内容紹介
モノとしての書物(メディア)を通して、「文献文化」および「知の枠組み」を考察するテキスト。世界の各地域・時代において、文献はどのような媒体(メディア)に載せられ、どのように読まれてきたかについて、図版も豊富に交えながら解説する。具体的には、「媒体(メディア)の制約と文献の仕組み」「媒体(メディア)の特性と知の枠組み」という切り口から「書物」にまつわる様々な現象を読み解く。
目次
第1章 東洋の書物史
1 文字の発生から紙の発明まで:中国の書物史I
2 紙の発明と抄本の時代:中国の書物史II
3 印刷以後:中国の書物史III
4 朝鮮出版文化の始まりとその展開:朝鮮の書物史
・コラム1 漢籍を求めて日本へ
・コラム2 社会的ステータスと蔵書文化:中国と日本
第2章 日本の書物史
1 日本の書物の始まり
2 本を書く:さまざまな写本
3 印刷と出版の歴史
4 書物のつくりとその用途:装丁
・コラム3 書物の読まれ方
・コラム4 ローマ字とローマ字入力
・コラム5 カラオケとMMO
第3章 オリエントの書物史
1 記憶と知の継承:エジプトの書物史
2 楔形文字と粘土板:メソポタミアの書物史
・コラム6 書かれたものとイスラーム
第4章 西洋の書物史
1 ギリシャ・ローマ時代の書物
2 中世以後の欧州の書物
3 活版印刷以後の書物
・コラム7 グーテンベルク42行聖書の出版とアジアへの変遷
・コラム8 焚書と禁書
・コラム9 草稿研究
・コラム10円形図書館と書籍評価サイト
第5章 近 代・現代のメディア史
1 東洋の近代化と印刷
・コラム11 書物の東西交流:近世・近代の中・欧間の書物の往き来
・コラム12 編集と組版のあいだ
・コラム13 21世紀の活版印刷ルネサンス
2 コンピュータと電子書籍
・コラム14 書籍の電子化
・コラム15 機械化の黒歴史、光ディスク
・コラム16 縁穴カードとピーカブー
3 音のメディア
4 画像・映像のメディア
・コラム17 「ひょっこりひょうたん島熱中記」と「スヴェトラーノフの悲愴」
・コラム18 失われた映画音楽
第6章 知っておきたい書物の雑学
1 執筆と読書
2 文書と記録と編纂物・著作物
3 個人蔵書と図書館
4 出版と流通
・コラム19 帳簿というメディア
・コラム20 楽譜と演奏
・コラム21 最古の数学文書:数式の世界
・コラム22 日本最古の看板:看板文字の誘惑