物理で広がる鉄道の魅力

物理で広がる鉄道の魅力

著者名 半田 利弘
発行元 丸善出版
発行年月日 2010年10月
判型 A5 210×148
ページ数 184ページ
ISBN 978-4-621-08289-8
Cコード 0042
NDCコード 686
ジャンル 物理学 >  物理学一般 >  物理読み物

内容紹介

主に車両を中心に鉄道全般のさまざまな技術について、たとえばSLの動くしくみ、電車の架線やモーター、交流とVVVF、空気ブレーキや回生ブレーキなどのブレーキのしくみ、軸受けや車体の空気抵抗、線路の曲線やカント、勾配を克服する秘密、信号やATS・ATCの原理、レール・トンネル・橋梁、ICカードや券売機、みどりの窓口のシステムといった鉄道ファンには馴染みの深い原理や現象を、物理学的な視点からわかりやすく解説。また、鉄道に関するさまざまな話題を凝縮した興味深いコラムも掲載。解説に使用される物理の知識は、概ね高校で学習する物理学の内容を基準にしている。また、鉄道雑誌やインターネットの記事などで取り上げられることの多い固有名詞なども多く登場するので、こうした記事内容をさらに深く理解したい人にも最適の書。

目次

第1章 蒸気機関車のしくみ
 車輪が滑れば、汽車は動かず――軸重と粘着/黒い煙は癪の種――火室から煙突まで/シュッシュッポッ
 ポの深い意味――シリンダーと弁装置/転ばぬ先の杖――先輪があるわけ/
 コラム ベルヌーイ効果/カルノーサイクル
第2章 抵抗制御式電車のしくみ
 ドイツ生まれでアメリカ育ち――電気鉄道と電車/行きと帰りは別の道――架線からレールへ/ゆっくり
 なほど力もち――ローレンツ力と直流直巻モーターの特性/直列で過大電流に抵抗せよ――直並列制御と
 抵抗制御と弱め界磁/仲間といっしょにすべらない話――総括制御と再粘着性能/衝撃の質量――吊掛式
 駆動とカルダン式駆動
第3章 交流電化とVVVF電車
 ドイツ生まれでフランス育ち――電気抵抗と交流電化/電磁誘導と電子陽子の非対称――変圧器と整流器
 の作用/磁場の波に乗れ――VVVF電車とリニアモーター/切っても切れない架線の接続――デッドセ
 クション
 コラム 3相交流
第4章 気動車のしくみ
 内に秘めたる燃えるもの――レシプロ内燃機関の原理/うんとこらえて力を溜めて――レシプロ内燃機関
 のしくみ/馬力を上げて――エンジンの出力を決める要因/噛み合っていれば問題解決――変速機と電気
 式気動車/滞りなく燃える――ガスタービン機関
 コラム 電車文化と前面展望
第5章 鉄道車両の制動
空気を読んで使え――空気ブレーキ/フェイルセーフと音速の限界――自動ブレーキと電気指令式ブレー
 キ/電気の力で減速せよ――電気ブレーキと電力回生ブレーキ/モーターがないサハどうしよう――渦電
 流ブレーキ
 コラム パスカルの原理
第6章 鉄道車両の走行抵抗
 摩擦の種は内部から――転がり摩擦は変形のため/ウケを考えて抵抗を減らせ――平軸受けからコロ軸受
 けへ/未来へ飛んで行け――究極の抵抗軽減策/かっこよく風を切れ――流線形と新幹線
 コラム  カルマン渦
第7章 曲線の線路
 曲がったことは大嫌い――鉄道線路の曲線/内外格差をなくせ――踏面形状とフランジ/曲線を感じさせ
 るな――カントと振り子/横車は押すな――ボギー車と操舵台車
 コラム 駅と郵便局
第8章 登りと下り――勾配を克服する
 斜面でも滑らず――勾配で加わる力/急がば回れ――ループとスイッチバック/歯を食いしばってよじ登
 る――ラックレールと登山鉄道/綱が頼りの登山家たち――鋼索鉄道と索道
第9章 列車運行と信号
 いるかいないか――閉塞と軌道回路/間違いなく詰めて――通票閉塞と色灯式信号機/そこがポイント  
 ――分岐器と進路を示す信号/来た、見た、しまった――そのときのためのATSとATC
 コラム 東京駅とアムステルダム中央駅
第10章 橋梁とトンネル
 線路は続くよ、どこまでも――軌道の構造とレール/枕を並べて先へ行け――枕木と道床/長いトンネル
 を抜けると――土構造とトンネル/天かける線路――橋梁とその構造
第11章 切符と自動改札のしくみ
 切符のいい奴――乗車券システムと自動改札/触らぬ紙に摩擦なし――非接触式ICカード/いま、新幹
 線の中――走行中の列車との通信方法/座って遠くへ行きたい――みどりの窓口をつなぐコンピューター
 通信網
 コラム チンも電車から――ビュフェと電子レンジ
付録 形式称号

定価:2,090円
(本体1,900円+税10%)
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