技術経営の本質と潮流

技術経営の本質と潮流

著者名 野中 郁次郎 編集委員長
桑原 裕 責任編集
安部 忠彦 責任編集
発行元 丸善出版
発行年月日 2006年06月
判型 A5 210×148
ページ数 272ページ
ISBN 978-4-621-07730-6
Cコード 3334
ジャンル 社会科学

内容紹介

本巻は、本MOTシリーズの導入部分を解説した巻という意味で、全体像を見渡す役割を担っている。わが国独自のMOTを創り上げるために必要な「基本的」部分にスポットをあて、各分野での活躍されている超一流の研究者が、成功の秘訣を解説。

目次

第1章 技術経営の本質
 1 技術経営の本質は「イノベーション」
 2 真の技術経営とは何か
 3 アントレプレナーシップの本質
 4 イノベーションを創出する環境
 5 シナジーと現場――ケンブリッジ大学理論物理・応用数学部(DAMTP)からのレッスン
 6 イノベーションプロセスの新しい枠組み
 7 弁証法的な議論の深化・高まりによるイノベーション創出
 8 インターネットのインパクトとイノベーション
 9 グローバル化とイノベーション
 10 「人物」の育成
第2章 何故今技術経営なのか〜その戦略目標と実践方策〜
 1 技術経営(MOT)の意味
 2 技術経営MTの定義と発展経緯
 3 欧米のMOT教育機関・大学
 4 MOTとMBAの相違点と将来方向
 5 日本の産業競争力強化の課題と方策
 6 技術経営(MOT)プロフェッショナルの創出
 7 科学技術マネジメントへの新たな挑戦
 8 サービス・サイエンスの新展開
 9 統合戦略ロードマップイングへの統合
 10 技術経営(MOT)の戦略目標:ジャストインタイム・イノベーションへの挑戦
 11 「国際産学連携によるMOT研究教育」の組織的な推進
 12 次世代MOTの構築とテクノプロデューサーの育成
第3章 企業が目指す技術経営
 1 企業における技術経営の変遷
 2 既存企業におけるイノベーションと技術経営
 3 ストック型技術経営と産官学連携
 4 ベンチャー企業と既存企業の関係
 5 連結経営における技術経営
 6 企業における知財と技術経営
 7 21世紀の技術経営
第4章 技術革新の実行〜化学企業の経験から〜
 1 研究開発と企業の成長
 2 グローバリゼーション
 3 世界企業の技術開発戦略
 4 本当のものづくりへの回帰
 5 事業部研究(DR)とコーポレート研究(CR)
 6 研究開発組織
 7 研究開発テーマの評価・管理
 8 研究者の評価と動機付け
 9 研究開発テーマの創出
 10 リスクと創造性 
第5章 技術革新の実行〜NTTにおけるマルチメディアサービスの開発〜               
 1 NTTにおけるマルチメディアサービスの歴史と国際標準規格
 2 マルチメディアサービスの開発
第6章 生産の勝利の方程式
 1 製造経営のバイブルとしての「生産の勝利の方程式」
 2 素人集団を即戦力化する方法
第7章 理化学研究所〜大学発ベンチャーの源流〜
 1 理研と産学連携
 2 大学発ベンチャーの源流としての理研
 3 現在の理研ベンチャー制度
第8章 国家と技術経営〜政策の本質〜
 1 MOTにおける政策の役割
 2 政策のプロとその重要性
 3 米国との比較
 4 日本における政策プロの歴史
 5 日本における国家プロジェクトの役割
 6 産官の連携
 7 技術テクノクラート
 8 アメリカの多元性と日本
 9 歴史の検証を書物に残す
第9章 公的資金活用した研究・技術開発におけるコーディネータの役割 
 1 ナショナルプロジェクトにおけるコーディネータの役割
 2 ナショナルプロジェクトとは
 3 公募から受託まで
 4 応募者が考慮すべきこと
第10章 米国におけるイノベーション
 1 米国におけるイノベーションの2つのアプローチ
 2 Stage-GateTM System
 3 オープンイノベーション
 4 包括的観点
第11章 技術革新の担い手としての“人”および人を育てる経営
 1 技術革新を生み出す要因と“人”―グローバルな産学連携での実経験から
 2 アントレプレナーとアントレプレナーシップ
 3 新規提案は最初却下される
 4 「イノベーター」の育成
 5 「人物」を育成する伯楽経営およびホロニック経営
第12章 人づくりの本質
 1 何のための人づくりか
 2 日立基礎研究所
 3 基礎研究所における人づくり
第13章 私はこうして挑戦し続けた〜企業から〜
 1 日立の電子顕微鏡研究グループに参加
 2 好奇心から生まれた新しい研究
 3 現磁力線を見る
 4 量子力学を見る
 5 IMVホログラフィー電子顕微鏡の開発
第14章 技術革新の担い手の経験 
 1 半導体先端デバイス開発における研究マネジメントの一例
 2 分子線エピタキシー(MBE)技術と有機金属化学気相(MOCVD)技術
 3 研究マネジメントの実例
 4 その後の経過と現状
第15章 技術経営とコーポレート経営の統合
 1 必要性を増す経営戦略と技術戦略の一体化
 2 なぜ企業の研究開発が収益に結びつきにくいのか
 3 なぜ経営、事業、技術戦略が一体化されにくいのか
 4 技術経営で重要性を増すCTOの役割
第16章 技術経営の新しい潮流とTOMOT
 1 技術経営の本質は「イノベーション」
 2 経営と一体化しつつあるMOT
 3 分散型イノベーションとIT技術
 4 知識の分散と移転
 5 暗黙知のスモールネットワーク
 6 日本が強い“協創の場”と世界に発信する日本型MOT
 7 TOMOTの考え=現代企業経営における最重要「技術経営の技術」  
第17章 技術経営を超えて
 1 企業現場での技術経営に関する議論の発端―筆者の実体験から
 2 技術経営の進展
 3 見え隠れする技術経営の限界
 4 限界を超えて―超技術経営(UMOT)の提案
 5 未来へのあくなき前進
 6 ハイテクとハイタッチの調和
 7 MOTを超えて

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定価:3,960円
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