JABEE対応 技術者倫理入門

JABEE対応 技術者倫理入門

著者名 小出 泰士
発行元 丸善出版
発行年月日 2010年05月
判型 A5 210×148
ページ数 156ページ
ISBN 978-4-621-08252-2
Cコード 3050
ジャンル 科学一般

内容紹介

本書は、倫理学の専門家の立場で書き下ろされた新しいテキストであり、技術者倫理の学習は「失敗しないためのコツ」を学ぶことではなく、古来より脈々と継承され、熟成された倫理的知恵を存分に活かすことにある、という立場で書かれている。 従来のテキストと同様、各章のテーマごとに具体的な事例や事故・事件を紹介するスタイルをとりながら、その中で無理なく倫理学の知恵を学び取り、倫理的に行動することができる技術者を育てる。また、唯一の正しい考え方、一定の価値観を押しつけるのではなく、それぞれのテーマについて取り得る見方や考え方の多様性を尊重し、柔軟な思考力も身につけることができる。

目次

第1章 組織の中の技術者
 第1節 スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故
 第2節 スペースシャトル打ち上げに至る経緯と技術者ボジョリーの抵抗
 第3節 技術者倫理
 第4節 現代技術の特質と技術的判断の困難さ
 第5節 事故の社会的要因
第2章 技術者のアイデンティティ
 第1節 専門職(profession)の三つの特質
 第2節 技術業(engineering)は専門職か?
第3章 説明責任
 第1節 三菱自動車ハブ欠陥事件
 第2節 社会を対象とする実験としての技術
 第3節 人間の尊厳
 第4節 インフォームド・コンセント
 第5節 コンセンサス会議
第4章 製造物責任
 第1節 カネミ油症事件
 第2節 不法行為法
 第3節 カネミ油症事件の真相
 第4節 製造物責任法(PL法)
 第5節 製造者の責任
 第6節 製造物責任法の免責事項 
第5章 リスクとヒューマンエラー
 第1節 リスクとは何か
 第2節 ヒューマンエラー
 第3節 JCO臨界事故
第6章 費用―便益分析
 第1節 フォード車ピント事件
 第2節 費用―便益分析
 第3節 結果主義的な考え方
 第4節 人間尊重の考え方
 第5節 許容可能なリスク
第7章 内部告発
 第1節 東京電力データ改ざん事件
 第2節 内部告発とは何か
 第3節 守秘義務
 第4節 内部告発の許容条件
 第5節 内部告発は義務だろうか
 第6節 社会による内部告発者の保護
 第7節 内部告発を招かないために
第8章 知的財産権
 第1節 青色発光ダイオード(LED)職務発明事件
 第2節 知的財産
 第3節 特許権
 第4節 特許として認められる発明の条件
 第5節 特許による過度な独占
 第6節 職務発明
 第7節 職務発明に対する貢献度 
 第8節 人格としての発明
第9章 技術者資格の国際的相互承認
 第1節 技術士
 第2節 APECエンジニア
 第3節 日本技術者教育認定機構(JABEE)
第10章 グローバル化と価値観の多様性
 第1節 インドネシア味の素による豚酵素事件
 第2節 価値観の閉鎖性
 第3節 ポパール(インド)の化学工場における有毒ガス漏れ事故
 第4節 グローバル化の問題点
 第5節 ユニバーサルデザイン
第11章 予防原則
 第1章 水俣病 
 第2章 予防原則
 第3章 遺伝子組み換え作物のリスク
 第4章 ホルモン牛肉紛争
第12章 技術者と環境
 第1節 ギルベイン・ゴールド
 第2節 環境倫理学の3つの基本主張

定価:2,310円
(本体2,100円+税10%)
在庫:在庫あり