ゆらぎと相転移

ゆらぎと相転移

著者名 宮下 精二
発行元 丸善出版
発行年月日 2018年05月
判型 A5 210×148
ページ数 182ページ
ISBN 978-4-621-30296-5
Cコード 3042
NDCコード 428
ジャンル 物理学

内容紹介

2016年4月号から2017年3月号までのパリティ連載講座「相転移ことはじめ」の単行本化。

物理学やその周辺の科学において普遍的で重要な概念「相転移」を、「ゆらぎ」に注目しながら平易に解説。おもに磁性体を例にとり、ゆらぎと相転移の初等的なところから、コスタリッツ-サウレス相転移や量子相転移などの話題まで、相転移のいろいろな側面を紹介する。

相転移とは何なのか,どのようにおもしろい現象が現れるのか。相転移のしくみや多様性を多面的にみつめることで追究します。

 

目次

1 相転移とは何か
 1.1 相と相転移
 1.2 相転移の現象論:ファンデルワールス方程式
2 ミクロなパラメータ変化によるマクロな特異的変化
 2.1 巨視的な系での特異性:パーコレーション
 2.2 巨視的な系での対称性の破れ  
3 相転移のミクロなしくみと統計力学
 3.1 熱力学的状態の確率分布とエントロピー
4 イジング模型
 4.1 イジング模型
 4.2 イジング模型と気相液相相転移
 4.3 相互作用と協力現象
5 平均場近似
 5.1 強磁性イジング模型における平均場近似
 5.2 臨界点での特異性と臨界指数
 5.3 平均場近似における自由エネルギー
 5.4 磁場中でのふるまい
6 臨界現象とスケーリング則
 6.1 スケーリング則
 6.2 ゆらぎと応答
 6.3 平均場近似での臨界指数νとƞ
 6.4 平均場近似でのゆらぎ
 6.5 空間の粗視化とカダノフのスケーリング
 6.6 有限サイズスケーリング
7 くりこみ群
 7.1 くりこみ群の考え方
 7.2 1次元イジング模型でのくりこみ変換
8 臨界現象のユニバーサリティクラス
 8.1 臨界現象のユニバーサリティクラス
 8.2 秩序変数の構造(対称性) 
9 多様な相転移I:コスタリッツ–サウレス相転移
 9.1 低次元でのゆらぎの発散
 9.2 長距離秩序とゆらぎの発散
 9.3 コスタリッツ—サウレス相転移
10 多様な相転移II:フラストレーション系
 10.1 フラストレーション系
11 多様な相転移III:三角格子反強磁性イジング模型
 11.1 三角格子反強磁性イジング(AFTI )模型
 11.2 平均場近似による解析
 11.3 2次元系での解析
 11.4 3次元系での解析
 11.5 一般化されたZ6状態模型
12 多様な相転移IV:連続スピン系でのフラストレーション
 12.1 相互作用のユニットセルと秩序変数の構造
 12.2 三角格子反強磁性での相転移
 12.3 かごめ模型
13 多様な相転移V:スピンクロスオーバー系
 13.1 スピンクロスオーバーとは
 13.2 スピンクロスオーバーを表すイジング模型と温度依存磁場
 13.3 強磁性イジング模型の相図とスピンクロスオーバーの秩序形成
 13.4 二段相転移
 13.5 体積変化と長距離相互作用
14 多様な相転移IV:量子相転移
 14.1 量子ゆらぎとは
 14.2 横磁場イジング模型
 14.3 量子ゆらぎと長距離秩序
 14.4 特異な量子状態:VBS状態
 14.5 いろいろな量子相転移
 14.6 量子エントロピー効果
 14.7 最後に

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