内容紹介
建築設計において、コンピュータの使用はもはや不可欠であるが、一般的にはデザインを思考する段階においては、未だ頭の中で試行錯誤し、図面化しているのが現状である。そこで、「設計に求められる目的」を満たす形や配置を、コンピュータプログラムを使って「生成」しようという、新しい設計方法が近年ますます注目されている。その方法が「アルゴリズミック・デザイン」である。この手法により、これまでに思いもつかなかった形態が可能になるなどその可能性はますます広がっている。 本書はこの「アルゴリズミック・デザイン」をわかりやすく解説しながら、そのプログラムをウエブサイトからダウンロードできることにより、実際の設計活動でも使えるようにしたこれまでにない内容である。プログラムはできるだけ誰でも使えるように、普通のPCで(特別のソフトを必要とせずに)そのまま動くようにする。
目次
UnitI 実行編
UnitI‐1 かんたんプログラム
1 「constellation」
点群からパターンを見つける
2 「tree」
線のパターンをつくる
3 「pillars」
簡単構造プログラム
4 「dinner table」
好き・嫌いの配列プログラム
5 「particle flow」
KazaNami 波と粒子
6 「Lissajous」
数式から生まれるかたち
UnitI‐2 「誘導都市」その1
1 「太陽神の都市」
SUNGOD CITYシリーズ
2 「視線の都市」
PRIVACITYシリーズ
UnitI‐3 プログラムのつくりかた
1 プログラムって何
2 Processing を使おう
3 GHを動かしてみよう
UnitI‐4 「誘導都市」その2
1 「新・発生街区の都市」
neo Generated City Blocks
2 「neON DEMAND CITY」
3 「形力」KeiRikiシリーズ
4 デザイン×構造→建築
UnitII 理論編
UnitII‐1 設計は 何のために するのか
1 設計にはかなえるべき条件がある
2 しかし数値化できない条件がある
3 そして、満たせない条件がある
4 数値化できない条件と 満たせない条件をどうやってかなえるのか
Unit2‐2 世界は「設計」されている
1 環境選択としての、樹木 生物のデザイン
2 因果律としての、雲 物理のデザイン
3 経路依存としての、都市 無意識のデザイン
4 デザインに理由はあるか 科学としてのデザイン
UnitII‐3 世界を設計する6つの方法
1 インテュイションデザイン ペンさえあれば、デザインはできる
2 スライダー デザイン つまみを動かして、デザインする
3 シミュレーションデザイン 見える化すれば、デザインしやすい
4 ジグソーデザイン 組み合わせを、見つける
5 Q&Aデザイン 課題を解ける、かたちを、生みだす
6 crowdデザイン 投票で、デザインする
UnitII‐4 「柔らかい科学」としての設計
1 昔からずっとこうしていたのか 建築家以前のデザイン
2 折りたたまれ伸び縮みする、時空間 いま、そこにない、秩序
3 重力がなければ 仮想世界のデザイン
4 デザインとは(実は) 制約をつくること
5 デザインをデザインする 決めてつくる/決めないでつくる
6 DIDダイレクトイメージデザイン イメージを直接かたちに