内容紹介
「不良品ゼロ」を経営方針としている企業であっても、実際には生産工程で多くの不良品が存在しており信頼性の高いモノづくりにはほど遠いのが現状である。本書は工業部品をエンジニアリングプラスチックで作るときの要点を実例をもとに解説したものである。不良の源流や寄与率の高い要因を探し、常に技術レベルの向上に努める技術者の一助となる一冊。
目次
第1章 製品開発プロセスにおける要点
1 要求品質・設計要件の明確化
2 材料選定
3 設計
4 一次成形
5 二次加工としての加飾方法
6 二次加工としての組立方法
7 評価
8 材料選定、設計におけるチェックリスト
第2章 特性を支配する樹脂の構造と組成
1 化学構造
2 高分子構造
3 添加剤による改質
4 複合による改質
5 結晶性と非結晶性
第3章 力学的性質―金属材料との相違点
1 プラスチック材料の粘弾性モデル
2 応力〜ひずみ曲線と弾性係数制度限界
3 力学的性質の絶対値
4 力学的性質の温度依存性
5 力学的性質の時間依存性
6 疲労特性
7 表面硬さ
第4章 力学的性質に影響を与える成形技術
1 流動配向と力学的性質
2 シャープコーナーと衝撃強さ
3 ウエルドと成形品強さ
4 ゲートと成形品の破損
5 整形ひずみと力学的性質
6 成形品の破損原因の究明と対策
7 着色剤と力学的性質
第5章 耐熱性
1 物理的耐熱性
2 熱劣化特性
第6章 耐薬品性
1 吸着、膨潤、溶解
2 劣化、分解
3 ソルベントクラック
第7章 耐熱水性
1 エステル結合のある樹脂の加水分解
2 安定化処理方法による加水分解
3 安定剤処方による改質
第8章 バリア性
1 ガス透過と樹脂の構造
2 酸素、炭酸ガスの透過性
3 水蒸気透過性
4 有機溶剤の透過性
5 香気、臭気のバリア性
第9章 耐候性
1 各種樹脂の耐候性とその改質
2 耐候性促進試験と屋外暴露
第10章 摩擦摩耗特性
1 ざらつき摩擦
2 すべり摩擦
第11章 電気的特性
1 帯電防止性
2 導電性
3 絶縁破壊
4 耐アーク性と耐トラッキング性
第12章 寸法精度
1 寸法のばらつき
2 寸法公差
3 そり変形と寸法精度
4 寸法安定性