放射線を科学的に理解する

放射線を科学的に理解する

基礎からわかる東大教養の講義
著者名 鳥居 寛之
小豆川 勝見
渡辺 雄一郎
中川 恵一 執筆協力
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年10月
判型 A5 210×148
ページ数 254ページ
ISBN 978-4-621-08597-4
Cコード 1040
NDCコード 539
ジャンル 科学一般 >  科学読み物
物理学 >  物理学一般
物理学 >  放射線物理

内容紹介

福島第一原発事故後の放射線に関する科学的知識へのニーズの高まりを受けて、2011年度後期に開講した東京大学教養学部授業(1-2年生対象)をまとめたもの。 粒子線物理学、生命環境応答学、環境放射化学の先生方を中心に、原子力工学、放射線医学、放射線と農業も含めて、分野を越えて多角的、体系的に解説した授業から、原子力発電そのものの部分を除いて、放射線全般について解説。「放射線」について、大学で体系的な講義がされているところはほとんどない現状で、諸分野から最低限必要な知見の得られる内容となっている。

目次

1章 放射線とは?《放射線入門》
 放射線,放射性物質と放射能
 放射線と放射能の単位 
 身のまわりの放射線
2章 放射線の性質《放射線物理学 Ⅰ》
 放射線の種類と透過力
 荷電粒子と物質中でのふるまい
 光子の物質中でのふるまい 放射線と物質との相互作用のまとめ
3章 原子力発電で生み出される放射性物質《原子核物理学・原子力工学》
 原子核と原子力
 原子核の種類
 放射性核種の崩壊
 原子核の安定性
 原子核反応
 原子力発電
4章 放射線量の評価 *《放射線物理学 Ⅱ》
 放射線量の単位
 放射線量の計算
5章 放射線の測り方《放射線計測学》
 放射線計測の原理
 食品中の放射線セシウムのγ線測定
 放射性ストロンチウムの分析法
6章 環境中での放射性物質《環境放射化学》
 放射性物質による汚染の実態
 汚染土壌の形成過程
 放射性物質の「除染」
7章 放射線の細胞への影響《放射線生物学》
 地球の磁場による宇宙線(放射線)バリアー
 放射線がDNAに与える影響
 DNA損傷の修復
 DNA損傷を抱えたままのがん細胞
8章 放射線の人体への影響《放射線医学》
 被曝による影響の種類
 過去の事例からの考察
 現代人の死因
 健康診断の有用性 
 がん治療の最前線
9章 放射性物質と農業《植物栄養学・土壌肥料学》
 植物と土壌 
 セシウムという元素
 セシウム汚染と植物
 暫定基準値,基準値の意味
 ファイトメディエーション
 森林と放射性セシウム
10章 放射線の防護と安全《放射線防護学》
 内部被曝と外部被曝
 外部被曝からの防護
 内部被曝からの防護
 安全のための防護の考え方
 被曝線量の基準値
11章 役に立つ放射線《放射線の利用・加速器科学》
 放射線の利用 
 人口の放射線をつくる
Q&A

定価:2,750円
(本体2,500円+税10%)
在庫:在庫あり