内容紹介
ペロポネソス戦争は、二十七年間にわたってギリシア世界(ポリスの世界)のあちこちでさまざまな形で戦いが繰り広げられた戦争であった。陰に陽に、当時のギリシア人の生活を規定し、種々の行動を生み出す背景となった。この戦争を伝える同時代の歴史家トゥキュディデスの一書は、そうした行動とその結果を詳細に描き出している。本書ではトゥキュディデスを深く読むことによって、そこに語られるエピソードを再構成し、それにかかわる人間の心理を推測するとともに、その背景にあるポリスのあり方を探り出す。
目次
第一章 アルキダモスの苦悩
第二章 プラタイアの場合
第三章 アテナイ開戦
第四章 ペリクレスの思い
第五章 ミュティレネの場合
第六章 ケルキュラの場合
第七章 シケリア遠征
終章 結末