経済学入門-経済学の考え方

経済学入門-経済学の考え方

原書名 The Economic Way of Thinking
著者名 木村 憲二
鈴木 多加史
福井 南海男
発行元 丸善出版
発行年月日 2003年04月
判型 A5 210×148
ページ数 612ページ
ISBN 978-4-621-06612-6
Cコード 3033
NDCコード 331
ジャンル 社会科学 >  経済学

内容紹介

本書は、数式やモデルをほとんど使わず、豊富な実例と応用を通して「経済学の考え方」を理解できるように工夫をしている。しかし、モデルや数式を使っていないからといって、経済学の入り口で止まらず、ミクロおよびマクロ経済分析の基礎的な原理を発展させて、それらを道具として厳密に用いることができるようにしている。

目次

第1章 経済学的な考え方
 ・秩序の理解
 ・社会的協力の重要性
 ・社会的協力の生育
 ・思考のための分析用具
 ・相互調整による協力
 ・経済理論のバイアス(偏り)
 ・ゲームのルール
 ・バイアスか結論か
 ・理論がないということは、悪い理論が支配しているということである
 ・もう一度復習してみると
第2章 どこにでもある代替機会:需要の概念
 ・費用と代替
 ・需要の概念
 ・限界価値
 ・限界における意思決定
 ・グラフで書いてみよう
 ・需要と需要量
 ・理解の差
 ・貨幣費用とその他の費用
 ・インフレーションによって引き起こされる誤った理解
 ・自由と力
 ・時は味方
 ・需要の価格弾力性
 ・弾力性について考えてみよう
 ・弾力性と総収入
 ・垂直の需要の謎
 ・もう一度復習してみると
第3章 機会費用と財の供給
 ・費用は評価なり
 ・機会費用としての生産者の費用
 ・機会費用のケース・スタディ
 ・費用と行為
 ・志願兵制度の費用
 ・「サンク・コスト」(埋没費用)の虚構
 ・限界機会費用
 ・限界費用と平均費用
 ・正当化の基準としての費用
 ・費用と供給
 ・供給の価格弾力性
 ・もう一度復習してみると
第4章 供給と需要:その協業のプロセス
 ・市場のシステム
 ・取引費用
 ・財産権と制度
 ・貨幣価格の調整機能
 ・基本的なプロセス
 ・演習問題の追加
 ・価格固定化の要請
 ・希少性から競争へ
 ・価格の固定化のもとでの競争
 ・配給における供給者の役割
 ・適切なシグナルと不適切なシグナル
 ・代替的なシステムの可能性
 ・インフレーションと家賃統制
 ・過剰と希少性
 ・価格を無視する供給者
 ・空港の所有者になって
 ・価格、委員会、独裁者
 ・もう一度復習してみると
第5章 供給と需要:問題と応用
 ・費用が価格を決定するのか
 ・食糧価格と農業費用
 ・供給量対供給:経験則(a rule of thumb)
 ・費用と価格:再論
 ・費用と所有権
 ・費用と混雑
 ・もっと下さい、タダなのですから!
 ・医療費の高騰
 ・費用と保険
 ・病院の費用
 ・弾力性と価格変化
 ・税を負担するのは誰か
 ・もう一度復習してみると
第6章 効率、交換、および比較優位
 ・効率と価値
 ・価値に関する意見の不一致
 ・物的富の神話
 ・貿易は富を創造する
 ・財産権と効率
 ・効率性と国際貿易
 ・取引費用と効率性
 ・比較優位の位置
 ・個別的効率対社会的効率
 ・付録:比較優位の算術
 ・もう一度復習してみると
第7章 情報、仲介業者、および投機家
 ・情報生産者としての不動産業者
 ・探索費用の引き下げ
 ・市場が情報を創造する
 ・さまざまな投機
 ・投機の結末
 ・予言者と損失
 ・「インサイダー取引」に関する複雑な問題
 ・負担義務問題
 ・医師と医療過誤訴訟
 ・付録:商品投機と先物市場
 ・もう一度復習してみると
第8章 価格設定と独占の問題
 ・独占者の資格を持つ者は誰か
 ・代替物、弾力性、および市場力
 ・特権と制限
 ・価格受容者と価格探索者
 ・価格受容者市場と「最適」資源配分
 ・もう一度復習してみると
第9章 価格探索
 ・価格設定の通説
 ・エド・シーク君の登場
 ・純収入極大化の基本ルール
 ・限界収入の概念
 ・限界収入が価格よりも小である理由
 ・限界収入=限界費用の設定
 ・空席の問題
 ・価格差別者のジレンマ
 ・価格探索者のとしての大学
 ・価格差別化の戦略
 ・エド・シークの解法
 ・不満と根拠
 ・ランチとディナーの価格
 ・コスト・プラス・マーク・アップ再考
 ・もう一度復習してみると
第10章 競争と政府政策
 ・競争の圧力
 ・競争のコントロール
 ・政府政策の二面性
 ・費用以下での販売
 ・適切な費用とはどのようなものか
 ・「略奪者」と競争
 ・価格の規制
 ・「独占禁止」政策
 ・解釈と適用
 ・垂直的な規制:競争的あるいは反競争的
 ・意見の範囲
 ・評価への道
第11章 利潤
 ・費用には何が含まれるべきか
 ・利子は何に対する報酬なのか
 ・時間選好
 ・利子率におけるリスク因子
 ・実質利子率と名目利子率
 ・不確実性:利潤が生じるための必要条件
 ・利潤の追求
 ・企業家
 ・責任はどこにあるのか
 ・非営利組織
 ・社会主義からの移行
 ・誰もが責任を取るという行為をしている
 ・競争の制限
 ・他の局面における競争
 ・主要な資源を求めての競争
 ・競争と財産権 
 ・もう一度復習してみると
第12章 所得分配
 ・供給者と需要者
 ・資本と人的資源
 ・人的資本と投資
 ・財産権と所得
 ・現実の権利、法律上の権利、道徳上の権利
 ・予測と投資
 ・需要の法則と生産用役
 ・人が雇用されるのか、機械が用いられるのか
 ・生産用役に対する派生需要
 ・誰が誰と競争するのか
 ・労働組合と競争
 ・貧困と不平等
 ・なぜ、不平等は増加するのか
 ・所得を再分配すること
 ・ルールの変更と社会的協力
 ・もう一度復習してみると
第13章 外部性と権利の衝突
 ・マイナスの外部性とプラスの外部性
 ・完全無欠なことは達成できない
 ・交渉
 ・判決によって外部性を減らすこと
 ・不満を持つ住宅所有者の場合
 ・慣例の重要性
 ・急激な変化によって生じる問題
 ・法律の制定によって外部性を減らすこと
 ・費用の最小化
 ・その他の方法:放出物に対して課税すること
 ・汚染してもいい免許証って
 ・効率と公正さ
 ・バブル・コンセプト
 ・権利と公害という社会問題
 ・外部性としての交通混雑
 ・もう一度復習してみると
第14章  市場と政府
 ・民間部門対公共部門
 ・競争と個人主義
 ・経済理論と政府の行動
 ・強制力を用いる権利
 ・政府は必要なのか
 ・不払い者の排除
 ・フリーライダー(ただ乗り)問題
 ・プラスの外部性とフリーライダー
 ・法と秩序
 ・国防
 ・道路と学校
 ・所得の再配分
 ・自発的な交換の規則
 ・政府と公共の利益
 ・情報と民主主義政府
 ・排出される公職者の利益
 ・プラスの外部性と政府の政策
 ・公共の利益はどのように定義されるのか
 ・囚人のジレンマ
 ・政治制度の限界
第15章  経済システムの総合的な成果
 ・豊かさと貧しさの基準
 ・国内総生産(Gross Domestic Product、GDP)
 ・国民所得会計の限界
 ・説明を探す
 ・説明を説明する
 ・集計値の変動
 ・インフレーション
 ・1960年以降の景気後退とインフレーション
 ・何が集計値の変動の原因なのか
 ・もう一度復習してみると
第16章  貨幣の供給
 ・貨幣としての紙巻タバコ
 ・貨幣の発達
 ・フィアット・マネー(不換紙幣)の神話
 ・現在の貨幣が持つ性質
 ・貨幣の創造
 ・規制下にある銀行
 ・金(gold)についてはどうか
 ・創造されたものは消滅させることができる
 ・どれだけの貨幣が流通しているのか
 ・Fedによって用いられる手段 
 ・実際は、誰が責任を持っているのか
 ・もう一度復習してみると
第17章 金融政策と財政政策
 ・大恐慌
 ・驚くべき日本経済
 ・景気後退期には何が起こるか
 ・貨幣需要
 ・なぜ人々は貨幣残高を保有するのか
 ・現実および選好された貨幣需要
 ・貨幣需要はどれだけ安定しているか
 ・金融政策の実際
 ・金融政策が有効なのはいつか
 ・財政政策の場合
 ・良いタイミングの必要性
 ・政策手段としての連邦予算
 ・終わらない仕事
 ・もう一度復習してみると
第18章 国家政策と国際為替
 ・国際取引の会計
 ・なぜ貸方は借方に等しくなければならないか
 ・均衡と不均衡
 ・国際不均衡のあいまいさ
 ・隠された政策判断としての不均衡
 ・しかしそれは永久に続くのか
 ・外国為替相場と購買力平価
 ・ブレトン・ウッズ体制
 ・固定あるいは変動為替相場
 ・誰も知らない
 ・われわれが見た混乱
 ・単一通貨の場合
 ・私益、国益、公益
 ・比較優位を守るために
 ・もう一度復習してみると
第19章 雇用と失業
 ・失業と非雇用
 ・雇用者、非雇用者、および失業者
 ・労働市場の決定
 ・失業率と雇用率
 ・費用と決定
 ・失業と景気後退
 ・なぜ失業は持続するのか
 ・フイリップス曲線
 ・幻想による失業の減少
 ・労働市場政策
 ・もう一度復習してみると
第20章 経済成長の促進
 ・歴史的記録
 ・経済成長の源泉
 ・対外投資
 ・人的資本
 ・アジアの記録
 ・アジアの外側
 ・もう一度復習してみると
第21章 経済的成果と政治経済学
 ・政治的背景
 ・時間的視野と効果の連鎖
 ・際限のない赤字
 ・なぜ政府は同じようにならないのか
 ・金融政策の政治経済学
 ・裁量と規則
 ・誰が操縦しているのか
 ・論争の更新
 ・行く手になにがあるのか
 ・もう一度復習してみると
第22章 経済学の限界
 ・経済学者が知っていること
 ・単なる経済学を超えて

定価:4,620円
(本体4,200円+税10%)
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