内容紹介
天体力学とは、太陽系内の惑星の運動に代表される、ニュートンの万有引力を及ぼし合う物体の運動を論じる学問である。なかでも太陽系の安定性の問題には、数多くの数学者がエネルギーを費やしてきた。フランスのポアンカレ,ロシアのコルモゴロフ、アーノルド、米国のバーコフ、スメールなど、煌星のごとくである。本書は、カオスや安定性の概念が天体力学の問題からいかに発生したかを生身の人間の営みを通して、生き生きと描いた大河ドラマ。
目次
第1章 偉大な発見 そして過ち
1.1 パリの散策
1.2 ニュートンの洞察
1.3 自然の法則を記述する言語
1.4 現実のモデル
1.5 多様体の世界
1.6 n 体問題
1.7 オスカー王の賞
1.8 ポアンカレの業績
1.9 『新しい方法』
1.10 不動点
1.11 第1回帰
1.12 カオスを垣間見る
1.13 パンドラの箱
1.14 ポアンカレの過ち
1.15 驚くべき発見
第2章 記号力学
2.1 不動点で始まる経歴
2.2 リオの浜辺にて
2.3 スメールの馬蹄
2.4 記号のシフト
2.5 カオスの記号
2.6 振動と回転
2.7 新しい科学
第3章 衝突とそれ以外の特異点
3.1 特異な人
3.2 衝突か爆発か
3.3 コンピュータ・ゲーム
3.4 ウサギ1匹捕まえるには
3.5 成功の度合い
3.6 衝突の正則化
3.7 天体の玉突き
3.8 ある会議での出会い
3.9 4体から5体へ
3.10 1世紀にわたる追及の終焉
3.11 対称な脱線
3.12 夕食でのあるアイデア
出版社からのメッセージ
本書は、2004年9月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。
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本書は、書籍からスキャナによる読み取りを行い、印刷・製本を行っています。
一部、装丁が異なったり、印刷が不明瞭な場合がございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
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