接着工学

接着工学(電子書籍)

異種材料接着・接合,強度・信頼性・耐久性向上と寿命予測法
著者名 鈴木 靖昭
発行元 丸善出版
発行年月日 2018年12月
NDCコード 571

内容紹介

被着材の種類、接合部の構造、負荷応力・環境などの使用条件に対し、適切な接着剤および接着部構造を選び、表面処理を施すこと、施工方法の選定、ならびに接合部の信頼性解析および種々の寿命評価のための加速試験など、接合部の信頼性および耐久性を上げるために必要なことを理論的に解説。また、金属、CFRP、セラミックス、および樹脂など多くの異種材料の接着・接合技術、接合法についても表面処理法および接合方法により分類して紹介。その接合力発現のメカニズムが従来の接着と変らないことを詳しく解説。接着において生じる種々のトラブルの原因別分類およびその対策についても紹介。

目次

1 接着力発現の原理および被着材に適した接着剤の選定法
 1.1 化学的接着説
 1.2 機械的接合説(アンカー効果)
 1.3 からみ合いおよび分子拡散説
 1.4 接着仕事
 1.5 シーリング材の接着力発現の原理と役割
 1.6 粘着剤の接着力発現の原理と役割
 1.7 Zismanの臨界表面張力による接着剤選定法
 1.8 溶解度パラメーターによる接着剤の選定法
 1.9 被着材と接着剤との相互の物理化学的影響を考慮した接着剤選定法
2 接着剤の種類と特徴および最適接着剤選定法
 2.1 耐熱航空機構造用接着剤
 2.2 エポキシ系接着剤(液状)
 2.3 ポリウレタン系接着剤(室温硬化形)
 2.4 SGA(第2世代アクリル系接着剤)
 2.5 耐熱性接着剤
 2.6 吸油性接着剤
 2.7 紫外線硬化形接着剤
 2.8 シリコーン系接着剤
 2.9 変成シリコーン系接着剤
 2.10 シリル化ウレタン系接着剤
 2.11 ポリオレフィン系樹脂用接着剤
 2.12 種々の接着剤の接着強度試験結果
 2.13 各種被着材に適した接着剤の選び方 
3 被着材に対する表面処理法
 3.1 金属の表面処理法
 3.2 プラスチックの表面処理法
 3.3 プライマー処理法
4 最新の異種材料接合法について
 4.1 金属の湿式表面処理―接着法
 4.2 金属の湿式表面処理―樹脂射出一体成形法
 4.3 無処理金属の樹脂射出一体成型法Quic―10[ポリプラスチックス(株)]
 4.4 被接合材表面のレーザー処理―樹脂射出一体成形法
 4.5 レーザー接合法
 4.6 摩擦接合法
 4.7 溶着法
 4.8 分子接着剤利用法
 4.9 ゴムと樹脂の架橋反応による化学結合法―ラジカロック(中野製作所)
 4.10 接着剤を用いない高分子材料の直接化学結合法(大阪大学)
 4.11 大気圧プラズマグラフト重合処理―接着技術(大阪府立大学)
 4.12 ガス吸着異種材料接合技術(中部大学)
 4.13 低温大気圧有機/無機ハイブリッド接合技術(物質・材料研究機構)
 4.14 微細孔形成―射出成形・融着による接着力発現と耐久性向上のためのメカニズム
 4.15 樹脂どうしの融着による接合の場合の接着強度発現の原理
5 各種接合形式の特徴,応力分布および強度評価法
 5.1 接着継手形式および不可外力の種類
 5.2 重ね合せ継手の特徴,応力分布および強度評価
 5.3 スカーフ継手および突合せ(バット)継手の応力分布および破壊条件
 5.4 接着接合部における特異応力場の強さおよび応力拡大係数を用いた接着強度の評価
 5.5 接着層が収縮した場合のスカーフおよびバット継手の応力解析
 5.6 はく離応力の解析
 5.7 スポット溶接―接着併用継手の応力解析
 5.8 最適接合部の設計
6 接着接合部の故障確率と安全率との関係
 6.1 経年劣化による故障発生のメカニズム(ストレス―強度のモデル)
 6.2 所定年数使用後の接着接合部に要求される故障確率確保に必要な安全率の計算法
7 接着接合部の温度と各種ストレスに対する耐久性評価よび寿命推定法
 7.1 接着接合部の劣化の要因ならびに加速試験と加速係数
 7.2 アレニウスの式(温度条件)による劣化,耐久性加速試験および寿命推定法
 7.3 アイリングの式によるストレス負荷条件下の耐久性加速試験と寿命推定法
 7.4 ジューコフの式を用いた応力下の継手の寿命推定法
 7.5 ウェッジテスト法による試験結果と実機航空機における耐久性結果との比較
8 接着継手の耐水性と耐油性に関する熱力学的検討および耐水性向上法
 8.1 液体中における接着接合部の安定性の熱力学的検討
 8.2 接着接合部の耐久性に水が及ぼす影響の実例
 8.3 接着接合部の耐水性向上法
9 繰返し応力(疲労)およびクリープによる加速耐久性評価表
 9.1 接着継手の引張せん断疲労特性試験方法
 9.2 アイリングの理論から誘導されるS-N曲線
 9.3 マイナー則(線形損傷則)
 9.4 スポット溶接―接着併用継手の応力解析および疲労試験結果
 9.5 リベット溶接―接着併用継手(リベットボンディング)の疲労試験結果
 9.6 接着接合部のクリープ破壊強度評価方法
 9.7 クリープ破断データからLarson―Miller線図
 9.9 JIS K6859 接着剤のクリープ破壊試験方法 
10 接着トラブルの原因と対策
 10.1 接着剤の選定に起因するトラブル事例およびその対策
 10.2 表面処理法
 10.3 施工方法に起因するトラブル事例およびその対策
 10.4 接着部の構造
 10.5 接着部の耐久性

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