内容紹介
「技術哲学」というと,今までは〈科学哲学の一分野〉または〈哲学の応用にしか過ぎない〉としか捉えられてこなかったが,著者クーケルバークに言わせれば「技術哲学とは哲学そのものである」――21世紀の技術的課題に対応できる最新かつ包括的な技術哲学について,古典的な理論・アプローチも押さえつつ,随所に興味深い囲み記事も盛り込みながら具体的に分かりやすく解説.技術哲学第一人者によるこれからの時代に対応した新テキストの決定版.訳者陣は七沢智樹(Technel合同会社代表社員・東京大学情報学環客員研究員),前田春香(東京大学大学院学際情報学府文化・人間情報学コース博士課程),水上拓哉(理化学研究所革新知能統合研究センター特別研究員),猪口智広(慶應義塾大学理工学部研究員).
目次
第1章 はじめに
第2章 歴史と背景
第3章 現象学と解釈学─―ハイデガー,マクルーハンと現代の研究
第4章 ポスト現象学,物質的解釈学,媒介理論
第5章 批判理論とフェミニズム
第6章 プラグマティズム,分析的アプローチ,文化横断的哲学
第7章 情報技術から哲学,そして情報倫理へ
第8章 ロボット工学と人工知能から道徳的地位と人間関係をめぐる考察へ
第9章 遺伝子工学とサイボーグからトランスヒューマニズムとポストヒューマニズムへ
第10章 気候変動とジオエンジニアリングから「自然」への問いと「人新世」における「人新世」の考察へ
第11章 技術哲学と他の哲学
第12章 技術哲学とその他の学問分野――学際性と超域性
第13章 技術哲学とアカデミア外での実践