内容紹介
量子力学や場の理論における多岐にわたる理論を数学的に説明するために、これまでのトポロジーや経路積分などの数学的道具が使われてきたが、本書では幾何学的構造観点から統合してみせる。前半では一般理論を、後半では量子物質系と場の理論的現象への応用をあつかう。また高度な数学については、付録で枠組みを紹介し、物理の初学者にも配慮。素粒子論物理学研究者や、物理に興味のある数学研究者に量子力学の新たなアプローチを提供する好著。
目次
第1章 序論
第2章 経路積分と関連する問題
§2.1 変換関数とハミルトン―ヤコビ理論
§2.2 経路積分の構成:有限自由度系
§2.3 場の理論の例
§2.4 電磁場中の荷電粒子に対する経路積分
§2.5 強磁場中の荷電粒子系
§2.6 準古典展開
§2.7 ガウス型汎関数積分
§2.8 ポアソン和公式:経路積分とテータ関数
第3章 準古典量子化理論
§3.1 Van-Vleck行列式の導出とKeller-Maslov指数
§3.2 Kellerの量子化
§3.3 GDHN量子化理論
§3.4 補足
第4章 コヒーレント状態と量子変分原理
§4.1 ボソンコヒーレント状態
§4.2 スピンコヒーレント状態
§4.3 SU (1.1) コヒーレント状態
§4.4 リー群の表現と一般化されたコヒーレント状態
§4.5 経路積分
§4.6 一般の場合
§4.7 量子変分原理
§4.8 一般化された位相空間における力学形式
§4.9 準古典量子化
第5章 幾何学的位相
§5.1 ディラック非可積分位相因子
§5.2 断熱定理とBerryの位相
§5.3 ファイバーハンドルと位相不変量
§5.4 経路積分とトポロジー的作用関数
§5.5 準古典量子化
§5.6 応用
§5.7 コヒーレント状態と幾何学的位相
§5.8 ノート
第6章 位相不変量と輸送係数の量子化
§6.1 基本のアイディア
§6.2 磁場中の2次元Bloch電子
§6.3 断熱変形と一般化された輸送係数
§6.4 量子ホール効果への応用
§6.5 超流体におけるカレントの量子化
§6.6 補足
第7章 ゲージ場のアノマリー
§7.1 準備事項
§7.2 カイラルアノマリー
§7.3 非アーベル異常項とゲージ場の交換関係
第8章 量子凝縮体における位相欠陥
§8.2 超流動渦の力学
§8.1 2次元強磁性体のスピン渦
§8.2 He3Aにおける渦(芯無し渦)
§8.4 スピンを持つボーズ凝縮における渦
§8.5 BCS波動関数による渦の運動方程式
第9章 量子ホール流体における素励起
§9.1 強磁場中の2次元電子系の基底状態
§9.2 素励起とその運動方程式
§9.3 分数量子化
§9.4 補足
第10章 準古典量子化の非線型場への応用
§10.1 非アーベル単極子と位相不変量の効果
§10.2 (2+1)次元模型
§10.3 1次元ボーズ粒子系
§10.4 スピン場模型
§10.5 sin-Gordon モデル
§10.6 Gross-Neveu 模型の準古典量子化
第11章 補遺
§11.1 超対称量子力学とゼロモード
§11.2 フェルミ多体系の平均場理論
§11.3 経路積分とゼータ関数
付録A リー群と等質空間
付録B リー代数と微分形式
付録C SU(3) コヒーレント状態
付録D BCS理論速成コース
付録E 文献
出版社からのメッセージ
本書籍は価格変更に伴い、ISBNを変更しました。
旧ISBN:978-4-621-06379-8
内容に変わりはありません。
本書は、2005年9月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。
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本書は、少部数印刷にて重版が可能です。
在庫僅少の場合でもご注文いただけますので、お問い合わせください。
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