プラスチック成形技術の要点

プラスチック成形技術の要点

「不良ゼロ」のものづくり技術の構築
著者名 高野 菊雄
発行元 丸善出版
発行年月日 2011年08月
判型 A5 210×148
ページ数 260ページ
ISBN 978-4-621-30139-5
Cコード 3058
NDCコード 578
ジャンル 化学・化学工学 >  材料化学

内容紹介

2009年7月に工業調査会より出版された同名書籍を再出版。プラスチック成形現場で実際に不良に遭遇したとき、成形不良についての知識は豊富にありながら、多くの要因の中で目前の問題となっている不良現象について寄与率の大きい要因がどれであるかの判断に迷うことが多く、再発と対策が繰り返されているのが現状。 本書は、成形不良に対して寄与率が大きいと考えられる主要因を挙げて、成形不良の未然防止のために何に対策しなければならないのかについて解説。

目次

【基礎編】
 第1章 選別なし・不良ゼロ成形への道
  1.事例研究による成形技術の総合力の向上
  2.射出成形品の企画から量産までのプロセス
  3.5ゲン主義による事例研究での原因究明
  4.大きい寄与率の要因の定量的原則の明確化
  5.チェックリストの活用
 第2章 不良ゼロ成形のための樹脂基礎知識
  1.樹脂の種類と分類
  2.樹脂およびグレードの性質を支配する要因
  3.熱可塑性樹脂の成型性
   流動性/収縮特性/熱安定性/離型性
4.熱可塑性樹脂の種類と特徴
   ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)/ポリスチレン(PS)/ABS樹脂/塩化ビニル樹脂(PVC)/メタクリル樹脂(PMMA)/ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリアミド(PA)/ポリカーボネート(PC)/ポリアセタール(POM)/ポリブチレンテレフタレート(PBT)/変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)/ポリフェニレンサルファイド(PPS)/液晶ポリマー(LCP)/ポリアリレート(PAR)/サルホン系樹脂/ポリエーテルイミド(PEI)/ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
【実際編】
 第3章 ショートカットの未然防止のための成形技術
  1.ショートカットの主要因
  2.対策のための成形技術
    流動性の把握/ベント設計/金型設計/連続成形でばらつきの要因となる射出成形機・周辺機器の性能
 第4章 ばりの未然防止のための成形技術
  1.ばり発生の主要因
  2.対策のための成形技術
   金型の寄与率が大きいばり発生/ばり発生に関与する樹脂特性
 第5章 シルバーの未然防止のための成形技術
  1.シルバーの主要因
  2.対策のための成形技術
   予備乾燥システムの選定/予備乾燥条件としての許容吸湿率/残留モノマーによるシルバー/熱分解ガスによるシルバー/流路内で巻き込むエアによるシルバー/吸湿性のある添加剤・改質剤/その他の原因によるシルバー
 第6章 異物の未然防止のための成形技術
  1.熱可塑性樹脂ペレットに基づく異物の主要因
  2.対策のための成形技術
   流路内での樹脂の熱分解/異物発生減少のための対策/異物のクリーニング/樹脂に添加される改質剤の異物化/顔料の異物化
 第7章 転写性不良の未然防止のための成形技術
  1.転写性不良の主要因
  2.対策のための成形技術
 凝固速度に関連する金型温度/金型温度可変成形/結晶性樹脂の凝固速度(結晶化温度)/キャビティ汚染と転写性/射出成形機性能と転写性/熱劣化による光沢性の低下/ベント設計と転写性
 第8章 ウエルド不良の未然防止のための成形技術
  1.ウエルドを作らないための成形技術
   ウエルドが発生しない形状設計/金型内加工の利用によるウエルド発生の防止/切削後加工によるウエルド発生防止
  2.ウエルドを目立たなくする成形技術
   金型温度とウエルドライン/キャビティ充填時間とウエルドライン/ベント設計とウエルドライン/ゲート設計とウエルドライン/樹脂グレードとウエルドライン
 第9章 フローマークの未然防止のための成形技術
  1.フローマークの種類
  2.ジェッティングタイプのフローマーク
   ジェッティングに関与する溶融粘度特性/ジェッティング未然防止のための成型技術
 第10章 ボイドとひけの未然防止のための成型技術
  1.ボイド・ひけ発生の主要因
  2.対策のための成型技術 
   成形品形状設計/金型設計/ボイド発生防止のための低速充填成形/ひけ防止のための発泡成形/中空体射出成形でのひけ防止/樹脂の成形収縮とボイド・ひけ
 第11章 焼けの未然防止のための成形技術
  1.焼け発生の主要因
  2.焼け発生防止対策
 第12章 黒条の未然防止のための成形技術
  1.変色(色相の変化)
  2.黒条
 第13章 寸法ばらつきの未然防止のための成形技術
  1.成形収縮率と寸法公差
  2.成形機性能と寸法ばらつき
  3.成形条件管理と寸法ばらつき
  4.後収縮による寸法公差はずれ
 第14章 そり・変形の未然防止のための成形技術
  1.そり・変形の主要因
  2.対策のための成形技術
   成形品形状とそり・変形/ゲート設計とそり・変形/成形収縮率の異方性とそり・変形
 第15章 成形品破損の未然防止のための成形技術
  1.成形品破損の主要因
  2.対策のための成形技術
   成形品破損の原因究明の手法/過応力設計の防止/成形品破損に関連する成形技術/ソルベントクラック
 第16章 工程不良の未然防止のための成形技術
  1.ホッパ内でのペレット供給異常
  2.スクリュへのペレット食い込み不良
  3.可塑化の均一性
  4.色むら
  5.鼻たれ・糸引き・ノズル詰まり
  6.クッション量のばらつき
  7.ゲート切れ不良
  8.ピン折れ
  9.離型不良
  10.腐食
  11.静電気が関与する工程不良
  12.金属片混入による不良
  13.冷却効率の低下

出版社からのメッセージ

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