内容紹介
わが国の科学技術の進展には、物理科学も大きくかかわっています。しかし、分野は多岐にわたり専門性も高くなったことで今では他分野の交流はおろか、どのような研究をしているのかも分からなくなってしまったとの声も聞こえているのが現状です。
本書では物理科学から8分野に分け、とくに重要性や話題性のあったトピックを厳選しわかりやすく解説しました。物理科学雑誌『パリティ』の特集「物理科学,この1年」の単行本化。
目次
まえがき
<原子・分子物理,量子エレクトロニクス>
パイ中間子ヘリウム原子のレーザー分光
量子ウォークするフォノン
放射光によるフェムト秒超高速緩和の実時間観測
光原子時計による18桁の精度を有するマイクロ波の発生
185日間の高稼働率運転を達成した高精度光格子時計
<物性物理>
孤立量子系におけるエルゴード性
フェーゾンドラッグと熱電応答
原子分解能ホログラフィーと特異ナノ構造体の観測
水素化したホウ素単原子シート「ボロファン」(HB)
史上最小の磁気渦粒子
ナノグラニュラー膜の巨大ファラデー効果
<流体力学,プラズマ物理>
LHDプラズマ閉じ込めの水素同位体効果からの問題提示
太陽フレア予測研究の新展開
熱対流乱流における究極熱伝達
<素粒子物理>
ミューオン異常磁気能率,g-2実験の成果
暗黒物質探索XENON1T実験の観測した電子散乱超過
ペンローズの特異点定理と物理学への影響
ブラックホールの情報喪失問題の解決に向けて:アイランド予想
量子コンピューターと素粒子論
<原子核物理>
ミューオンの異常磁気能率測定の最新結果
ストレンジクォークを2つもつ原子核:ダブルハイパー核の観測
重元素の起源と短寿命核原子の質量
<宇宙・天体物理>
星間空間の旅人:太陽系外小天体の発見とその後
アルマ望遠鏡が解明した星・惑星形成の現場
Fast radio burstの正体に迫る
重力波でみえたコンパクト連星合体の多様な姿
宇宙マイクロ波背景放射研究の新展開
<地球惑星物理>
火星地震学の誕生
気象学・海洋学と深層学習
コア・マントル境界における地球磁場変動
<生物物理>
脳の物理学
細胞内相分離の熱狂と物理学への逆輸入
タンパク質の時間と通信と自由エネルギー
<Appendix>
K値とはなにか―新型コロナウイルスの拡散と収束―
執筆者紹介
関連商品
(本体3,500円+税10%)
在庫:在庫あり
▼ 関連記事
- 【2022年1月】新刊案内・一覧注文書2021.12.20
- 【書店用注文書】2022年1月刊行予定『物理科学,この1年 2022』2021.11.18