ミツバチの世界

ミツバチの世界

個を超えた驚きの行動を解く
原書名 Phänomen Honigbiene
著者名 丸野内 棣
発行元 丸善出版
発行年月日 2010年06月
判型 A5 210×148
ページ数 306ページ
ISBN 978-4-621-30159-3
Cコード 0045
NDCコード 486
ジャンル 生物・生命科学 >  生物一般

内容紹介

赤外線カメラ、スローモーションビデオ、マイクロチップなどの最新技術を駆使しながら、ミツバチの研究の第一人者が、ミツバチの魅力を生き生きと伝える。ミツバチと花の共進化の関係、ミツバチの視覚はそのときに必要とする情報によって変わること、1匹の女王バチと多数の雄バチとの交尾の特異な関係、ダンスによる情報伝達についての新事実、さらに、ミツバチたちの仕事分担は実にさまざまだが、さらには、巣を扇いだり、自ら熱を発生させて暖めたりして温度管理を行っていることなどが、詳しい解析によってわかってきている。 ミツバチの超個体(コロニー)の高度な発達・優れた特長は、私たち哺乳動物と比べてしまうほど。美しいカラー写真を眺めながら、ミツバチの世界に浸ることができる一冊。

目次

プロローグ:ミツバチのコロニーはまるで一匹の動物
 スーパーオーガニスム(超個体)であるミツバチのコロニーと哺乳動物の優れた性質には共通点がある
人類の最小の家畜、ミツバチの横顔――フォトスケッチ
 ミツバチは生物進化のもっとも魅力的なモデル産物であるが、そればかりでなく、授粉の成果によって生態学的にも経済学的にも非常に優れた存在である
  1.ミツバチ発生の偶然と必然
   ミツバチの生活形態は進化の過程において、絶妙なタイミングで発生したに違いない
  2.ミツバチのコロニーは不死身
   ミツバチは、最高品質の娘コロニーを作るために周囲から物質とエネルギーを吸収するよう仕組まれている。ミツバチの驚くべき能力を理解するためには、この活動を中心に考察することが重要である
  3.ミツバチは一つの成功例
   ミツバチの種類数は少ないが、生態系の形成と維持に果たす役割はきわめて大きい
  4.ミツバチが見ている世界
   ミツバチの視覚、嗅覚、方向感覚、情報交換の世界は、顕花植物との関係を中心に回っている
  5.新女王の誕生と、花嫁の付き添い人
   ミツバチの性は秘密に包まれている。私たちが知っていることより、推測していることのほうが多い
  6.ロイヤルゼリーは自家製ミルク
   ミツバチの幼虫は働きバチの分泌物で養育される.これは哺乳動物の母乳にあたる
  7. 巣板は育児器官、貯蔵器官、そして通信機関
   巣板は超個体の構成要素として必須であり、社会生理学的にも重要である
  8.身を燃やして賢い子育て
   育児巣の温度はミツバチ自身が作る環境の規準値であり、生まれてくる姉妹バチの性質に影響する
  9.ミツバチコロニーの血縁関係
   コロニー内の密接な血縁関係は国家形成の原因ではなく結果である
  10.環は閉じる
   ミツバチのコロニーには、1匹のミツバチにはみられない性質がある。コロニー全体の性質は個々のミツバチの性質に影響を与える
エピローグ:ミツバチと人類の未来
文献一覧

出版社からのメッセージ

本書籍は価格変更に伴い、ISBNを変更しました。
旧ISBN:978-4-621-08270-6
内容に変わりはありません。

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