シリーズ紹介
このシリーズでは、すべての巻において、前半が医学解説、後半が栄養学解説の2部構成となっており、各分野の見地から、治療および予防について学ぶことができます。
内容紹介
肝臓は各種栄養素代謝の中心臓器であり、肝疾患では何らかの栄養障害が生じます。特に肝障害が長期に渡るとタンパクとエネルギーの栄養障害が必至となります。代表例がウイルス性肝硬変です。PEMは予後を悪化させるので、分岐鎖アミノ酸製剤や就寝前補食を用いた積極的な栄養サポートが推奨されます。一方、近年では脂肪性肝疾患が著増し、一部は肝硬変・肝癌に進行します。これらの疾患には栄養指導と運動処方が必要です。 肝臓は、各種栄養素の代謝および貯蔵、アンモニアの解毒、胆汁の生成と分泌など体の機能を維持する働きをしています。病態が進行していても自覚症状が乏しいのが特徴で、肝疾患の中でも、慢性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝炎などは、栄養療法によりQOLや予後の改善が期待できます。しかし、一口に肝疾患と言っても病態や症状によって栄養治療法も異なります。介入時に適正な栄養評価による病態の把握が必要です。