内容紹介
日本における金属チタンの工業生産開始は原料であるスポンジチタンが1952年、チタン展伸材が1954年である。チタンは原料が豊富に存在し、かつ優れた特性を持つ材料であるが、アルミニウムやチタンに比べると新しい材料であるといえる。 航空機向けの特殊材料から「軽い」「強い」「さびない」という特性を生かして一般工業材料の仲間入りを果たしたチタンは、これから多くの人に理解してもらう必要がある。チタンに関する書籍は近年少しずつではあるが増えてきており、専門技術的な情報を入手できる体制も整いつつある。本書は2007年5月に工業調査会より出版された同名書籍を再出版。チタンの製造や加工の現場に従事している人々への入門書とし、チタンはどんな特性を有していてどんな分野に使われているのか、また、特定分野に使われるためにはどんな点に留意しなければならないのかをわかりやすくまとめた一冊。
目次
チタンの基礎知識
・チタンとは
・チタンの種類と規格
チタンと用途と生かされている特性
・航空宇宙
・化学・石油化学
・火力・原子力発電所
・海水淡水化装置
・海洋土木分野
・船舶分野
・屋根・外装材・モニュメント
・自動車・輸送機
・スポーツ・レジャー
・民生品
・医療
・食品機械
・形状記憶特性
・水素吸蔵合金
・超伝導
・原子力および核廃棄物処理
チタン材料の製造方法
・スポンジチタン、インゴットができるまで
・高純度チタン
・熱間加工品の製造方法
・チタン冷間加工品の製造方法
・粉末
・鋳造
加工技術のポイント
・チタンの切削加工
・チタンの表面処理技術
・チタンの耐食性
・チタンの接合技術
・チタン資源とリサイクル
・チタンの将来展望
