内容紹介
本書は、アンドレ・ヴェイユがシカゴおよびゲッチンゲンで行った講義を元に書き下ろしたケーラー多様体論の入門書である。原題Introduction a l'Etude des Varietes Kahleriennes。1958年にフランスのHermann社から出版されて以来、50年以上にわたって読まれ続けてきた名著。ケーラー多様体は,1933年に出版されたE.ケーラーの論文で初めて定義されたとされる。その後、W.ホッジの初期の仕事、特に『調和積分とその応用』(1941)により、その重要性が明らかとなった。これまでフランス語でしか読めなかった原著に待望の邦訳。
目次
第I章 エルミート空間上の外積代数
§1.外積代数
§2.エルミート形式
§3.作用素*
§4.作用素L,Λ
第II章 局所ケーラー幾何
§1.概複素空間
§2.概複素構造の可積分性
§3.可積分概複素多様体上の外微分
§4.d'-閉形式(実解析的の場合)
§5.作用素*,L,Λ,d',δ''の関係(概ケーラー多様体の場合)
§6.作用素*,L,Λ,d',d'',δ',δ''の関係(ケーラー多様体の場合)
第III章 誘導された構造,商構造,ケーラー計量の構成
§1.複素多様体のはめ込み
§2.ケーラー多様体のはめ込み
§3.被覆空間のケーラー構造の引き降ろし
§4.複素トーラスのケーラー構造
§5.複素射影空間のケーラー構造
§6.バーグマン計量構成への準備
§7.バーグマン計量(有界領域の場合)
§8.バーグマン計量(一般の場合)
§9.前節へのコメント
第IV章 コンパクト・ケーラー型多様体
§1.コンパクト・リーマン多様体上の調和積分(要約)
§2.トーラス上の調和積分
§3.コンパクト・ケーラー型多様体のコホモロジー
§4.d'閉形式(C∞の場合)
§5.ホッジ多様性になる場合
§6.複素多様性上の因子のコホモロジー類
§7.乗法関数とテータ関数
§8.コンパクト・ケーラー型多様体上のテータ関数の因子
第V章 推移関数と因子
§1.推移関数系と主ファイバー束
§2.多様体の1次及び2次のコホモロジー群
§3.複素線束の接続と曲率形式
§4.コンパクト・ケーラー型多様体の2次コホモロジー類
§5.ホッジ多様体になる場合
§6.複素多様体上の因子のコホモロジー類
§7.乗法関数とテータ関数
§8.コンパクト・ケーラー型多様体上のテータ関数の因子
第VI章 複素トーラス,テータ関数,アーベル多様体
§1.トーラス上の不変微分形式
§2.E×E上のエルミート形式
§3.複素トーラス上のテータ関数
§4.テータ関数の因子
§5.正則被約テータ関数の因子
§6.複素トーラスのリーマン形式
§7.与えられた方の正則テータ関数の決定
§8.アーベル多様体
§9.次節への準備
§10.アーベル多様体の射影空間への埋め込み
§11.アーベル多様体の完全可約性
§12.アーベル多様体の自己準同型環
§13.与えられた次元,階級をもつ複素トーラス
付記 複素多様体上の因子の初等的性質について
§1.素元分解環
§2.正則関数の芽の領域,Au(V)
§3.ワイエルシュトラウスの補題
§4.Au(V)にける素元分解
§5.有理型関数の因子
§6.因子の順序群
§7.正則写像と因子
§8.因子の台上の単純点
§9.ワイエルシュトラウス多項式の零点
§10.因子の既約成分への分解
§11.複素代数多様体の場合
出版社からのメッセージ
本書は、2010年9月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。
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本書は、少部数印刷にて重版が可能です。
在庫僅少の場合でもご注文いただけますので、お問い合わせください。
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