内容紹介
2016年4月号から2017年3月号までのパリティ連載講座「相転移ことはじめ」の単行本化。
物理学やその周辺の科学において普遍的で重要な概念「相転移」を、「ゆらぎ」に注目しながら平易に解説。おもに磁性体を例にとり、ゆらぎと相転移の初等的なところから、コスタリッツ-サウレス相転移や量子相転移などの話題まで、相転移のいろいろな側面を紹介する。
相転移とは何なのか,どのようにおもしろい現象が現れるのか。相転移のしくみや多様性を多面的にみつめることで追究します。
目次
1 相転移とは何か
1.1 相と相転移
1.2 相転移の現象論:ファンデルワールス方程式
2 ミクロなパラメータ変化によるマクロな特異的変化
2.1 巨視的な系での特異性:パーコレーション
2.2 巨視的な系での対称性の破れ
3 相転移のミクロなしくみと統計力学
3.1 熱力学的状態の確率分布とエントロピー
4 イジング模型
4.1 イジング模型
4.2 イジング模型と気相液相相転移
4.3 相互作用と協力現象
5 平均場近似
5.1 強磁性イジング模型における平均場近似
5.2 臨界点での特異性と臨界指数
5.3 平均場近似における自由エネルギー
5.4 磁場中でのふるまい
6 臨界現象とスケーリング則
6.1 スケーリング則
6.2 ゆらぎと応答
6.3 平均場近似での臨界指数νとƞ
6.4 平均場近似でのゆらぎ
6.5 空間の粗視化とカダノフのスケーリング
6.6 有限サイズスケーリング
7 くりこみ群
7.1 くりこみ群の考え方
7.2 1次元イジング模型でのくりこみ変換
8 臨界現象のユニバーサリティクラス
8.1 臨界現象のユニバーサリティクラス
8.2 秩序変数の構造(対称性)
9 多様な相転移I:コスタリッツ–サウレス相転移
9.1 低次元でのゆらぎの発散
9.2 長距離秩序とゆらぎの発散
9.3 コスタリッツ—サウレス相転移
10 多様な相転移II:フラストレーション系
10.1 フラストレーション系
11 多様な相転移III:三角格子反強磁性イジング模型
11.1 三角格子反強磁性イジング(AFTI )模型
11.2 平均場近似による解析
11.3 2次元系での解析
11.4 3次元系での解析
11.5 一般化されたZ6状態模型
12 多様な相転移IV:連続スピン系でのフラストレーション
12.1 相互作用のユニットセルと秩序変数の構造
12.2 三角格子反強磁性での相転移
12.3 かごめ模型
13 多様な相転移V:スピンクロスオーバー系
13.1 スピンクロスオーバーとは
13.2 スピンクロスオーバーを表すイジング模型と温度依存磁場
13.3 強磁性イジング模型の相図とスピンクロスオーバーの秩序形成
13.4 二段相転移
13.5 体積変化と長距離相互作用
14 多様な相転移IV:量子相転移
14.1 量子ゆらぎとは
14.2 横磁場イジング模型
14.3 量子ゆらぎと長距離秩序
14.4 特異な量子状態:VBS状態
14.5 いろいろな量子相転移
14.6 量子エントロピー効果
14.7 最後に
関連商品
(本体2,400円+税10%)
在庫:品切れ・重版未定
▼ 関連記事
- 【書店・生協様向け】定番&おすすめ書籍注文書【物理】2019.10.31
- 【書店・生協様向け】学生の皆さんに読んでほしいおススメ理工書!注文書2019.07.29
- 【書店用注文書】2019年9月刊行予定『電磁気現象にみる古典と量子の交叉点』2019.05.10
- パリティTシャツが当たる!~34年の感謝を込めて~ありがとう!パリティフェア2019.05.01
- 【2018年5月】新刊案内・一覧注文書2018.06.07