第六版 大学講義 技術者の倫理 入門

第六版 大学講義 技術者の倫理 入門

著者名 杉本 泰治
福田 隆文
森山 哲
高城 重厚
発行元 丸善出版
発行年月日 2024年02月
判型 A5 210×148
ページ数 256ページ
ISBN 978-4-621-30911-7
Cコード 3050
NDCコード 507
ジャンル 科学一般
機械・金属・材料 >  機械工学一般
人文科学 >  倫理学 >  応用倫理

内容紹介

日常の生活や業務において倫理的な問題が発生したとき、通常は、記憶の中からの予測が無意識のうちに働く。 技術者が倫理的問題に対処するときに必要なことを簡単な「イメージ」に収め、それが無意識に動くようにできれば、望ましい行動に結びつく。

本書では、技術者倫理を「科学技術」「法」「倫理」の三つの視点からとらえ、技術者の実務のあり方を、多様な事例を取り上げながら、社会的条件の西洋と日本の違いや、組織と個人の関係における日本の実情をふまえて解説する。

技術者の資格、法と倫理の関係、説明責任、内部告発、自然環境と持続可能な開発、技術者の財産的基礎、国際関係など、著者らの実務経験に照らした解説により、実践的な知識が身につく。

目次

第1章 何を学ぶか 《改訂》
  1.1 技術者倫理の枠組み
  1.2 社会の二つの規範
  1.3 法はモラルの最小限度
  1.4 議論の方法──ディベートと対話
  1.5 まとめ
第2章 行動する倫理 《改訂》
  2.1 モラルと倫理
  2.2 徳──人格の完成
  2.3 個人の動機
  2.4 行動を支える理念
  2.5 モラルと道徳
  2.6 倫理への信頼
  2.7 社会とコミュニティ
  2.8 まとめ
第3章 組織の倫理 《改訂》
  3.1 技術者の倫理規程
  3.2 組織の行動
  3.3 経営者と技術者の課題
  3.4 倫理の意思決定──生命倫理
  3.5 まとめ
  アメリカ土木技術者協会 倫理規程(新版)用語解説
第4章 なぜ技術者の倫理か 《改訂》
  4.1 科学技術の危害を抑止する
  4.2 公衆を災害から救う
  4.3 公衆の福利を推進する
  4.4 公衆とは何か
  4.5 まとめ
第5章 事故から安全文化の展開 《改訂》
  5.1 事故から育った安全文化
  5.2 重大事故と原因究明
  (関門1)チャレンジャー打上げの意思決定
  (関門2)チェルノブイリ事故──安全文化
  (関門3)チャレンジャー事故のさらなる解明
  (関門4)コロンビア事故および以降
  (関門5)NRC 積極的安全文化の方針表明
  5.3 まとめ
第6章 安全確保の行動の枠組み──安全文化 《改訂》
  6.1 安全文化の枠組み
  6.2 安全文化モデル
  6.3 安全文化の考え方の効用
  6.4 行動の阻害要因
  6.5 福島原子力事故の構造
  6.6 まとめ
第7章 技術者の資格
  7.1 技術者資格の仕組み
  7.2 プロフェッショナル・エンジニア制度
  7.3 技術業のその他の職業資格
  7.4 技術者資格の国際間相互承認
  7.5 まとめ
第8章 事故責任の法の仕組み
  8.1 注意・過失・欠陥
  8.2 職務と注意義務
  8.3 事故責任の法
  8.4 訴訟と立証責任
  8.5 まとめ
  付録 技術者のためのPL法ガイド
第9章 法的責任とモラル責任
  9.1 カネミ油症事件
  9.2 被害者救済
  9.3 法とモラルの境界域の責任
  9.4 新規合成化学物質の安全性
  9.5 まとめ
第10章 コンプライアンスと規制行政 《改訂》
  10.1 「法律による行政」原則
  10.2 規制行政の学問の展開
  10.3 安全確保の規制行政
  10.4 福島原子力事故後の規制改革
  10.5 旧制度下の「規制の迷走」
  10.6 まとめ
第11章 説明責任
  11.1 説明責任と信頼関係
  11.2 説明責任(1)原子力発電
  11.3 説明責任(2)発がん性物質の安全性
  11.4 説明責任(3)遺伝子組換え食品
  11.5 リスクコミュニケーション
  11.6 まとめ
第12章 警笛鳴らし(または内部告発)
  12.1 富里病院医師解雇事件
  12.2 内部告発・警笛鳴らしの仕組み
  12.3 法による救済の方法
  12.4 技術者の通報対策
  12.5 まとめ
第13章 環境と技術者
  13.1 環境倫理への道程
  13.2 持続可能性
  13.3 世代間倫理
  13.4 予防原則(Precautionary Principle)
  13.5 循環型社会
  13.6 まとめ
第14章 技術者の財産的権利
  14.1 職務上の発明や知識・経験の課題
  14.2 青色発光ダイオード特許裁判
  14.3 新潟鐵工所資料持ち出し事件
  14.4 特許,営業秘密など知的財産の話題
  14.5 まとめ
第15章 技術者の国際関係
  15.1 国際間の地域統合──EUを例に
  15.2 多国間・二国間の協定
  15.3 国際規格
  15.4 国際化時代のコミュニケーション
  15.5 むすび──曽木発電所遺構のこと

出版社からのメッセージ

本書は『第五版 大学講義 技術者の倫理 入門』(2016年1月刊)の改訂版です。

関連商品

定価:2,200円
(本体2,000円+税10%)
在庫:在庫あり