知識システム II
システム工学

知識システム II

知識の創造と意思決定
著者名 東京大学工学教程編纂委員会
大澤 幸生
西野 成昭
発行元 丸善出版
発行年月日 2018年05月
判型 A5 210×148
ページ数 166ページ
ISBN 978-4-621-30290-3
Cコード 3350
NDCコード 509
ジャンル 電気・電子・情報工学 >  情報・コンピュータ >  機械学習・人工知能

内容紹介

人間社会、人工物ネットワーク、生活環境と自然などのさまざまなシステムの分析からデザイン、構築から運用までにかかる過程を支えている知識の役割を再確認しつつ形式的な知識の表現方法やその知識の学習、想像、利用のための技術と理論について述べる。

3章では、知識の創造に関して、基礎となる要素学理と、要素をつなぐことによって実現される創造プロセスの両面について解説。知識の論理的表現を用いながら最終的にデータ市場を導入することによってプロセスの例を示し、抽象的あるいは不正確に表現された要求と、さまざまなデータをもととしてこの要求に答える知識を生み出す創造的コミュニケーションを論理モデルで扱うことを示す。

4章では、人や組織などの行動主体が知識を利用する状況は、獲得した情報や知識を使って何らかの意思決定を行うということにほかならない、という観点から意思決定理論の基礎について説明する。

目次

3 知識の創造と論理
 3.1 論理と導出
  3.1.1 命題と述語:知識表現の基礎として
  3.1.2 宣言型知識と手続き型知識
  3.1.3 導出と単一化
 3.2 論理と知識の不完全性
  3.2.1 再現性と不確実性
  3.2.2 論理的知識における不完全性
  3.2.3 論理と確率
 3.3 組織と知識創造
  3.3.1 経営戦略における知識.
  3.3.2 組織学習と知識の表出化
  3.3.3 知識の循環プロセス
  3.3.4 バランスト・スコア・カード:循環プロセスの実践ツール
 3.4 創造と類推
  3.4.1 創造性についての認知科学理論
  3.4.2 類推と写像
  3.4.3 構造写像理論
  3.4.4 多重制約理論
  3.4.5 抽象化にもとづく類推
 3.5 論理的推論と知識発見
  3.5.1 推論と仮説生成
  3.5.2 推論のバイアス
  3.5.3 二重否定と非単調性
  3.5.4 内面知とメタ認知
  3.5.5 論理にもとづく潜在因子の発見
  3.5.6 議論による創造的論証
 3.6 データからの知識創造
  3.6.1 意思決定プロセスと知識の有用性
  3.6.2 論理にもとづく仮説推論と機械学習
  3.6.3 知識創造のためのデータ市場
  3.6.4 仮説推論としての創造的データ結合
 3.7 まとめ
4 意思決定と選好
 4.1 基本的枠組み
  4.1.1 意思決定問題の一般的な定式化
  4.1.2 選好の定式化
 4.2 効用にもとづく意思決定
  4.2.1 選好関係と効用関数
  4.2.2 不確実性下での意思決定
  4.2.3 決定基準
 4.3 期待効用理論
  4.3.1 くじとしての定式化
  4.3.2 von Neumann–Morgenstern効用関数
  4.3.3 効用関数とリスク態度
 4.4 非線形効用理論
  4.4.1 Allais のパラドックス
  4.4.2 Ellsberg のパラドックス
  4.4.3 非加法的確率による期待効用計算
 4.5 プロスペクト理論
  4.5.1 基本となる枠組み
  4.5.2 価値関数
  4.5.3 確率加重関数
  4.5.4 累積プロスペクト理論
  4.5.5 フレーミング効果
 4.6 ゲーム理論
  4.6.1 ゲームとは
  4.6.2 ゲームの記述形式
  4.6.3 均衡概念
  4.6.4 均衡の精緻化
 4.7 不完備情報ゲーム
  4.7.1 不完備情報下での男女の争いゲーム
  4.7.2 Bayesの定理
  4.7.3 ベイジアンNash均衡
  4.7.4 均衡導出の手順
 4.8 まとめ

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