有機ラジカル反応の基礎――その理解と考え方
著者名 | 柳 日馨 著 |
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発行元 | 丸善出版 |
発行年月日 | 2015年04月 |
判型 | A5 210×148 |
ページ数 | 158ページ |
ISBN | 978-4-621-08923-1 |
Cコード | 3043 |
NDCコード | 437 |
ジャンル | 化学・化学工学 > 有機化学 > 有機化学反応・有機合成 |
内容紹介
ラジカル反応は、ラジカル種の不安定性から有機合成での利用は難しいと考えられる傾向があるが、正しい知識を身につければ、反応機構も明らかにでき、合成の制御も可能となる。その結果、創薬からリビングラジカル重合まで、工業的な有用性を高めることができる。本書は、学生に定評のある著者の集中講義の内容・講義資料をもとに、講義では触れられなかった最新の動向を盛り込んだテキスト。ラジカル反応の基礎から反応を制御するうえで鍵となる反応機構について、平易に、かつ丁寧に解説。また、演習により理解度を確かめることができ、自習用としても活用できる。
目次
1 ラジカル種とその安定性
炭素ラジカル種と関連する炭素活性種
安定なラジカル種とは
酸素分子のラジカル種としての反応性
炭素ラジカル種の構造:πラジカルとσラジカル
置換基によるラジカルの安定化:σ―π超共役とπ共役
演習で理解しよう ラジカル反応のメカニズム:1
2 ラジカル反応の種類
代表的なラジカル反応のまとめ
ホモリシス
カップリングと不均化反応
ラジカル付加反応
β開裂反応
α開裂反応
ラジカル置換反応
ラジカル反応を理解するのに重要な性質1:ラジカル極性効果
ラジカル反応を理解するのに重要な性質2:炭素ラジカルの性質
ラジカル反応を理解するのに重要な性質3:persistent radicalとtransient radical
演習で理解しよう ラジカル反応のメカニズム:2
3 連鎖型ラジカル反応
トリブチルスズヒドリドを用いるラジカル連鎖反応
ラジカル連鎖反応における生成物の生成段階
臭素ラジカルによる連鎖型ラジカル反応:水素引抜き反応と付加反応
演習で理解しよう ラジカル反応のメカニズム:3
4 ラジカル環化反応とその応用
原子およびグループ移動を伴う環化反応
分子内ラジカル置換による環化反応
イミン結合へのラジカル環化反応
演習で理解しよう ラジカル反応のメカニズム:4
5 電子移動によるラジカル反応
一電子還元によるラジカル反応
SRN1反応
BHAS反応
一電子酸化によるラジカル反応
演習で理解しよう ラジカル反応のメカニズム:5
6 連続型ラジカル反応の考え方
連続ラジカル反応の考え方
ラジカルメディエーターとしてはたらくUMCT試薬を用いる反応
演習で理解しよう ラジカル反応のメカニズム:6
7 CーH 結合開裂を活用するラジカル反応
C-H結合の強さと切れやすさ
分子内反応による位置選択的なC-H結合の開裂
分子間反応による位置選択的なC-H結合の開裂
演習で理解しよう ラジカル反応のメカニズム:7
8 遷移金属種が関与するラジカル反応
Pd種によるラジカル反応
光レドックス触媒によるラジカル反応
演習で理解しよう ラジカル反応のメカニズム:8
9 リビングラジカル重合の考え方
ラジカル重合反応
10 有用な速度論データ
11 さらなる学びのための参考文献
略語一覧
世界のラジカルケミスト(有機合成分野)マップ
索 引
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