内容紹介
化学の実験はとても面白い.実験には生徒を惹き付ける魅力があるが,ときに不慣れや不注意から予期しない事故が起こることがある.
本書は化学教育にたずさわる読者を念頭に,安全のための情報と事故事例をまとめた書籍である.様々な実験に対応できるよう,基盤となる基礎知識と化合物のデータに多くの紙面が割かれている.事例としては,“事故例”,“事件例”など300件以上を収載しており,生々しいエピソードを通して読者は危険性を具体的にイメージすることができよう.
不幸な事故を避けるために,ぜひ本書を手許において,安全に化学実験のご指導をお願いしたい.
目次
1 化学実験と事故
1.1 化学実験の事故
1.2 危険物
1.3 毒物と毒性
2 安全への配慮
2.1 実験の心構え
2.2 応急処置
3 安全な実験のための基礎知識
3.1 加 熱
3.2 冷 却
3.3 保 温
3.4 蒸 留
3.5 乾 燥
3.6 気体の使用
3.7 かくはん
3.8 溶 媒
3.9 抽 出
3.10 再結晶と錯形成
3.11 酸と塩基
3.12 材質の劣化
3.13 自然発火
3.14 微粉体
3.15 帯電と感電
3.16 光化学反応
3.17 アレルゲンと発がん物質
3.18 悪臭と有毒ガス
3.19 試薬の保存と廃棄
4 酸化反応
4.1 酸素とは
4.2 オゾンとは
4.3 過酸化水素
4.4 有機過酸化物
5 還元反応
5.1 水素とは
5.2 接触還元(接触水素添加)
5.3 ヒドリド試薬
6 典型元素 ――金属
6.1 アルカリ金属
6.2 アルカリ土類金属
6.3 アルミニウムと亜鉛
6.4 有害元素
6.5 有機金属化合物
7 典型元素 ――非金属
7.1 ハロゲンとその化合物
7.2 硫黄とその化合物
7.3 窒素とその化合物
7.4 リンとその化合物
7.5 ホウ素,ケイ素とその化合物
8 遷移元素
8.1 鉄,銅およびマンガン
8.2 希土類元素
8.3 白金族元素
8.4 金属カルボニルとメタロセン
9 有機化合物
9.1 炭素とは
9.2 炭化水素
9.3 アルコールとフェノール
9.4 カルボニル化合物
9.5 カルボン酸と関連化合物
9.6 ヘテロ環化合物
索 引
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