天体力学講義

天体力学講義

原書名 Lectures on Celestial Mechanics
著者名 伊藤 秀一
関口 昌由
発行元 丸善出版
発行年月日 2024年04月
判型 A5 210×148
ページ数 374ページ
ISBN 978-4-621-30913-1
Cコード 3041
NDCコード 413
ジャンル 数学・統計学 >  解析学

内容紹介

 本書は,20世紀を代表する数学者の一人であるC.L.ジーゲルが行った天体力学の講義録をもとに生まれ,その後J.K.モーザーとの共著として改訂された名著の翻訳である.3章構成となっており,三体問題の解の解析接続と衝突解の問題が扱われ(第1章),微分方程式の周期解を扱うためのさまざまな方法論に触れたあと(第2章),解の安定性について議論される(第3章).その叙述は古典的な解析手法に貫かれ,それが3章後半でのKAM理論という新たな摂動論へと発展していく.

 さらに翻訳版では,訳者による注釈ノート,ならびに,原著出版後の発展についての解説とそれに関する文献のリストを追加している.多くの数学者を魅了し,数学の発展の源流になってきた伝統ある天体力学の奥深さを堪能できる1冊.

 

目次

第1章 三体問題
1. ラグランジュ微分の共変性
2. 正準変換
3. ハミルトン–ヤコビ方程式
4. コーシーの存在定理
5. n体問題
6. 衝突
7. 正則化変換
8. 三体問題への応用
9. 周長の評価
10. 速度の評価
11. スンドマンの定理
12. 三体衝突
13. 三体衝突軌道

第2章 周期解
14. ラグランジュの解
15. 固有値
16. 存在定理
17. 収束性の証明
18. ラグランジュの解への応用
19. ヒルの問題
20. ヒルの問題の一般化
21. 接続法
22. 不動点法
23. 面積を保存する解析的変換
24. バーコフの不動点定理

第3章 安定性
25. 関数論的な渦心点問題
26. 収束性の証明
27. ポアンカレの渦心点問題
28. リャプノフの定理
29. ディリクレの定理
30. ハミルトン系に対する標準形
31. 面積保存変換
32. 不変曲線の存在
33. 補題の証明
34. 安定性問題への応用
35. 平衡解の安定性
36. 準周期運動と多自由度系
37. 再帰定理

参考文献

訳者によるノート

付録1 二体問題の求積

付録2 n体問題に対する非衝突特異点の存在について

付録3 周期解の存在と変分法
 3.1 エネルギー曲面上の周期軌道の存在問題
 3.2 ポアンカレ–バーコフの不動点定理の拡張
 3.3 n体問題の周期解 –8の字解の存在とその拡張–

付録4 KAM理論とその周辺分野の進展について
 4.1 連分数展開とヨコスによるジーゲルの定理の精密化
 4.2 可積分性と標準形理論
 4.3 KAM 理論とその進展
 4.4 KAM 曲線の崩壊とオブリー–マザー理論
 4.5 多自由度ハミルトン系の安定性と不安定性

訳者による追加参考文献

索引

定価:6,600円
(本体6,000円+税10%)
在庫:在庫あり