内容紹介
鋼構造物の老朽化が大きな社会問題となっており、人命に関わる重大事故や事故には至らないまでも安全を脅かすような重篤な損傷が出現しつつあります。他方、財政的には未だ厳しさは継続しており、効率的かつ合理的な維持管理を実施して、ライフサイクルコストを縮減しつつ既存の構造物をできるだけ長期にわたって有効活用する「構造物の長寿命化」が強く要求されるようになっています。 鋼構造委員会では、腐食した鋼構造物の性能回復技術に関する従来の補修・補強施工実績を収集して最近の成果をとりまとめるとともに、性能、特に耐荷性能に着目した性能回復設計の基本方針、設計概念を調査しました。本書は、それらの成果を示すとともに、構造物長寿命化のための性能回復マニュアルとしてまとめたものです。
目次
第1章 腐食した鋼構造物の性能回復の現状
第2章 腐食損傷の特徴
第3章 損傷と性能回復事例
第4章 性能回復設計の考え方
第5章 防食性能の回復