電力技術の実用理論 第3版

電力技術の実用理論 第3版

発電・送変電の基礎理論からパワーエレクトロニクス応用まで
著者名 長谷 良秀
発行元 丸善出版
発行年月日 2015年01月
判型 B5 257×182
ページ数 724ページ
ISBN 978-4-621-08898-2
Cコード 3054
NDCコード 544
ジャンル 電気・電子・情報工学 >  電気 >  電力・システム

内容紹介

電力系統は発電、送変電、配電、負荷を包括・統合した巨大な電力システムである。本書はこれらの全体像に対して、多角的な視点に立って接することにより高度かつ柔軟な専門性を養うことを目的とする。理論式を組み立て、その解を導いて結論に達する過程を詳しく解説することで、現象を正確に理解できるつくりとした。第3版ではパワーエレクトロニクスに関連する応用技術を新たに加筆して、現代の電力技術のあらゆる分野に即した実践的な構成となっている。

目次

序章 電力技術と技術者の使命
 ◆巨大かつ緻密に生きた有機的集合体
 ◆新陳代謝による生命維持と成長
 ◆エネルギー摂取と消費の収支同時・等量性
 ◆タフさと繊細性を合わせ持つ有機体
 ◆能力を超える酷使が招く結果
 ◆最高度の精密な技
第1章 送電線の回路定数
 1・1 LRのみからなる送電線の特性
 1・2 送電線の漏れキャパシタンス
 1・3 作用インダクタンスと作用キャパシタンス
 1・4 多導体送電線の等価半径を求める式の導入
第2章 対称座標法
 2・1 対称座標法の基本的考え方(変数変換法)
 2・2 対称座標法の定義
 2・3 3相回路から対称座標法の回路への変換
 2・4 送電線の対称座標法による表示
 2・5 送電線の標準的な回路定数
 2・6 発電機の対称座標法による表示
 2・7 3相負荷の対称座標法による表示
第3章 対称座標法による故障計算
 3・1 対称座標法による故障計算の考え方
 3・2 a相1線地絡故障
 3・3 各種の故障計算
 3・4 断線故障
第4章 平行2回線の故障計算(多重故障を含む)
 4・1 2相回路の対象座標法
 4・2 並行2回線の対象座標法変換
 4・3 平行2回線の故障計算(一般的手順)
 4・4 平行2回線の片回線故障(単純事故)
 4・5 平行2回線同時故障(同一地点多重事故)
 4・6 平行2回線異地点同時故障
第5章 PU法の導入と変圧器の取り扱い方
 5・1 PU法の考え方
 5・2 3相回路のPU法
 5・3 3相3巻線変圧器の対称座標座標法関係式と等価回路
 5・4 PU法インピーダンスのベース変換
 5・5 オートトランス(単巻変圧器)
 5・6 変圧器の磁気特性と励磁電流突入現象
 5・7 系統の対称座標法PU等価回路の作成(計算例)
第6章 α‐β‐0法とその応用
 6・1 α-β-0法の定義
 6・2 α-β-0法と対称座標法の相互関係と任意波形電気量の表現
 6・3 α-β-0法におけるインピーダンス
 6・4 3相回路のα-β-0法基本式と等価回路
 6・5 α-β-0法による故障計算
第7章 対称座標法・α‐β‐0法と過渡現象解析
 7・1 過渡現象電気量の実数瞬時値表現と複素数瞬時値表現
 7・2 対称座標法・α-β-0法による過渡現象解析
 7・3 対称座標法とα-β-0法による系統故障時過渡現象計算の比較 
第8章 中性点接地方式
 8・1 各種の中性点接地方式とその特徴
 8・2 1線地絡時の健全相電圧の上昇
 8・3 消孤リアクトル(ペターゼンコイル)
 8・4 電圧共振の可能性
第9章 送電線の事故時電圧・電流の図式解法とその傾向
 9・1 3相短絡時の電圧・電流の傾向(直接接地系・高抵抗接地系とも)
 9・2 b-c相2相短絡時の電圧・電流の傾向(直接接地系・高抵抗接地系とも)
 9・3 直接接地系a相1線地絡時の電圧・電流の傾向(線路抵抗,アーク抵抗無視)
 9・4 直接接地系b-c相2線地絡時の電圧・電流の傾向(アーク抵抗無視)
 9・5 高抵抗接地系a相1線地絡時の電圧・電流の傾向(アーク抵抗考慮)
 9・6 高抵抗接地系b-c相2線地絡時の電圧・電流の傾向(アーク抵抗無視)
第10章 発電機の理論
 10・1 発電機のa-b-c相電気量によるモデリング
 10・2 d-q-0法の導入
 10・3 d-q-0領域への変換
 10・4 発電機の定常運転時のd-q-0領域上のベクトル図(正相定常状態)
 10・5 発電機の過渡現象とd軸,q軸各種リアクタンス
 10・6 発電機急変後の初期過渡・過渡・定常時の対称分分等価回路
 10・7 発電機の基本式のラプラス変換と発電機の各種時定数
 10・8 各種リアクタンスの測定法
 10・9 d-q-0領域電気量とα-β-0法領域電気量の関係
 10・10 発電機の短絡時の過渡現象計算
 10・11 鎖交磁束および漏れ磁束の概念
第11章 皮相電力と対称座標法・d‐q‐0法
 11・1 任意波形電圧・電流に対する皮相電力とのそ記号法表示
 11・2 対称座標法による皮相電力
 11・3 d-q-0法による皮相電力
第12章 発電機の発生電力と定態安定度(Park理論の電力への拡張)
 12・1 発電機の発生電力とP-δ曲線・Q-δ曲線
 12・2 発電機から系統への皮相電力送電限界(定態安定度)
第13章 電気機械としての発電機
 13・1 発電機の機械入力と発生電力
 13・2 発電機の運動方程式
 13・3 機械入力から電気出力へのパワー伝達のメカニズム
 13・4 発電機の回転速度調整:スピードガバナ
第14章 系統のP‐Q‐V特性と過渡・動態安定度および電圧安定度
 14・1 定態・過渡・動態安定度の概念
 14・2 2機系統の動揺方程式と外乱による応動
 14・3 過渡安定度と動態安定度ケーススタディ
 14・4 4端子回路の皮相電力と発電機からみる特性インピーダンス
 14・5 系統全系のP-V-Q特性と電圧安定度(電圧不安定現象)
第15章 AVRを含む発電機系と負荷の全体応動特性
 15・1 AVRの理論と発電機系伝達関数
 15・2 AVR系を含めた発電機全体系の伝達関数と応動特性
 15・3 「発電機+励磁器+AVR+負荷」全系の応動特性と運転限界
 15・4 線路充電運転の安定限界とAVR
第16章 発電機の運転とその運転性能限界
 16・1 発電機運転状態の一般式導入
 16・2 発電機の定格事項と能力曲線
 16・3 発電機進相力率
 16・4 AVRによる発電機の電圧・無効電力(V-Q)制御
 16・5 発電機の苦手現象(逆相電流・高調波電流・軸ねじれ)
 16・6 火力・原子力発電機の新鋭機の動向
第17章 R‐X座標と方向距離継電器(DZリレー)の理論
 17・1 保護リレーの使命と分類
 17・2 方向距離リレーの原理とR-X座標
 17・3 無負荷事故時のインピーダンス軌跡
 17・4 平常時と脱調時のインピーダンス軌跡
 17・5 有負荷事故時のインピーダンス軌跡
 17・6 発電機の界磁喪失リレー
第18章 進行波の現象
 18・1 送電線(分布定数回路)の進行波理論
 18・2 分布定数回路の近似化と集中定数回路の精度
 18・3 進行波の透過と反射
 18・4 サージ過電圧,紛らわしい三つの表記法
 18・5 雷直撃地点に発生する進行波
 18・6 3相送電線のサージインピーダンス
 18・7 3相回路の対地波と線間波(対地波・線間波変換法)
 18・8 格子図法によるサージ解析および過渡現象のモード
第19章 開閉(遮断・投入)現象
 19・1 単相回路の遮断過渡現象の計算
 19・2 3相回路の遮断過渡現象の計算
 19・3 遮断機の概念
 19・4 実際の遮断現象
 19・5 遮断器投入時の過電圧現象
 19・6 遮断器の抵抗遮断方式と抵抗投入方式
 19・7 遮断器の開閉サージ
第20章 過電圧現象
 20・1 過電圧現象の分類
 20・2 持続性・短時間過電圧現象(非共振性AC過電圧)
 20・3 持続性・短時間過電圧現象(共振性過電圧)
 20・4 開閉過電圧現象(開閉サージ)
 20・5 雷過電圧現象
第21章 絶縁協調
 21・1 絶縁に対するストレスとしての過電圧
 21・2 絶縁協調の基本概念
 21・3 架空送電線の過電圧抑制策と防護策
 21・4 発変電所における過電圧保護
 21・5 絶縁協調
 21・6 変圧器の移行電圧現象と発電機保護
 21・7 サージによる変圧器巻線の電圧振動
第22章 波形ひずみ(低次高調波)現象
 22・1 波形ひずみ(低次高調波)現象の発生要因と影響
 22・2 事故時のケーブル系波形ひずみ現象
第23章 電力ケーブル線路
 23・1 CVケーブルとOFケーブル
 23・2 電力ケーブルの特徴
 23・3 ケーブルの電気回路定数
 23・4 金属シースと防食層
 23・5 クロスボンド接続方式
 23・6 ケーブル接続終端における導体・シースのサージ性異常電圧
 23・7 架空送電線とケーブルの接続系統のサージ過電圧
 23・8 開閉サージのケーブル線路への襲来
 23・9 GIS・ケーブル接続終端のサージ性異常シース電位
第24章 特別な回路の場合
 24・1 負荷時タップ切換変圧器
 24・2 位相調整変圧器
 24・3 ウッドブリッジ変圧器とスコット変圧器
 24・4 零相接地変圧器
 24・5 相順の誤接続回路の計算
第25章 誘導機の理論
 25・1 誘導機(誘導発電電動機,誘導発電機,誘導電動機)
 25・2 3相巻線形誘導機の理論
 25・3 かご型誘導機
第26章 パワーエレクトロニクス用スイッチング素子の概念
 26・1 パワーエレクトロニクスの基本概念
 26・2 電力素子によるパワースイッチング
 26・3 スナバー回路
 26・4 スイッチングによる電圧変換
 26・5 パワーエレクトロニクス素子
 26・6 パワーエレクトロニクスに登場する数学的基礎
第27章 パワーエレクトロニクス変換回路の理論
 27・1 交流から直流への変換:ダイオードによる整流器
 27・2 サイリスタによる交流直流制御変換
 27・3 dc-dcコンバータ
 27・4 dc-acコンバータ
 27・5 インバータのPWM制御
 27・6 サイクロコンバータ
第28章 発電・送変電および受配電システムにおけるパワーエレクトロニクスの応用
 28・1 パワーエレクトロニクスの応用
 28・2 モータ駆動応用
 28・3 発電機励磁システム
 28・4 可変速揚水発電電動機システム
 28・5 風力発電
 28・6 小水力発電
 28・7 太陽光発電
 28・8 静止型無効電力補償器(他励方式)
 28・9 電力用アクテイブフィルタ
 28・10 直流送電(HVDC送電)
 28・11 電力無効制御
 28・12 鉄道におけるPE応用
 28・13 無停電電源(UPS)
付録1. 数学公式
付録2. 回路方程式の行列記法

出版社からのメッセージ

本書は『電力技術の実用理論 第2版』(2011年5月刊)の改訂版です。

------------------------------------------
本書は、少部数印刷にて重版が可能です。
在庫僅少の場合でもご注文いただけますので、お問い合わせください。
------------------------------------------

関連商品

定価:22,000円
(本体20,000円+税10%)
在庫:お問い合わせください

▼ 補足資料