大学講義 技術者の倫理 入門
第五版

大学講義 技術者の倫理 入門

著者名 杉本 泰治
高城 重厚
発行元 丸善出版
発行年月日 2016年01月
判型 A5 210×148
ページ数 254ページ
ISBN 978-4-621-30016-9
Cコード 3050
NDCコード 507
ジャンル 科学一般
機械・金属・材料 >  機械工学一般
人文科学 >  倫理学 >  応用倫理

内容紹介

日常の生活や業務において倫理的な問題が発生したとき、通常は、記憶の中からの予測が無意識のうちに働く。 技術者が倫理的問題に対処するときに必要なことを簡単な「イメージ」に収め、それが無意識に動くようにできれば、望ましい行動に結びつく。本書では、倫理のさまざまな側面について、多様な事例を取り上げながら、社会的条件や組織と個人の関係における日本の実情をふまえて解説する。技術者の資格、法と倫理の関係、説明責任、内部告発、自然環境と持続可能な開発、技術者の財産的基礎、国際関係など、著者らの実務経験に照らした解説により、実践的な知識が身に付く。

目次

第1章 モラルへのとびら
 1.1 倫理とは何か
 1.2 用語の選び方
 1.3 倫理規定
 1.4 モラル上の不一致
 1.5 倫理への期待
第2章 技術者と倫理
 2.1 なぜ技術者の倫理か
 2.2 研究者の倫理
 2.3 職務上の義務
 2.4 積極的倫理
 2.5 安全確保の潮流
 2.6 技術者の倫理教育
第3章 組織のなかの個人の役割
 3.1 チャレンジャー号事件
 3.2 倫理の見方
 3.3 安全文化
 3.4 倫理と安全文化の関係
第4章 組織上の人間関係
 4.1 法人と個人
 4.2 業務執行組織
 4.3 組織とコミュニティ
 4.4 組織のコミュニケーション
 4.5 積極的倫理の行動のイメージ
 4.6 利益相反
 4.7 公衆
第5章 倫理実行の手法
 5.1 倫理学習の討論方法
 5.2 倫理問題解決のセブン・ステップ・ガイド
 5.3 倫理的行動ガイドライン
 5.4 倫理的判断の方法
 5.5 全体像の把握――福島原発事故の場合
第6章 技術者のアイデンティティ
 6.1 化学技術とは何か
 6.2 技術者のアイデンティティ
 6.3 JCO臨界事故
 6.4 国民的合意の形成
第7章 技術者の資格
 7.1 技術者資格の仕組み
 7.2 プロフェッショナル・エンジニア制度
 7.3 技術行のその他の職業資格
 7.4 技術者資格の国際間相互認定
第8章 事故責任の法のしくみ
 8.1 注意・過失・欠陥
 8.2 職務と注意義務
 8.3 事故責任の法
 8.4 訴訟と立証責任
 付録 技術者のためのPL法ガイド
第9章 法的責任とモラル責任
 9.1 カネミ油症事件
 9.2 被害者救済
 9.3 法とモラルの境界域の責任
 9.4 新記号性化学物質の安全性
第10章 コンプライアンスと規制行政
 10.1 正直性・真実性・信頼性
 10.2 コンプライアンス
 10.3 規制行政
 10.4 規制法令の公衆保護
 10.5 規制行政の社会関係
 10.6 製造業のコンプライアンス
 10.7 公務員の倫理
第11章 説明責任
 11.1 説明責任と信頼関係
 11.2 説明責任(1)原子力発電
 11.3 説明責任(2)発がん性物質の安全性
 11.4 説明責任(3)遺伝子組換え食品
 11.5 リスクコミュニケーション
第12章 警笛鳴らし(または内部告発)
 12.1 富里病院医師解雇事件
 12.2 内部告発・警鐘鳴らしの仕組み
 12.3 法による救済の方法
 12.4 技術者の通知対策
第13章 環境と技術者
 13.1 環境倫理への道程
 13.2 持続可能性
 13.3 世代間倫理
 13.4 予防原則
 13.5 循環型社会
第14章 技術者の財産的権利
 14.1 職務上の発明や知識・経験の課題
 14.2 青色発光ダイオード特許裁判
 14.3 新潟鐵工所資料持ち出し事件
 14.4 特許,営業秘密など知的財産の話題
第15章 技術者の国際関係
 15.1 国際間の地域統合――EUを例に
 15.2 多国間・二国間の協定
 15.3 国際規格
 15.4 国際化時代のコミュニケーション
 15.5 むすび――曽木発電所遺構のこと

出版社からのメッセージ

本書は『第四版 大学講義 技術者の倫理 入門』(2008年12月刊)の改訂版です。

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