日常のかたち

日常のかたち

美学・建築・文学・食
著者名 対馬 美千子
山口 惠里子
発行元 筑波大学出版会
発行年月日 2023年04月
判型 A5 210×148
ページ数 416ページ
ISBN 978-4-904074-75-6
Cコード 1070
ジャンル 人文科学 >  社会学
人文科学 >  芸術・芸能

内容紹介

日々の生活の中でわたしたちは、歩き、詩作し、住まい、音を奏で、食べ、死者とも交流する。他者に焦がれ、あるいは背を向けながら、歓びも痛みも、愛おしさも怒りも日々に埋め込んでゆく。そのような毎日は変奏されながら、日々の襞の折り目を豊かにたおやかに重ねてゆく。本書は、そのような襞のなかに、美学・建築・文学・食を通して分け入り、日常を見つめ直している。

目次

序――日常のディアスポラ

第一部 美学
 日常の美学――世界の創出 齋藤百合子
 キャンプ・ライフのモダニズム――ミネ・オークボ『市民13660号』 アン・マクナイト
 共に「住まうこと」――西内健善と日常の美的想像力 ミリアム・サス
 足の跡、手の跡、息の跡――リチャード・ロングの彫刻における消散 山口惠里子
第二部 建築・家政
 建築のファイナリティと適応 半田るみ子
 『ポイントンの蒐集品』に表象された美の民主化をめぐる攻防 三宅敦子
 ヴィクトリア朝イギリスのドローイングルームとスピリチュアリズム――ミドルクラス女性の交霊会 長谷部寿女士
 <ハウス>のパラダイムシフト――空襲と原爆の時代のドラマ 竹谷悦子
 ノスタルジア――ジョン・チーヴァー「泳ぐ人」における家庭と不在の詩学  宮本陽一郎
第三部 文学
 共有する日常――女工エレン・ジョンストンの詩と読者 中田元子
 日常のサウンドスケープ――ベケットのラジオ劇『すべて倒れんとする者』 対馬美千子
 ピアノのお稽古とその影響力――作家になったアメリカの少女たち 馬籠清子
 日常の表現の渇望と国民共生意識の醸成――アルジェリアの日本式マンガ創作 青柳悦子
第四部 食
 「倫理的な食」の陥穽を越えて 五十嵐泰正
 NETFLIX 北朝鮮漂流記『愛の不時着』における「ニュートロ」な男性像――料理する人民軍と共に イ・ヒャンジン
 ヒースクリフの飢え――『嵐が丘』の日本語訳にみる食 ジュディス・パスコー

あとがき
執筆者・訳者紹介

定価:7,150円
(本体6,500円+税10%)
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