完備化
 D.9 ベクトル場の連続性
 D.10 有限次元の不定計量ベクトル空間の位相
付録E ベクトル解析
 E.1 曲線
 E.2 曲線の積分
 E.3 曲線の長さ
 E.4 スカラー場
  E.4.1 微分形式
  E.4.2 勾配ベクトル
  E.4.3 合成写像の微分
 E.5 ベクトル場,発散,ラプラシアン
  E.5.1 ベクトル場の微分
  E.5.2 発散とラプラシアン
 E.6 無発散ベクトル場と保存則
 E.7 有限次元実内積空間における積分
付録F テンソル積
 F.1 定義
 F.2 対称テンソルと反対称テンソル
 F.3 反対称的内部積
 F.4 行列式の本質的特徴づけ
 F.5 ベクトル空間の向き
 F.6 テンソル空間の計量
 F.7 ホッジのスター作用素
 F.8 3次元ユークリッドベクトル空間におけるベクトル積と回転
  F.8.1 ベクトル積
  F.8.2 回転
 F.9 外積の微分法
付録G 微分形式の理論
 G.1 微分形式と外微分作用素
 G.2 微分形式に同伴する反変テンソル場
 G.3 余微分作用素
 G.4 ラプラス‐ベルトラミ作用素
付録H ポアソン方程式と非斉次波動方程式
 H.1 ポアソン方程式
 H.2 非斉次波動方程式
付録I ヒルベルト空間における線形作用素
 I.1 線形作用素
 I.2 拡大と閉作用素
 I.3 レゾルヴェントとスペクトル
 I.4 共役作用素
 I.5 対称作用素と自己共役作用素
 I.6 スペクトル測度,作用素解析,スペクトル定理
  I.6.1 スペクトル測度
  I.6.2 作用素解析
  I.6.3 スペクトル定理
 I.7 自己共役作用素の強可換性

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