シリーズ紹介
いまや世界を変えるほどの影響力をもつ社会ネットワーク。それは生活を豊かにし、誰もが自由に意見を述べ議論できる真の国際コミュニティーのように思える。本当にそうだろうか? 現実では、市民が監視され、一部に富が集中し、民主主義まで脅かされ新たな戦争の危機にも瀕している。ネットワークにより創り出された世界で今何が起こっているのだろうか。そして未来は?ニーアル・ファーガソンが、 “階層制”と“分散型ネットワーク”の対立という数百年の歴史をふまえて独自の視点から、社会ネットワーク論の過去と未来を語る。
内容紹介
社会ネットワークの歴史と、情報伝播をもたらすネットワーク理論について解説する。活版印刷機が16世紀の欧州に与えた影響は、PCとインターネットが現代に与えた影響に匹敵するという。宗教改革の大規模な拡散は、頂点の命令に従うだけの“階級制”に対して、印刷技術により市民間に広がる“分散型ネットワーク”が誕生したことに起因する。こうした思想や情報の広がりはネットワークの構造や人の動きによって決まっていく。その様々な理論の普遍性を、ワッツやストロガッツら研究者が解説する。
監修・プレゼンター:ニーアル・ファーガソン Niall Ferguson
1964年スコットランド生まれの歴史学者、ジャーナリスト。専門は経済史・金融史で、金融、戦争、帝国など幅広い歴史を分析する著書がある。2004年米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。