内容紹介
高校の有機化学は、化合物ごとに反応や物質を暗記することが主であるのに対し、大学の有機化学では反応の分類ごとに、その反応機構の理解や反応機構を自分で書けることが要求される。このように、高校化学と大学化学は乖離している。
本書は、高校化学からスタートし、反応性や反応機構を取り上げながらその本質を理解するために、一冊の中で機器分析も解説する、大学の有機化学の教科書である。
第1編では高大接続を意識し、高校化学の章立てに沿って、有機化学の基礎から化合物ごとの反応機構まで説明している。第2編では、多種多様な有機化合物の構造決定や,反応機構の解明に必要不可欠であるが、講義ではなかなか取り扱われない機器分析について、分析方法ごとに原理を中心に解説。
理工農学部や教育学部の教科書としてはもとより、高校での発展的な学習や探究活動など、幅広い場面で役立つ一冊。
目次
第1編 有機化学の基礎
1章 有機化合物の特徴と分類
1-1 基礎知識
1-2 有機化学における化学結合
1-3 有機化学反応の考え方
1-4 命名法
2 章 脂肪族炭化水素
2-1 基礎知識
2-2 アルカン,アルケン,アルキン
2-3 立体化学
2-4 環状化合物
2-5 アルケンとアルキンの合成ならびに反応
2-6 付加反応
2-7 置換反応,脱離反応
2-8 ラジカル反応
2-9 ジエン
3 章 アルコールと関連化合物
3-1 基礎知識
3-2 アルコール
3-3 アルデヒドとケトン
3-4 カルボン酸
3-5 カルボン酸誘導体
3-6 アミン
4 章 芳香族化合物
4-1 基礎知識
4-2 ベンゼンの構造と芳香族性
4-3 ベンゼンの反応
4-4 ヘテロ環化合物
5 章 高分子化合物
5-1 基礎知識
5-2 合成高分子化合物
5-3 合成繊維
5-4 合成樹脂
5-5 ゴム・エラストマー
6 章 生体関連物質
6-1 基礎知識
6-2 糖 類
6-3 アミノ酸とペプチド,タンパク質
6-4 その他の生体関連物質
7 章 有機化学実験
7-1 安全な実験
7-2 有機化学実験における基本操作
7-3 有機化学の実験例(1) 2-メチル-2-プロパノールを中心とする有機合成反応
7-4 有機化学の実験例(2) 乳製品を使った脂質・タンパク質・糖類の分離と確認
第2編 機器分析の基礎
8 章 光や電磁波による分析
8-1 紫外光・可視光を用いた分析
8-2 赤外・マイクロ波を用いた分析
8-3 単結晶X 線構造解析
9 章 磁気共鳴
9-1 核磁気共鳴(NMR)
9-2 電子スピン共鳴(ESR)
10 章 元素分析・質量分析
10-1 有機元素分析
10-2 質量分析法
11 章 熱分析
11-1 総 論
11-2 熱重量測定
11-3 示差熱分析および示差走査熱量測定
12 章 クロマトグラフィー
12-1 はじめに
12-2 クロマトグラムの基礎
12-3 定性分析・定量分析
12-4 高速液体クロマトグラフィー
12-5 ガスクロマトグラフィー
索引
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