ウィルツ&木村 サービス・マーケティング

ウィルツ&木村 サービス・マーケティング(電子書籍)

原書名 Services Marketing: People, Technology, Strategy, 9th edition
著者名 ウィルツ, J.
木村 達也
発行元 丸善出版
発行年月日 2024年01月
NDCコード 675
ジャンル 社会科学 >  経済学
社会科学 >  経営学
社会科学 >  ビジネス

内容紹介

確かな学術研究に根ざした首尾一貫した先進的な教育学的フレームワークを通じて提示される、強力な経営学的アプローチの採用で、世界的に定評のあるテキスト『ラブロック&ウィルツのサービス・マーケティング』――本書は、サービス・マーケティングならびにサービス・マネジメントの両領域に関しての最新の学術研究・業界動向・テクノロジー・ソーシャルメディア・事例を盛り込んで大改訂されたその第9版をベースに、新たに共著者として加わった木村達也教授が、いっそう日本人読者に役立つよう日本の事例を加筆しながら翻訳したものである。より広い経営的視野からサービス・マーケティングを学びたい学生やビジネスパーソンに最適な書。

目次

第I部 サービス・プロダクト、市場、顧客を理解する

 第1章 サービス経済における価値の創造
  1. なぜサービスについて学ぶのか
    グローバル経済でサービスが占める割合
    サービス業が生み出す新規雇用
  2. サービス産業とは何か
    GDPに占める割合
  3. 強力なパワーがサービス市場を変革する
  4. サービスとは何か
    所有権を伴わない価値
    サービスの定義
    サービス・プロダクトと顧客サービス、アフター・サービスとの比較
  5. サービスの4つの分類
     人への働きかけ
     物への働きかけ
  人の心理への働きかけ
  情報への働きかけ
  6. サービス・マーケティングについての課題
  7. サービス・マーケティングの7P
  8. 伝統的なマーケティング・ミックスの適用
    Product:サービス・プロダクト
    Place:場所と時間
    Price:価格とその他のコスト
  Promotion:プロモーションと教育
  9. マーケティング・ミックスの拡張
    Process:プロセス
    Physical Environment:物的環境
    People:人
  10. マーケティングと他部門の連携
  11. サービス・プロフィット・チェーン
  12. 効果的なサービス・マーケティング戦略のための枠組み
  13. まとめ

第2章 サービス・マーケティングにおける顧客理解
  1. サービス消費の3段階モデル
  2. サービスの利用前の段階
    顧客ニーズを理解する
    情報検索
    サービス購入の決定
    選択肢の評価
  3. サービス・エンカウンターの段階
    「真実の瞬間」としてのサービス・エンカウンター
  顧客との接触度合によるサービス・エンカウンター
    サーバクション・システム
    メタファー(隠喩)としての演劇
    役割と台本
    知覚的コントロール理論
  4. サービス利用後の段階
    顧客満足
    サービス品質
    顧客ロイヤルティ
  5. まとめ

第3章 競争市場におけるサービスの位置づけ
  1. 顧客主導型のサービス・マーケティング
    STP:セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング
  2. サービス市場の細分化
    重要なサービス属性と決定的なサービス属性
    サービス・レベルに応じたセグメンテーション
  3. サービスの市場におけるターゲティング
    絞り込みによる競争優位の獲得
  4. サービス・ビジネスのポジショニング
  5. ポジショニング・マップを使った競争戦略の立案
    ポジショニング・マップの適用例
    将来のシナリオを描くためのポジショニング・マップ
  6. 効果的なポジショニング戦略の策定
  7. まとめ

第II部 マーケティングの4つのPをサービスに適用する

第4章 サービス・プロダクトとブランドの開発
  1. サービス・プロダクトを理解する
    サービス・プロダクトとは
    よくできたサービス・プロダクトのベネフィット
  サービス・プロダクトの創造
  2. サービスの花
    促進型の補完的サービス
    支援型の補完的サービス
    「サービスの花」を生かす
  3. サービスのブランディング
    企業レベルのサービス・ブランドの仕組み
    サービス・レベルのブランディング
    ブランド・エクイティの構築
  4. 新サービスの開発
    新しいサービス・カテゴリー
  5. まとめ

第5章 サービスをいかに提供するか
  1. サービスの流通
  2. 流通しているものは何か
  3. どのようにサービスを提供するか
    顧客がサービスを受ける場所へ行く場合
    サービス企業が顧客のもとに出向く場合
    顧客が遠隔でサービスを受ける場合
  4. どこでサービスを提供するか
    戦略的立地の検討
    サービス展開の立地戦術
    場所の制約
  5. いつサービスを提供するか
  6. 仲介業者の役割
    代替する流通チャネルのメリットと費用
    フランチャイズ
  7. 広大な地理的市場における課題
  8. 世界市場でサービスを売る
    国際化を促進する要因
    サービスの特性が海外展開に与える影響
    国際間取引の障壁
  9. まとめ

第6章 サービスの価格設定と収益管理
  1. 事業を成功させるための効果的な価格設定
    ダイナミック・プライシング
    価格設定の目的
  2. 価格戦略の3つの基礎
    コストに基づく価格設定
    価格に基づく価格設定
    関連するコストの削減
    競争原理に基づく価格設定
  3. 収益管理をどう役立たせるか
    高収益の顧客のために余裕を残しておく
    収益管理の有効性の評価
    価格弾力性
    料金フェンスの設計
  4. サービス価格における公正さ
    サービスの価格設定は複雑
    料金の増額
  5. サービスプライシングの実践
    いくら請求するか
    価格設定の根拠
    代金の回収と支払い場所
  支払いのタイミング
  支払いの方法
  ターゲット市場にどのように価格を伝えるか
  6. まとめ

第7章 サービス・マーケティング・コミュニケーション
  1. 統合型サービス・マーケティング・コミュニケーション
  2. ターゲット顧客を定める
  3. サービス・コミュニケーションの目的を明確にする
    戦略的なサービス・コミュニケーション目標
    サービス・コミュニケーションの戦術的な目標設定
    品質を伝える具体的な手がかりの提供
  4. 効果的なサービス・コミュニケーション・メッセージの作成
    サービスの無形性への対応
    無形性の問題の克服
  5. サービス・マーケティングのコミュニケーション・ミックス
    サービス・コミュニケーション・メディアの効果
    伝統的なマーケティング・コミュニケーション手段
  オンライン経由のメッセージ
  サービス・デリバリー・チャネル経由のメッセージ
  6. 予算決定とプログラム評価
  7. 倫理および消費者プライバシーの問題
  8. コーポレート・デザインの役割
  9. 統合型マーケティング・コミュニケーション
  10. まとめ

第III部 顧客接点の経営

 第8章 サービス・プロセスの設計
  1. サービス・プロセスとは
  2. サービス・プロセスの設計と文書化
  3. サービス・ブループリントの作成
    顧客体験のブループリント(レストランの例)――3幕構成のサービス展開
    失敗のポイントを見極める
    サービス基準と目標の設定
    サービス・プロセス・デザインにおける消費者の知覚と感情
  4. サービス・プロセスの再設計
    サービス・プロセスの再設計による品質と生産性の向上
  5. 顧客のサービスへの参加
    顧客のサービスへの参加
    サービス共同創造者としての顧客
  顧客起因のサービスの失敗を減らすために
  6. 進展する各種のサービス・テクノロジー
    新たなサービス技術の高まり
    ロボットが提供するサービスとは
  7. まとめ

第9章 サービスの需要と供給のバランス
  1. 需要変動が与える収益性への影響
    過剰な需要から過剰な供給まで
    供給と需要の調整
  2. サービス供給能力の定義
  3. 供給能力の調整
    供給能力の拡大
    需要に合わせた供給能力の調整
  4. 需要のパターンを把握する
  5. 需要のコントロール
    マーケティング戦略による需要パターンの形成
  6. 待ち行列によるサービス需要の確保
    行列は世界共通の現象
    待ち行列のコントロール
    さまざまな行列の種類
  仮想の待ち行列
    顧客セグメント別の行列の組み方
  7. 顧客の待ち時間をどう感じるか
    待ち時間の心理学
  8. 予約システムによる需要把握
    予約戦略と収益率
  9. サービス提供能力を最適化する
  10. まとめ

第10章 サービスの環境づくり
  1. サービス環境の役割
  2. サービススケープの目的
    サービススケープは、品質やイメージのシグナル
    バリュー・プロポジションの中核要素
    サービスとの出会いを円滑にして生産性を高める
  3. サービス環境に対する消費者の反応に関する理論
    「感情」が顧客の反応を左右する
    サービススケープ・モデル――包括的なフレームワーク
  4. サービス環境の諸側面
    周囲の状況による影響
  音楽
  香り
  色
  空間レイアウトと機能性
  サイン、シンボル、装飾品
  サービス環境の一部としての「人」
  5. 総合的な対策の実施
    全体を眺める視点
    顧客の視点に立ったデザイン
    サービススケープを考案する方法
  6. まとめ

第11章 優位性獲得のためのスタッフ・マネジメント
  1. 要となるサービス・スタッフ
    顧客ロイヤルティと競争優位に果たすサービス担当者の役割
    顧客コンタクトの少ないサービスの場合
  2. ストレスの多いフロントライン業務
    バウンダリー・スパニングとしてのサービスの仕事
    サービス・スタッフのストレス
    感情労働
  3. 失敗サイクル、凡庸サイクル、成功サイクル
    失敗サイクル
    凡庸サイクル
    成功サイクル
  4. 人材マネジメント――どうすればうまくいくのか
    適切な人材を採用する
    優秀な候補者を見極めるためのツール
    サービス・スタッフの教育
  サービス文化を形づくるインターナル・マーケティング
  現場に権限を与える
  高業績を生むサービス提供チーム
  人をやる気にさせ、活力を与える
  5. サービス文化・風土・リーダーシップ
    サービス志向の文化を築くには
    サービスを提供する風土
  サービス組織における効果的なリーダーの資質
  組織全体をフロントラインに集中させる
  6. まとめ

第IV部 顧客との関係構築

 第12章 関係性とロイヤルティの構築
  1. 顧客ロイヤルティの追求
    なぜ顧客ロイヤルティは企業の収益性に大きく影響するのか
    ロイヤル・カスタマーの価値を評価する
  実際の顧客価値と潜在的な顧客価値のギャップ
  2. ロイヤルティの輪
  3. ロイヤルティのための基盤づくり
    適切な顧客をターゲットにする
    量だけでなく、価値を追求
    顧客満足とサービス品質
  4. ロイヤルティの絆をいかに築くか
    関係強化
    特典の提供
  5. 顧客の離脱を防ぐ
    離反の要因を分析する
  顧客離脱への対処
  効果的な苦情処理およびサービス・リカバリー
    移行コスト
  6. 顧客ロイヤルティ戦略の推進
    取引型マーケティングにおける顧客ロイヤルティ
  顧客関係性マーケティング
  ロイヤルティ戦略を可能にする「会員制」
  7. 顧客関係性マネジメント(CRM)
    CRMシステムの目的
    CRM導入に際しての失敗
  CRMの導入を正しく行うには
  8. まとめ

 第13章 苦情対応とサービス・リカバリー
  1. 顧客の不満行動
    不満を感じた顧客の行動パターン
    顧客のクレームの理由
    顧客がクレーム対応に期待すること
  2. サービス・リカバリーへの顧客の反応
    効果的なサービス・リカバリーと顧客ロイヤルティ
    サービス・リカバリーのパラドックス
  3. 効果的なサービス・リカバリー・システムの原則
    フィードバックしやすい環境を整える
    効果的なサービス・リカバリー
    適切な補償の規模
    クレーム顧客への対応
  4. 顧客の問題行動
  5. まとめ

第V部 卓越したサービスの追求
 第14章 サービスの品質と生産性の向上
  1. サービス品質と生産性の統合
  2. サービス品質とは何か
  3. サービス品質と提供におけるギャップ
  4. サービス品質の測定
    ソフトな品質基準とハードな品質基準
  5. 顧客の声から学ぶ
    効果的な顧客フィードバック・システムの目的
    顧客の声を集約する方法
  6. ハードなサービス品質基準
  7. サービスの品質問題を分析する方法
    原因分析のためのフィッシュボーン・チャート
    サービス・ブループリント――失敗のポイントを特定するための強力なツール
  8. サービス品質がもたらす収益
    品質への取り組みコスト
    最適な信頼性レベルの決定
  9. 生産性の定義と測定
    サービスの生産性の定義
    サービスの生産性の測定
    サービスの生産性、効率性、有効性
  10. サービスの生産性向上
    一般的な生産性向上戦略
    観客起点で生産性を向上させる
    生産性向上による品質と価値への影響
  11. まとめ
 第15章 優れたサービス組織の構築
  1. 顧客満足度と企業業績
  2. 卓越したサービス組織を作る
    4つのレベルのサービス提供
    より高いレベルへの移行
  3. まとめ
索引(人名索引/事項索引)

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