内容紹介
今から2000年以上前のギリシャにおいて、素数は既に人々の興味の対象であった。素数分布に関する史上最初の結果は、ユークリッドの『原論』に現れており、そこには、素数が無限個あること(素数の無限性)の証明が述べられている。 本書は、ギリシア時代から初めて、20世紀初頭までの素数分布理論の発展を解説した教科書である。歴史的な事実に基づいて、多くの数学者の思考過程を追いながら、現在の研究との接点に配慮した記述がなされている。さらに、主要な結果には必ず証明が付され、その結果の現代までの進展も解説している。 この情感では、まず第1章で素数の無限性に対するユークリッドの議論から始め、オイラーによる原始根の発見、素数の逆数の和の発散を示す。続く第2章では、ディリクレの算術級数ているを扱い、第3章ではチェビシェフの業績を紹介するとともに、ディリクレのL-関数の解析的性質などについても論じている。
目次
第1章 黎明期
1.1 素数の無限性
1.2 素数の逆数の和
1.3 原子根
1.4 素数を表す諸公式
第2章 ディリクレの算術級数定理
2.1 公差が素数である等差数列
2.2 公差が素数の場合におけるLj(1)の非零性
2.3 任意公差の場合
2.4 L(1,x)≠0の初等的証明
第3章 チェビシェフの定理
3.1 ルジャンドルの予想
3.2 π(x)の真の大きさ
3.3 チェビシェフの定理の応用
第4章 リーマンのゼータ関数とディリクレ級数
4.1 ゼータ関数;リーマンの論文
4.2 副素平面におけるディリグレにL-関数
4.3 スティルチェス,カーエン,フラッグメン
出版社からのメッセージ
本書は、2008年5月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。
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