イギリス消費社会の生成

イギリス消費社会の生成

18世紀の都市化とファッションの社会経済史
著者名 道重 一郎
発行元 東洋大学出版会
発行年月日 2022年10月
判型 A5 210×148
ページ数 354ページ
ISBN 978-4-908590-09-2
Cコード 3036
ジャンル 社会科学 >  社会科学一般

内容紹介

18世紀のイギリスでは都市化の進展とともに消費財消費が拡大し、また消費財の内容も多様化されて社会全体がかなり高い消費レベルに達していた。本書は、工業化に先立って生れた、この消費社会の生成期を対象として、多様で具体的な史料にもとづいてこの時期の姿を描いている。一般的には工業化の結果とされる都市化だが、イギリスでは産業革命に先行してこれがすでに進行しており、イギリスの消費社会は、いち早く進行した都市化と絡み合って形成された歴史的にユニークな存在であった。本書では、消費の拡大を担った都市中流階層の消費動向にまず着目し、特に消費者へ衣料品などの消費財を提供する小売業者に関する経営文書など多くの原史料を用いて、ファッションが消費の動向にどのように関わったかを、分析している。さらに農村の小売商の姿と都市とを対比させながら、18世紀イギリス社会における消費社会の生成を明らかにしている。

目次

はしがき
凡例
序章
 消費社会の形成
第1章
 イギリス中流階層の形成と消費文化                
第2章
 都市化と消費空間の形成―消費空間、社交空間と小売商業
第3章
 都市の中流階層と伝統的市場の改良―都市ルイスの市場建設
第4章
 18 世紀イギリス社会における消費批判―反女性と反フランス感情の背景
第5章
 ロンドンの女性小売商と破産手続き―大法官裁判所史料とその性格
第6 章
 ロンドンの婦人向け小売商と消費社会―服飾小売商milliner の活動を中心に
第7 章 
 ロンドンの紳士衣料販売と仕立商―セイヤー家の経営を中心に
第8 章
 農村における店舗経営と中流階層―スティーブン・ハッチ家の経営を例にして
第9 章
 農村の店舗経営とロンドンの役割―レベッカ・ハッチのロンドン仕入れ
第10章
 農村地域の店舗主と社会生活―トーマス・ターナーの営業活動を中心に
終章
 都市的消費文化の独自性
参考文献一覧
あとがき
索引

定価:3,080円
(本体2,800円+税10%)
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