分子反応モデリング その理論と応用

分子反応モデリング その理論と応用

-石油・石炭・バイオマスの高度利用に向けて-
原書名 Molecular Modeling in Heavy Hydrocarbon Conversions
著者名 田中 隆三
阿尻 雅文 監修
発行元 丸善出版
発行年月日 2016年03月
判型 A5 210×148
ページ数 352ページ
ISBN 978-4-621-08697-1
Cコード 3058
NDCコード 571
ジャンル 化学・化学工学 >  理論化学・情報化学・計算化学

内容紹介

反応速度論による分子反応モデリングおよびKMT(Kinetic Modeler's Toolbox)の解説書。原著者はKMTの開発者であるKlein教授らである。分子反応モデリングの理論的・技術的解説、具体的な手法と応用例を網羅的・系統的に解説しており、研究者・技術者が分子反応モデリングの入門書として精読するのに最適である。巨大分子の反応モデリングの基本的な考え方を丁寧に解説。石油・重質油・石炭・バイオマスを含む炭素資源の有効活用、高度利用に向けた基礎となる方法論が述べられている。また、応用例として、実際のナフサ分解、重質油分解、バイオマス・石炭分解に関するモデル化の具体例を紹介している。最近注目されているバイオマスからの分解・化学原料回収プロセスの開発や、プラスチック等の廃棄物高分子の分解・化学原料リサイクル(ケミカルリサイクル)プロセスに関しても直接役に立つ内容である。

目次

1 諸言
 1.1 分子反応モデリング技術開発の意義
 1.2 背景
 1.3 モデリング手法
 1.4 分子反応モデリングのストラテジー
 1.5 化学工学の意義と本書の構成
第1部 分子反応モデリングの基礎
 2 複雑な原料油の分子構造と組成のモデリング
  2.1 諸言
  2.2 複雑な原料の分析
  2.3 分子構造モデリング:確率論的アプローチ
  2.4 ケーススタディ:軽油
  2.5 考察とまとめ
 3 複雑なプロセス化学の反応ネットワーク自動構築
  3.1 諸言
  3.2 反応ネットワークの構築とそのコントロール技術
  3.3 反応ネットワークの特性
  3.4 まとめと結論
 4 速度パラメータの系統的整理
  4.1 諸言
  4.2 複雑な反応ネットワークの速度式
  4.3 線形自由エネルギー関係(LFER)の概要
  4.4 接触水素化分解におけるLFERの代表的な結果
  4.5 まとめと結論
 5 反応モデルのタイプに応じた方程式ソルバーの選択
  5.1 諸言
  5.2 数学的な基礎
  5.3 実験
  5.4 結果と考察
  5.5 まとめと結論
 6 総合的な分子反応モデリング用ツール
  6.1 諸言
  6.2 分子反応モデリング用ツール(KMT)の開発
  6.3 パラメータの最適化と性状予測
  6.4 まとめと結論
第2部 さまざまなプロセスへの応用
 7 ナフサ改質の分子反応モデリング(経路レベル)
  7.1 諸言
  7.2 モデリング手法
  7.3 モデル開発
  7.4 モデル自動構築
  7.5 C14ナフサ改質モデル
  7.6 モデルの検証
  7.7 まとめと結論
 8 重質パラフィン水素化分解の分子反応モデリング(機構レベル)
  8.1 諸言
  8.2 反応メカニズムに基づくモデリング手法
  8.3 モデル開発
  8.4 モデルを用いた予測結果とその検証
  8.5 C80モデルへの拡張
  8.6 まとめと結論
 9 ナフサ水素化処理の分子反応モデリング(経路レベル)
  9.1 諸言
  9.2 モデリング手法
  9.3 モデル構築
  9.4 結果と考察
  9.5 まとめと結論 
 10 ガスオイル水素化処理の分子反応モデリング(経路レベル)
  10.1 諸言
  10.2 モデリング手法
  10.3 モデル開発
  10.4 結果と考察
  10.5 まとめと結論
 11 流動接触分解の分子反応モデリング(機構レベル・経路レベル)
  11.1 諸言
  11.2 反応機構モデリングにおけるモデル縮小戦略
  11.3 反応速度論
  11.4 モデルの検証と結果
  11.5 経路モデリングの基礎としての機構モデルの知見
  11.6 経路モデリング
  11.7 まとめと結論 
 12 ナフサ熱分解の分子反応モデリング(機構レベル)
  12.1 諸言
  12.2 現在のモデル構築方法
  12.3 熱分解モデル開発
  12.4 反応ファミリーの役割
  12.5 反応ネットワークの特徴
  12.6 パラメータ推算
  12.7 まとめと結論 
 13 残油熱分解の分子反応モデリング(経路レベル)
  13.1 概要
  13.2 諸言
  13.3 残油(石油系残渣油)の分子組成モデル
  13.4 分子反応モデル
  13.5 モデル予測と考察
  13.6 結論
 14 石炭直接液化の分子反応モデリング(機構レベル)
  14.1 概要
  14.2 諸言
  14.3 モンテカルロ・シミュレーションの概要
  14.4 初期石炭構造の確率論的構築
  14.5 機構レベルのモンテカルロ・反応シミュレーション
  14.6 シミュレーション結果
  14.7 まとめ
 15 リグニン熱分解の分子反応モデリング(経路レベル)
  15.1 概要
  15.2 諸言
  15.3 リグニンの構造と組成のモデリング
  15.4 分子レベルのモデリング
  15.5 リグニンの構造と組成のモデリング
  15.6 リグニンの反応経路と反応速度論
  15.7 構造属性ベースの反応モデリング
  15.8 モデルの実行結果
  15.9 結論
 16 まとめと結論
  16.1 まとめ
  16.2 結論
  16.3 分子反応モデリングの今後の展開とペトロリオミクス

定価:17,600円
(本体16,000円+税10%)
在庫:絶版