手で解く量子化学 II

手で解く量子化学 II

電子相関法・密度汎関数理論 編
著者名 中井 浩巳
発行元 丸善出版
発行年月日 2024年01月
判型 A5 210×148
ページ数 224ページ
ISBN 978-4-621-30894-3
Cコード 3043
NDCコード 431
ジャンル 化学・化学工学 >  量子化学
化学・化学工学 >  理論化学・情報化学・計算化学

内容紹介

量子化学計算プログラムの進歩は目覚ましく,いまや化学研究において不可欠なツールとなっている.一方,プログラムに実装されている内容は,量子化学の教科書で述べられる「解析的な定式化」とは大きく異なり,その理論的背景を理解するのは難しい.
本書は,量子化学計算プログラムで用いられている作業方程式(working equation)を実際に「手で解く」ことで,その理論的背景の理解を目指した書籍である.II 巻では,定量性を高めるために欠かせない電子相関の理論を,多数の演習問題や「手で解く課題」とともに解説する.近年多用されている密度汎関数理論(DFT)については第5章で取り上げる.また,巻末に掲載された問題の詳解は,読者の理解を大いに助けるであろう.
著者による長年の大学院教育の成果を凝縮した,渾身の一冊.

目次

1 配置間相互作用法
 1.1 Hartree-Fock法の復習
 1.2 電子相関
 1.3 配置間相互作用法
 1.4 配置状態関数
 1.5 積分変換
 1.6 縮約密度行列
 1.7 CI計算の手続き
   手で解く課題1.1
 1.8 多参照自己無撞着場法
 1.9 大きさに対する拡張性と整合性
 手で解く課題 解答

2 多体摂動論
 2.1 逐次展開による多体摂動論
 2.2 Wignerの(2n+1)則
 2.3 射影演算子を用いた多体摂動論
 2.4 Rayleigh-Schrödinger摂動論の一般形式
 2.5 Møller-Plesset摂動論
 2.6 MP計算の手続き
   手で解く課題2.1
 2.7 MPPTの大きさに対する整合性と拡張性
 手で解く課題 解答

3 結合クラスター法
 3.1 励起演算子
 3.2 クラスター展開
 3.3 結合クラスター法
 3.4 CCSD法とCCD法
 3.5 Thoulessの定理
 3.6 Newton法
 3.7 密度行列
 3.8 CC計算の手続き
   手で解く課題3.1
 3.9 CC法の大きさに対する整合性と拡張性
 手で解く課題 解答

4 多体Green関数法
 4.1 Green関数の定義
 4.2 1電子系のGreen関数
 4.3 Hartree-Fock Green関数
 4.4 多体Green関数
 4.5 Dyson方程式
 4.6 自己エネルギーの摂動展開
 4.7 MBGF計算の手続き
   手で解く課題4.1
 4.8 自己エネルギーの物理的解釈
 手で解く課題 解答

5 密度汎関数理論
 5.1 波動関数理論と密度汎関数理論
 5.2 Hohenberg-Kohnの定理
 5.3 Levyの制限付き探索法
 5.4 Thomas-Fermi-Diracモデル
 5.5 Kohn-Sham法
 5.6 局所密度近似
 5.7 勾配補正
 5.8 混成法
 5.9 弱い相互作用
 5.10 基底関数展開
 5.11 交換相関項の求積
 5.12 自己無撞着場の手続き
   手で解く課題5.1
 5.13 Janakの定理
 手で解く課題 解答

演習問題解答

補遺:交換相関汎関数
 A LDA汎関数
 B GGA汎関数
 C MGGA汎関数
 D HGGA汎関数

付録1:HeH系の分子積分
付録2:HeH+の軌道エネルギーと分子軌道

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