地震・津波によるメタン湧出とジオハザード

地震・津波によるメタン湧出とジオハザード

著者名 榎本 祐嗣 編著
株式会社トヨタコンポン研究所 監修
発行元 丸善出版
発行年月日 2023年10月
判型 A5 210×148
ページ数 286ページ
ISBN 978-4-621-30836-3
Cコード 3044
NDCコード 450
ジャンル 天文・地学 >  地球科学 >  地震・災害

内容紹介

地震や津波による諸現象の一つとして、メタンガスに注目して考察する。
地震によって解放されるエネルギーは強大で、社会やインフラを一瞬にして破壊し甚大な被害をもたらす。エネルギーの形態には力学エネルギーの他に、熱・化学・核・電磁気・光エネルギーがあり、相互に変換し得る。その結果、地震による発光や電磁気異常などの物理化学現象が生じたり、火災害を引き起こすことも近年わかってきている。歴史的な地震に関しても、地中からの火焔、海中からの火柱、地震発光・津波発光などの諸現象やガス田火災、津波火災現象にメタンが関与している実体が見えてきた。しかしながら、この実体を防災・減災の視野に入れていないのが現状である。
本書では、江戸時代から現在までに起きた大地震や津波を上記の視点から見直し、メタン湧出によるハザードリスクを社会にアウトリーチして、防災・減災の幅と奥行きを拡げるべく注意喚起する。

目次

プリフェイス
第1章 歴史地震史料からたどる地震・津波の“諸現象”
 1.1 “諸現象”キーワードのマイニング
第2章 地震“諸現象”の世界を見る
 2.1 天然ガス田と地震
 2.2 魔の海,バミューダ・トライアングル
 2.3 アラビア海の地震島(ザルザラ・コー)
 2.4 ロビンソン・クルーソー島の火柱
 2.5 カタトゥンボの稲妻
 2.6 バイカル地溝帯の霊魂火,プラズモイド
 2.7 米ワシントン州沖合に群集するメタンシープ
 2.8 豹変する永久凍土
第3章 地震・津波に伴った諸現象
 3.1 地震津波に伴った“諸現象”
 3.2 三陸沿岸を襲った“光る津波”
 3.3 東海・東南海地震で起きた海上の火柱・火の玉
 3.4 南海地震で起きた火柱・火の玉
 3.5 日向灘地震で起きた海上に立つ火柱
 3.6 電離層に届いた電磁気擾乱
 3.7 地震電磁気の先行過程・モデル
第4章 地下から火炎噴出と火災 ─歴史地震史料からたどる
 4.1 地震に伴う地中からの火焔噴出し
 4.2 越後三条地震で起きた天然ガスによる火災
 4.3 善光寺地震で起きた天然ガスによる火災
 4.4 安政江戸地震で起きた天然ガスによる火災
 4.5 大正関東大震災で起きた天然ガスによる火災
 4.6 大正関東大震災 被服廠跡の惨禍
第5章 津波による火災
 5.1 津波に伴った火災
 5.2 突然襲った巨大津波そして火災発生
 5.3 三陸沿岸を襲った“黒い津波”と“白い泡津波”
第6章 どうするメタン・ジオハザードの防災・減災
 6.1 地震・津波に伴ったメタン・ジオハザードの因果関係
 6.2 気候変動へのリスク
 6.3 天然ガス火災リスクへの防災・減災
 6.4 津波火災の防災・減災
第7章 ラボ実験 ─仮説の検証
 7.1 仮説の検証の難しさ
 7.2 岩石破壊と深層ガスとの電気的相互作用
 7.3 メタン泡崩壊と帯電ミストの発生
 7.4 摩擦による岩石発光
ポストフェイス ―科学と技術の乖離
付表 

定価:5,500円
(本体5,000円+税10%)
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