内容紹介
明治大学文学部は2018年度より哲学専攻を新設する。人文学部、文学部の不要論が横行するこの時期に、哲学専攻を新設することは、それだけですでに大学と学問と教育をめぐる現在の日本の状況、ひいては世界におけるこの社会、この国家の在り方と針路に対する問題提起としての意味をもっている。
本書では、明大文学部哲学科専攻に入学して哲学を学ぼうとする者たち、またあまたの哲学初心者に向けて、5人の筆者が得意な分野・視点を生かしながら、「哲学」の根源と実践について互いに話し合い、それぞれに論じてゆくことで、その問題を深め、また社会全体へと広げてゆく。
目次
序 哲学始めていいですか? 合田正人
第1章 いま、なぜ、哲学か 合田正人、池田喬、垣内景子、坂本邦暢、志野好伸
第2章 自立と依存――哲学的考察の行方 池田喬
第3章 「物の理を窮める」と「もののあはれをしる」 垣内景子
第4章 虹の文法――スピノザの語学入門書から 合田正人
第5章 科学をつくる――ルネ・デカルトと機械としての自然 坂本邦暢
第6章 〈日本哲学〉の違和感を探る 志野好伸