シリーズ紹介
いまや世界を変えるほどの影響力をもつ社会ネットワーク。それは生活を豊かにし、誰もが自由に意見を述べ議論できる真の国際コミュニティーのように思える。本当にそうだろうか? 現実では、市民が監視され、一部に富が集中し、民主主義まで脅かされ新たな戦争の危機にも瀕している。ネットワークにより創り出された世界で今何が起こっているのだろうか。そして未来は?ニーアル・ファーガソンが、 “階層制”と“分散型ネットワーク”の対立という数百年の歴史をふまえて独自の視点から、社会ネットワーク論の過去と未来を語る。
内容紹介
インターネットにより、誰もが簡単に広く発信し議論できる民主化された社会が実現されるはずだった。しかし現実では、デマを拡散しやすくなり、各国が世論の分断に苦しんでいる。しかも、インターネットは外国による世論操作を容易にしたため、内政介入やハッキングは新たな冷戦になりかねないとして国際問題にまで発展している。中国では、政府がネットワークを利用して国民の個人情報や発言を監視し、効率的に支配している。そんな不安定なサイバー空間との今後の新たな戦争の危機を解説する。
監修・プレゼンター:ニーアル・ファーガソン Niall Ferguson
1964年スコットランド生まれの歴史学者、ジャーナリスト。専門は経済史・金融史で、金融、戦争、帝国など幅広い歴史を分析する著書がある。2004年米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。