建築意匠論

建築意匠論

著者名 岸田 省吾
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年03月
判型 A5 210×148
ページ数 208ページ
ISBN 978-4-621-08526-4
Cコード 3052
NDCコード 529
ジャンル 土木・建築
土木・建築 >  建築 >  計画・設計・施工
土木・建築 >  建築 >  意匠・インテリア

内容紹介

建築を作るということにおいて人は、建築がどのような課題にどのような方法で応え、結果として人間にとって建築がどのような働きをするか、そのたびごとに問い直すことが求められている。 意匠として建築を考えることは、そうした問いに対する答えを探求することである。意匠とは、世界を思い描き作り、作りながら思い描くことであり、また描かれた世界を問い、問う中で改めて思い描くことでもあるからだ。そして、われわれは建築を生み出す制作という行為と、建築を使い楽しむ享受という行為を繋ぐ糸を見出し、建築がなしうる深い意味を知るようになる。 本書は2011年春の大災害を契機として混沌とした状況にある現代において、建築の意匠を改めて生きたものとして捉え直すことを試みた一冊。

目次

1 建築の意匠と制作   
 1‐1 建築の意匠とは何か 
 1‐2 建築の「意図」は世界を示す
 1‐3 「意図」はどのように表され、どのように理解されるのか
 1‐4 制作のスパイラル
2 内と外
 2‐1 建築は内部をつくることから始まる 
 2‐2 内部はどのような役割を果たすか
 2‐3 内部世界の展開 
 2‐4 内外が反転する世界 
 2‐5 内外が曖昧になる
3 境界  
 3‐1 未分化な境界
 3‐2 屋根は空の下にある 
 3‐3 大地へ向かう床 
 3‐4 壁と柱は地面の上に立つ
 3‐5 日本における壁の伝統 
 3‐6 融合へ回帰する 
4 開口
 4‐1 開口は内外の世界をつなげ,隔て,表す
 4‐2 入口・門は内外を隔て,結びつける
 4‐3 入口・門は方向性を与える 
 4‐4 入口・門は表す 
 4‐5 入口・門が場所となる
 4‐6 窓は関係づけ,場所となる
 4‐7 窓辺の空間 
 4‐8 窓は多機能化する
 4‐9 窓は表す
 4‐10 境界は皮膜となり,開口は変容する
5 光と影
 5‐1 光と影に満ちた世界
 5‐2 照らされた闇 
  5-2-1 光と影の対位法 
  5-2-2 闇にさす光 
 5-3 曇らされた光 
  5-3-1 砕かれる光
 5-4 ヴァルール
  5-4-1 陰影のヴァルール
  5‐4‐2 光のヴァルール 
 5‐5 フラットな光と明るい空間
6 場所と非場所
 6‐1 場所と非場所 
 6‐2 大地という基盤 
 6‐3 丘と山 
 6‐4 岬と入江 
 6‐5 沢と窪地 
 6‐6 都市は人工的環境の真実を表す
 6‐7 方形という都市の「自然地形」 
 6‐8 3次元グリッドの場へ
 6‐9 場所と非場所の混在する世界
7 類型と定型       
 7‐1 タイプ・型とは何か
 7‐2 都市建築の類型 
 7‐3 大学で働く型 
 7‐4 機械と定型 
 7‐5 型が創造を促す
 7‐6 日本の型とくずし 
8 シェマ  
 8‐1 シェマとは、どのように働くか
 8‐2 パラディアン・シェマとダブル・サークル
 8‐3 カーンとライトによる創造的な展開 
 8‐4 病院と大学における宮殿形式 
 8‐5 ダブル・サークルの展開
9 グリッド
 9‐1 グリッドによって空間を捉える 
 9‐2 グリッドは人間の世界を表象する 
 9‐3 2次元グリッドの展開
 9‐4 3次元グリッドへの展開 
 9‐5 グリッドに中心をつくる 
 9‐6 グリッドが触発する世界 
10 運動する身体
 10‐1 建築の経験 
 10‐2 運動が表象する世界と不動を生きる世界
 10‐3 時空に拡張する身体 
 10‐4 都市の経験から 
 10‐5 亢進するスピードがもたらす経験の変容 
11 運動する眼
 11‐1 眼の運動が開く世界
 11‐2 テクスチャーが開く想起
 11‐3 不在による想起 
 11‐4 空間に描く時間 
 11‐5 記憶と文化が拡張する世界 
 11‐6 身体と眼 
12 状況から 
 12‐1 建築の課題には変わるものと変わらないものがある
 12‐2 「異形」の建築をつくり続ける 
 12‐3 建築固有の力 

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