素粒子標準模型入門

素粒子標準模型入門

原書名 An Introduction to the Standard Model of Particle Physics
著者名 樺沢 宇紀
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年01月
判型 A5 210×148
ページ数 334ページ
ISBN 978-4-621-06195-4
Cコード 3042
ジャンル 物理学 >  素粒子・原子核物理

内容紹介

理工系の学部上級から大学院初年の学生を対象として、素粒子物理学における標準理論(最小の標準模型)の概要を本格的に解説した教科書。読者の水準に充分に配慮をして、過度に専門的な内容に深入りすることを避けながら、大局的に要点を抑えた的確な構成と記述によって、標準模型の理論構造を明快に提示。

目次

第1章 素粒子物理の概観
 1.1 はじめに
 1.2 標準模型の構築
 1.3 レプトン
 1.4 クォークとクォーク系
 1.5 軽いクォーク系のスペクトル
 1.6 その他のクォーク
 1.7 クォークの色
 1.8 核子による電子の散乱
 1.9 素粒子の加速器
 1.10 単位系   
第2章 Lorentz変換
 2.1 回転・等速推進・固有Lorentz変換
 2.2 スカラーと反変・共変4元スペクトル
 2.3 相対論的な場
 2.4 Levi-Civitaテンソル
 2.5 時間反転と空間反転
第3章 Lagrange形式
 3.1 Hamiltonの原理
 3.2 エネルギーの保存
 3.3 連続系
 3.4 Lorentz共変な場の理論
 3.5 Klein-Gordon方程式
 3.6 エネルギー・運動量テンソル
 3.7 複素スカラー場
第4章 古典電磁気学
 4.1 Maxwell方程式
 4.2 電磁場のラグランジアン密度
 4.3 ゲージ変換
 4.4 Maxwell方程式の解
 4.5 空間反転
 4.6 荷電共役変換
 4.7 光子のスピン
 4.8 電磁場のエネルギー密度
 4.9 質量を持つベクトル場
第5章 Dirac方程式とDirac場
 5.1 Dirac方程式
 5.2 Lorentz変換とLorentz不変性
 5.3 パリティ変換
 5.4 スピノル
 5.5 γ行列
 5.6 ラグランジアン密度の実数化
第6章 自由空間におけるDirac方程式の解
 6.1 静止しているDirac粒子
 6.2 Dirac粒子のスピン
 6.3 平面波とヘリシティ
 6.4 負エネルギーの解
 6.5 Dirac場のエネルギーと運動量
 6.6 m=0の場合:ニュートリノ
第7章 荷電粒子場の電磁力学
 7.1 確率密度と確率の流れ
 7.2 電磁場を伴うDirac方程式
 7.3 ゲージ変換と対称性
 7.4 荷電共役変換
 7.5 ニュートリノと荷電共役変換
 7.6 荷電スカラー場の電磁力学
 7.7 低エネルギーの粒子とDiracの磁気能率
第8章 場の量子化:量子電磁力学
 8.1 ボゾン場とフェルミオン場の量子化
 8.2 時間依存
 8.3 摂動論
 8.4 繰り込みと繰り込み可能性
 8.5 電子の磁気能率
 8.6 標準模型の電子化
第9章 弱い相互作用:低エネルギー現象論
 9.1 原子核のβ崩壊
 9.2 π中間子の崩壊
 9.3 レプトン数の保存
 9.4 ミュー粒子の崩壊
 9.5 ミュー・ニュートリノと電子の相互作用
第10章 自発的な対称性の破れ
 10.1 大域的な対称性の破れとGoldstoneボゾン
 10.2 局所的な対称性の破れとHiggsボゾン
第11章 電弱ゲージ場
 11.1 SU(2)対称性
 11.2 ゲージ場
 11.3 SU(2)対称性の流れ
 11.4 場の物理的な同定
第12章 レプトンのWeinberg-Salam理論
 12.1 レプトン2重項とWeinberg-Salam理論
 12.2 レプトンのW±への結合
 12.3 レプトンのZへの結合
 12.4 レプトン数の保存と電荷保存
 12.5 CP対称性
 12.6 Lの質量項の一般化
第13章 Weinberg-Salam理論の検証
 13.1 ウィークボゾンの探索
 13.2 W±ボゾンのレプトン化崩壊
 13.3 Zボゾンのレプトン化崩壊
 13.4 レプトンの世代数
 13.5 部分幅の測定
 13.6 Zボゾン生成の左右非対称とレプトン化崩壊の前後非対称
第14章 クォークの電弱相互作用
 14.1 ラグランジアン密度の構築
 14.2 クォークの質量と小林‐益川混合行列
 14.3 KM行列のパラメーター表示
 14.4 CP対称性とKM行列
 14.5 低エネルギー極限における弱い相互作用
第15章 ウィークボゾンの強粒子化崩壊
 15.1 Zボゾンの強粒子化崩壊
 15.2 クォーク生成の非対称性
 15.3 W±ボゾンの強粒子化崩壊
第16章 強い相互作用の理論:量子色力学
 16.1 局所的SU(3)ゲージ理論
 16.2 重粒子と中間子の色ゲージ変換
 16.3 閉じ込めと漸近的自由性
 16.4 短距離のクォーク‐反クォーク相互作用
 16.5 クォーク数の保存
 16.6 アイソスピン対称性
 16.7 カイラル対称性
第17章 量子色力学の計算
 17.1 格子QCDと閉じ込め
 17.2 チャーモニウムとボトモニウム
 17.3 摂動的QCDと深非弾性散乱
 17.4 摂動的QCDとe+e-衝突の物理
第18章 小林―益川行列
 18.1 弱い相互作用によるクォークの半レプトン化崩壊
 18.2 Vcdと|Vub|
 18.3 Vudと原子核のβ崩壊
 18.4 中性K中間子の崩壊におけるCP対称性の破れ
 18.5 B中間子の崩壊におけるCP対称性の破れ
 18.6 CPT定理
 18.7 訳者補遺:KM行列の数値 
第19章 量子異常
 19.1 Adler-Bell-Jackiw量子異常
 19.2 電弱カレントにおける量子異常の相殺
 19.3 レプトン数と重粒子数の量子異常
 19.4 ゲージ変換と位相数
 19.5 物質の不安定性と物質の起源
結言
付録A 線形代数の復習
 A.1 定義と表記
 A.2 n×n行列の性質
 A.3 Hermite行列と性質
付録B 標準模型で扱う群
 B.1 群の定義
 B.2 座標軸の回転とSO(3)
 B.3 SU(2)
 B.4 SL(2,C)と固有Lorentz群
 B.5 Pauli行列の変換
 B.6 スピノル
 B.7 SU(3)
付録C 消滅演算子・生成演算子
 C.1 調和振動子
 C.2 ボゾン系
 C.3 フェルミオン系
付録D 部分子模型
 D.1 核子を標的とした電子の弾性散乱
 D.2 核子を標的とした電子の非弾性散乱:部分子模型
 D.3 強粒子状態
練習問題の解法とヒント

出版社からのメッセージ

本書は、2005年10月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。

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本書は、少部数印刷にて重版が可能です。
在庫僅少の場合でもご注文いただけますので、お問い合わせください。
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本書は、書籍からスキャナによる読み取りを行い、印刷・製本を行っています。
一部、装丁が異なったり、印刷が不明瞭な場合がございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
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