結び目と素数

結び目と素数

著者名 森下 昌紀
松本 幸夫
谷島 賢二
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年01月
判型 A5 210×148
ページ数 216ページ
ISBN 978-4-621-06181-7
Cコード 3041
ジャンル 数学・統計学 >  幾何学
数学・統計学 >  シリーズ数学・統計学 >  現代数学シリーズ

内容紹介

本書は数論的位相幾何学の初めての本である。結び目と素数、3次元多様体と整数環の類似に基づき、結び目理論と整数論の基本的な概念・諸理論の間の類似性を平行的な形で論じている。結び目理論と整数論の歴史を振り返るとき、今から約200年前のガウスの研究に両者の源泉の1つを見出すことができる。本書の目標もガウスから分かれたこの2つの道を現在の視点から見直し、両者の間に橋を架けることである。 本書はArithmetic Topology(数論的位相幾何学)とも称される新しい分野の基礎付けを与えるものである。結び目理論、整数論、および幾何学と整数論の相互関連に興味をもち、勉強・研究している学生・研究者に薦められる書き下ろしである。

目次

緒言
第0章 基本群とGalois群
 §1 Gaussから分かれた2つの道
 §2 整数論の幾何学化
 §3 本書の概要
第0章 基本群とGalois群
 0.1 空間の場合
 0.2 可換環の場合
 0.3 類体論
第1章 結び目と素数,3次元多様体と整数環
第2章 まつわり数と平方剰余記号
 2.1 まつわり数
 2.2 平方剰余記号
第3章 結び目と素数の分解
 3.1 結び目の場合
 3.2 素数の場合
第4章 ホモロジー群とイデアル類群I
 4.1 ホモロジー群とイデアル類群
 4.2 絡み目の種の理論
 4.3 素数たちの種の理論
第5章 絡み目群と分岐条件付きGalois群
 5.1 絡み目群
 5.2 分岐条件付き副l- Galois群
第6章 Milnor不変量と多重べき剰余記号
 6.1 Fox自由微分法
 6.2 Milnor不変量
 6.3 副l- Fox自由微分法
 6.4 多重べき剰余記号
第7章 Alexander加群と岩澤加群
 7.1 微分加群
 7.2 Crowell完全系列
 7.3 完備微分加群
 7.4 完備Crowell完全系列
第8章 ホモロジー群とイデアル類群II
 8.1 絡み目の不変まつわり行列
 8.2 絡み目の高次種の理論
 8.3 素数たちの不変まつわり行列
 8.4 素数たちの高次種の理論
第9章 ホモロジー群とイデアル類群III
 9.1 Alexander多項式とホモロジー群
 9.2 岩澤多項式とp-イデアル類群
第10章 トーションと岩澤主予想
 10.1 トーションとゼータ関数
 10.2 岩澤主予想
第11章 結び目群と素数群の表現のモジュライ
 11.1 結び目群の指標多様体
 11.2 結び目群の1次元表現のモジュライとAlexanderイデアル
 11.3 素数群の表現の変形空間
 11.4 素数群の1次元表現の変形と岩澤イデアル
第12章 双曲構造の変形と通常モジュラーGalois変形
 12.1 双曲構造の変形
 12.2 p-通常モジュラーGalois変形

出版社からのメッセージ

本書は、2009年4月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。

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定価:4,180円
(本体3,800円+税10%)
在庫:品切れ・重版未定