物理化学III
基礎系 化学

物理化学III

分子分光学と分子統計熱力学
著者名 東京大学工学教程編纂委員会
三好 明
発行元 丸善出版
発行年月日 2018年10月
判型 A5 210×148
ページ数 116ページ
ISBN 978-4-621-08905-7
Cコード 3343
NDCコード 431
ジャンル 化学・化学工学 >  物理化学
化学・化学工学 >  物理化学 >  分子・構造化学
化学・化学工学 >  物理化学 >  熱力学

内容紹介

分子統計熱力学は、熱力学関数以外にも物質のさまざまなマクロの性質を導くことができる、物質科学の基礎をなす学問である。

本書では、分子の運動や回転などのミクロな運動と、熱力学関数などの物質のマクロな性質の関係を明らかにする。分子の並進・振動・回転運動、電子のスピン・軌道角運動量や遷移などの分子構造と分光学の概念、分配関数などの分子統計熱力学の概念を、できる限り数式に頼らずに解説。また、内部エネルギー・熱容量・エントロピーなどの熱力学関数の分子論的なイメージをもてるようにし、その理解を深められるようにしている。

実際の応用には、さらに詳細な知識、数学的な取扱いが必要であるが、数学的な詳細を記述した専門書に取り組む前の概念的な導入として、必要な最小限の概念の形成のために最適な教科書。分子運動を統計集団として扱い、そこから熱力学関数を導き出す一連の流れから、学問の美しさを感じることができる。

目次

0 導入
第1部 分子構造と分光学
 1 分子の光吸収と光放出
  1.1 Lambert-Beerの法則
  1.2 波長領域と分子運動
 2 二原子分子の振動
  2.1 調和振動子近似
  2.2 赤外振動遷移
  2.3 振動Ramam散乱
 3 二原子分子の回転
  3.1 剛体回転子近似
  3.2 純回転遷移
  3.3 回転Raman散乱
 4 多原子分子の振動と回転
  4.1 多原子分子の振動
  4.2 多原子分子の回転 
 5 電子遷移
  5.1 電子スピン
  5.2 電子軌道角運動量
第2部 分子統計熱力学
 6 熱平衡状態
  6.1 微視的平衡
  6.2 巨視的平衡
 7 統計力学の方法論
  7.1 分配関数
  7.2 最優勢配置
 8 熱力学関数と分配関数
  8.1 概念
  8.2 内部エネルギーと熱容量
  8.3 エントロピー
第3部 分子間相互作用
 9 分子の極性
  9.1 ミクロな極性
  9.2 マクロな物性 
 10 分子間力
  10.1 双極子相互作用
  10.2 相互作用ポテンシャル

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